松尾山のち唐櫃越え

毎月第2水曜日は京都一周トレイルの講座になっている。昨日(11/8)は西山コースの最終回で、嵐山から西芳寺までを歩いてきた。

天気予報通り、朝から雨。しかしお休みは一人だけだった。
阪急の嵐山駅に集合。
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トレイルコースに入ると台風の風による倒木。1ヶ月前はこんなのは無かった。
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急な登りがしばらく続くので、汗をかかないように傘で歩く。
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今日のコースは短いので、嵐山城趾に寄り道する。トレイルコースからはずれるとまたもや倒木。
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山の嵐山の一つ手前のピークまで行く。何も残っていないけれど、いちおう城跡。
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トレイルコースに戻って、松尾山山頂(275.6m)で昼食にした。幸い、雨は止んできた。
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展望場所はガスってほとんど何も見えず。
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時間があるので西芳寺への下りに入る直前のスペースでお茶タイムを取った。
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雨で滑りやすい道を下って、林道に下り立った。
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西芳寺はいつも前を素通りするだけ。
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バス停で解散して、私は唐櫃越えへ向かった。
しばらく舗装路を上がってお墓の間から山道に入る。
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実は今日は夜に京都市内で予定があって、だいぶ時間をつぶさなければならないので、距離の長い唐櫃越えを行くことにしたのだけれど、今の時期は山道を歩けるのはせいぜい5時くらいまでなので、それまでに下道まで出られるかどうか不安はあった。
前回、馬堀から唐櫃越えを行った時は山道に入る直前からこのお墓の所まで2時間ちょっとだったのだけれど、この時は一人でトレランだったので、軽装で走れるパートは走っている。
今日は足元こそゴアテックスのトレランシューズだけれど、荷物があるので、フラットな場所でも軽快に走るというわけにはいかないので、同じパートを2時間半以上はかかるだろうと思う。
お墓の横が午後2時 38 分だったので、時間的にはギリギリというところ。場合によっては途中で引き返すということも考えなければならないと思いながら山道に入った。
山道入るやいなや、もう上がったと思っていた雨がまた降り出してきた。仕方無く傘を出す。
しばらくは緩い登りで、おそらく前回は軽快に走って下ってきただろうと思う。この道も台風の影響がかなりあって、所々道が荒れている。不明瞭な所に入り込んだと思ったら、実は行ってはいけない道に入っていたようだ。
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お墓からほぼ1時間で沓掛山(416m)に到着した。ここは前回来たときは小さな標識があったように思うのだけれど、今日は何も無かった。
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ここでちょっと思案した。まだ半分も来ていない。まっ暗になる前に下山できるかどうか、微妙な時間だ。ヘッドランプは持ってきてはいるけれど、あまり遅くなって肝心の用事に間に合わなくなってしまったりしたら元も子もない。
しかし標高としてはほぼ最高点に近いくらいまで上がっていて、これから先はもうあまり長い登りは無いし、この先、しばらく舗装路の林道があることは覚えているので、思い切って先に進むことにした。
この道も倒木がたくさんあって、道も不明瞭になっている部分がしばしばある。
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時々、道を間違っているんじゃないかと不安になったりしたけれど、少し進むとまた明瞭になってほっとしたりした。
時間が気になってあせって進んでいたら、そばにあった木の枝に傘がまともに当たって、「バキッ!!」という音がした。骨が1本、折れていた。金属なら曲がるのだろうけれど、軽量の樹脂なので完全に折れてしまっている。
このモンベルの折りたたみ傘はまだ買って1年もたっていなくて、使ったのはおそらくせいぜい 10 回くらい。ショック。
午後4時過ぎに林道に出た。
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この林道はほとんどフラットなので、走れそうな所はスロージョグで走った。
みすぎ山に近づくと登りになる。北側は幻想的な風景。
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再度山道に入ってみすぎ山へ最後の登り。
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またもや障害物。
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みすぎ山(430.1m)には4時 43 分に到着した。
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すでに薄暗くなってきていて、亀岡方面はあかりが点っている。
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最後は沢筋に下りになることは覚えている。あとは時間との競争。
沢筋に入ると上空が木で遮られて、すでに足元がおぼつかない状態になっている。
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本当ならヘッドランプを出さなければならないところだけれど、うっかりヘッドランプをザックの底の方に入れたままだったので、暗闇の中、小雨で滑りやすい谷筋を下るという無謀なことを続けた。
下道に出たのは5時7分だった。よく転ばずにすんだと自分でも感心した。
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馬堀駅には5時 20 分に到着した。
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高取山から菊水山、鍋蓋山

先の土曜日(11/4)は登山講座の六甲全山縦走第2回。前回の続きで、高取山の安井茶屋から北東に向かう。

集合は高取団地前のバス停で、私は別の講座で高取山へ行った時に下山した、西代からの道を歩いて上がることにした。
西代駅の前の小学校のわきを曲がって少し行くと参道が始まる。
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20 分少々でバス停そばの登山道の標識に到着。
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しばらく車道を上がって、車道終点の高取大明神。
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ここから登山道に入って、30 分ほど登ってトイレのある公園に到着した。
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山道を少し下るとすぐに丸山の住宅街に入る。住宅街と言ってもアップダウンばかりで平坦路はほとんど無い。
左方向の小高い所に大仏のようなものが見えた。何か新興宗教の施設だろうか。この道はもう何度となく通っているけれど、今日初めて気が付いた。トレランで行っている時は山道の展望場所以外で遠くを見ることはほとんど無い。
50 分ほど歩いて鵯越駅へ。
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しばらくほぼ平坦な道を歩いて、12 時前に菊水山への最後の登りの始まる休憩ポイントに到着。
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そろそろお腹が空いている人もいるようだけれど、ここからしばらく急登になるので、食事直後の急登はしんどいし身体にもよくないので、山頂まで上がることにする。
30 分足らずで快晴の菊水山山頂(458.8m)に到着した。
ここで昼食にしたのだけれど、そろそろ休憩が終わろうかという頃、突然天気が急変して雨が降ってきた。
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西からの風もわりと吹いて、気温も下がってきたけれど、私は傘でしのぐ。
その後、雨は降ったり止んだりという感じで、幸い本降りの気配は無い。
下りきって天王吊り橋を渡る。
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鍋蓋山(486.1m)には午後2時くらいに到着した。
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ここからの展望はいつも素晴らしいけれど、一番美しいのはやはり夜景だ。
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今日は縦走路はここが最後で、少し下った所から鈴蘭台への道を下る。
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25 分くらいで車道に出た。
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水源地前バス停で解散した。
鈴蘭台駅まで歩く人もいたけれど、私は翌日は始発で出てトレランに行くつもりだったので、バスで駅に向かった。

剣尾山

剣尾山は北摂の山で、個人的には2年半ほど前に行ったことがある。
剣尾山はこのあたりでは有名な山なのだけれど、稜線を北西に少し行った所に横尾山という、剣尾山よりわずかに高い山がある。以前に剣尾山に行った時はこの山のことは気が付かず、予定のルートからも反対方向の場所だったので登らなかった。
今回はここにも立ち寄る予定だったので楽しみにしていたのだけれど、生憎の雨の一日となった。

天気予報では終日雨。しかし集合地の能勢電鉄山下駅からバスに乗って登山口の行者口で下りた時は、ほとんど止んでいた。
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しばらくは車道の登りで、ユースホステルの前を通って、登山道に入る手前でトイレ休憩。小雨が降ってきたので傘を出した。
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大日岩には大日如来坐像が彫られている。
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行場の大岩。
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西の覗き岩からは南の方が望める。
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行者山(469m)は展望も何もないので通過。
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やはり剣尾山は人気の山なのか、雨模様なのに早くも下山してくる人たちと何度かすれ違った。
山頂手前の月峯寺跡の広いスペースでちょっと早めの昼食にした。
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山頂(784m)は予想通り風が吹いていた。展望はほとんど無し。
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なだらかな稜線を横尾山に向かう。
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剣尾山から 50 分ほどで横尾山(784.8m)に到着した。
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ここからの下りはわりと急な場所があったりして雨で滑りやすかったけれど、3時過ぎに能勢の里に下り立った。
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ここはかつてはフィールドアスレチックなどの施設があったようだけれど、今は閉園になっている模様。インターネットではまだ営業しているような情報が残っているけれど・・・。
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少し歩いて能勢温泉のバス停にゴールした。
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この程度の雨ですんで良かったというのが正直な印象でした。

嵐山界隈のち烏ガ岳

水曜日(10/11)は京都一周トレイル講座の随行で嵐山界隈を歩いた。
この講座は「ゆっくり歩く」というタイトルで、深草から東山、西山コースを 16 回に分けて歩く。私がこの講座を担当するようになって最初がこのコースだったので、前回でちょうど一周して、今回から2周目になる。
今回は嵐山の観光エリアで、山道はまったく無い。横道にそれて寄り道しながらの観光客気分だ。
もちろんこれだけで帰るのはもったいないので、前回同様、解散後に嵐山から烏ヶ岳の稜線を歩いてきた。

スタートは JR の嵯峨嵐山駅。トロッコ列車は運休日だった。
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しかしこの界隈、好天のせいもあるのだろうけれど、平日でも観光客、特に外国人観光客で朝から混雑している。
竹林を歩いて、野宮神社。
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お次は釈迦堂。
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大文字の鳥居。
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このあと、ようやく一周トレイルコースに合流して、前回の最終ポイントの鳥居本まで戻る。
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それにしても今日は暑い。1ヶ月前の前回より暑いくらいだ。
ここからようやく今日のルートが始まる。
コース順に歩いて、二尊院。
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そして常寂光寺。
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小倉池。
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昼食は前回と同じく、嵐山公園で。展望台からの保津川の眺め。
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昼食後は公園内を桂川に向かって下る。
角倉了以像。
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渡月橋。このあたりは人だらけ。
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橋を渡って法輪寺へ。
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渡月橋というのは元々は法輪寺にお参りするために造られたものらしい。
お寺の展望台から渡月橋を見下ろす。
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2時過ぎに阪急嵐山駅で解散して、私は一周トレイルコースで松尾山の登りに入る。
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一周トレイルコースから分かれて西の方に向かうと、静かで気持ちいい道になる。
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嵐山山頂手前でこのコース唯一展望の得られる場所。比叡山は霞んで写真では見えない。
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まずは嵐山(382m)。
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3時過ぎに烏ヶ岳(398m)。
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烏ヶ岳を下りたあたりで単独行の男性に出会った。このコースで人に出会うのは初めて。
さらに進んで林道への道の分岐で林道へ向けて下って行く男性を見かけた。
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このあたりから道が荒れてきた。ここまで歩く人は少ないようで、急に蜘蛛の巣だらけになって。たまらず枯れ枝で蜘蛛の巣はらいをしながら歩いた。
しばらく登りが続く。山上ヶ峰は今日はパス。
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このコースの核心部は保津川への急な下り。何カ所かロープが張られている。しばらく好天が続いているせいか、地面がかわいて滑りやすくて、何度かロープや木に助けられた。
トロッコ列車の線路をくぐって、川縁までの下りもコケで滑りやすくていやらしい。古いロープに頼る。
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ここまで来たらあとは単調な車道歩き。
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保津峡駅には4時 15 分に到着した。
ここのおかげで今日も満足して終えることができた。

塩屋から高取山

登山講座で、今月から6回かけて六甲全山縦走路を行くという企画が始まった。
全山縦走は 20 回くらいやっているけれど、すべて1日で行っているので、途中で下りたり途中から登ったりというのはやったことがない。それに全山縦走路を忠実に辿るということにはこだわらず、ショートカットできる場所はほとんどショートカットしているので、本来の全山縦走路で歩いたことの無い場所も少なくない。
そんなわけで、私自身も楽しみの企画が始まった。
今は六甲全山を歩く人はほとんど須磨浦公園からスタートするけれど、元来は塩屋がスタート地点になっている。私も個人的にやる時はだいたい塩屋を起点もしくは終点にしてきた。地形的にもそれが正しいはずだ。
私の場合は塩屋の方が JR の都合がいいという理由なのだけれど、全山縦走の大会がたくさん開催されるようになって、集合場所の都合で須磨浦公園がスタート地点として選ばれるようになったようだ。
今回の企画では元来のルートを辿ろうということで、塩屋駅からスタートした。

天気予報では未明まで雨で、その後は雨は治まるということだったのだけれど、生憎小雨の中のスタートとなった。
古い商店街を抜けて毘沙門天を目指す。
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住宅街の急坂を上がって、全山縦走路に入る。
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少し登って毘沙門天。
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ここから山道に入る。
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私は塩屋駅を出てすぐ右(東)に行って山道に入るルートを辿るのだけれど、その道との合流点。
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1時間弱で旗振茶屋に到着。展望はあまり無い。
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鉄拐山(234m)の山頂はたぶん初めてだと思う。いつもトラバースルートを行っている。
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高倉山(212.2m)の三角点は縦走路のわずか右にあった。
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おらが茶屋もいつもスロープを行くので通らない。ただしここは 25 年くらい前に参加したタイムトライアルの大会の時は通過した記憶が残っている。
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高倉台の住宅街を越えて、400 段階段を上がって、栂尾山(274m)で昼食にした。ここもトラバースルートを行くことが多い。
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横尾山頂(342m)はいつも通る。
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ここからは須磨アルプスのエリアなのだけれど、幸い雨はほぼ上がっている。
馬の背を慎重に通過。
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そして東山(253m)。
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妙法寺の住宅街を歩く。ここもいつもショートカットルートを行くのだけれど、今日は正規ルートを辿る。昔の大会の時は正規ルートを行ったはずだけれど、もはや記憶がまったく無い。
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高取山への山道に入る手前の公園で一服。
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ここから須磨アルプスを見ることができた。
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50 分ほどで高取山の展望テラスに到着した。天候が回復してきて素晴らしい眺めだ。
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7月に随行で高取山へ登ったときのルートを下る。
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1時間足らずで長田神社に到着して、ここで解散となった。
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いつもは駆け抜けるところをじっくりと楽しみながら歩けるので、これはこれで楽しいと思った。

黒部五郎岳復路


寝た感じがほとんどしないまま、3時頃にシュラフを出た。温度計を見たら0度と5度の間くらいだった。
棒ラーメンとコーヒーで朝食を済ませて、中綿ジャケットとダウンパンツの上に雨具の上下を羽織ってテントの外に出た。さすがにこれだけ着込むと寒くない。歩き出して暖まってきてから脱ごうと思う。
ヘッドランプを着けて4時半頃にテント場を出発した。満天の星空で、目がいい人なら天の川が見えるのではないかと思えるほど。オリオン座がはっきりわかる。カールの道ははっきりしていて迷う心配は無い。
30 分もしたら空がかなり白んできた。
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東がほぼ後ろにならるので、ご来光を気にしながら振り返り振り返り進む。
身体がかなり暖まったところで中綿ジャケットとダウンパンツを脱いだ。
かなり明るくなってきたけれど、ご来光はまだ。黒部五郎カールはやはり太古氷河だったのだなと思わせる。
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水たまりは凍っていて、道には霜柱。
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6時過ぎ、三俣蓮華の山頂あたりからようやくご来光が現れた。
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今頃は残雪が一番少ない季節だけれど、まだ雪の残っているところがある。
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稜線に上がると西側が見える。雲海の向こうには白山。1ヶ月前に歩いた別山から御前峰、大汝峰の稜線が望める。
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北ノ俣の手前では久しぶりに雷鳥に出会った。
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写真を撮っていたら横の方から別の雷鳥の鳴き声が。笹藪に2羽いて、つがいだろうか。
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北ノ俣に到着したら、もう絶景とはお別れだ。真ん中、やや右の奥にある山は大天井のよう。
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飛越トンネルへの道に下ると、足元には有峰湖。
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うんざりする下りを4時間ほど歩いて、ようやく駐車場が見えた。
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午後1時 10 分、ようやく飛越トンネルに戻ってきた。
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帰りは例のナビで出たルートを辿ってみようと思う。スマホのナビ機能を使うのは初めてだ。
しばらく走って、分岐で行きと違う方向に向かった。神岡より東に出る道なのだけれど、2車線の立派な道が続く。国土地理院の地図も google map も行きの道よりもこの道の方が細く表記されているのだけれど、実態はまったく反対だ。
スマホのナビも親切で、こんなサービスがタダで使えるならカーナビを買う人はいなくなるんじゃないだろうか。私は今の車にはカーナビは付けていないのだけれど。ただ、圏外になるとどうなるのかはわからない。
県道で峠を越えてからしばらく道が細くてつづら折れになっている部分があったけれど、行きに2時間かかったところを 20 以上早く帰ることができた。
唯一の欠点は、途中に温泉がまったく無かったこと。なので、高山で高速に乗る少し手前で以前から標識の立っている温泉に向かうことにした。
ここは広い道に「次の信号を右折して1分」という大きな看板が立っていて、これまでも何度か寄ろうとしたことがあるのだけれど、何故か道路沿いに見あたらなくて高速に入ってしまうということが何度かあった。今日はもう二日フロに入っていないので、高速に入る直前に車を停めて、またスマホで調べてみたところ、実際はここから数百メートルくらい離れた場所にあった。
あの看板は一体何なのだろうと思いながら駐車場に車を停めたところ、「玄関近道」という矢印が見えたのでそちらへ行ったら結果的には余計な大回りをさせられるはめになってしまった。
玄関を入ると受付が2階にあって、フロは別の階段でまた1階に下りるという変な造り。びっくりしたのは入浴料 1050 円!! 私にとっては日帰り入浴の史上最高値だ。
そのフロはと言うと、露天はあり得ないぬるさ、浴槽の低い部分に滑り止めのようなブツブツがあるのだけれど、これが所々尖っていて足が痛い。そのくせ他の部分では滑りやすいところがあったりする。
お腹が空いているので何か食べるつもりだったのだけれど、ここでこれ以上お金を使いたくないという気分になって、自動販売機でジュースを買っただけで出た。ひらゆの森の倍以上の値段で中身の質は半分以下だ。
次にこのルートを走る時は高山市内に銭湯を探してこようと思う。
帰りの道は、行楽シーズンの好天だったので車が多いのではないかと思っていたのだけれど、日曜日の夕方にこれだけスムーズに走れるのはめずらしいというくらいスイスイ走れて、8時過ぎには家に帰り着くことができた。
歩いた距離と時間の割には身体は疲れていた。荷物が重かったせいかも知れない。アルプスのテント泊は小辺路のようなハイキングルートとは随分違うということを体感した。
昔はもっと重い荷物でアルプスの縦走を何度もやったけれど、その頃はそんなに長い距離は歩いていない。飛越トンネルから避難小屋までもテント泊装備にスキーを担いで兼用靴で登ったけれど、1日でそれだけしか歩いていない。
このところアルプスは軽装での日帰りしかやっていなかったので、地図を見た時の感覚がそういう風になってしまっているのだろう。
アルプスでのファストパッキングスタイルは今の自分の体力ではもう難しいと感じた。今回のは結果的には「普通の登山」だ。別にスタイルの名称にこだわる必要はないのだけれど。
次からは今回の経験を基準にしてルート設定しようと思う。

黒部五郎岳


予定通り5時半に駐車場を出発した。しばらくは樹林帯でまだ薄暗いので、ヘッドランプを着けて出た。
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登山口は駐車場のすぐそばで、いきなりの急登が始まる。急登は嫌いではないけれど、朝イチというのはちょっとこたえる。
今回の足元はトレッキングシューズ。北ノ俣避難小屋までは道がドロ沼状態になっている箇所が続くので、トレランシューズだと悲惨なことになる。
30 分も歩くと水たまりが出てきたので早々にスパッツを着けて、ポールも出した。
1時間 20 分ほどで打保からの神岡新道に合流した。神岡新道は昔は本道だったのだけれど、飛越トンネルからの道ができてから歩く人が激減して整備もほとんどされていないらしい。
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ドロ沼のところには所々テープが張られている。おそらくミズバショウの保護のための通行禁止措置だと思う。
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昔、ゴールデンウィークに山スキーのためにここを歩いた時は、踏まずには進めないほどミズバショウが群生していた。
水たまりは思ったほどはひどくなくて、中に染み込むほど濡れることはなく、2時間 10 分ほどで寺地山(1996m)に到着した。
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展望も何も無いので通過して、しばらく進むと前方に北ノ俣が見えてきた。
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避難小屋は昔は道の横に見えていたのだけれど、今は木が茂って見えない。一瞬、先に進みかけたのだけれど、この先、水が補給できるのは黒部五郎小屋まで無いので、小屋の水場に寄って行くことにした。
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来し方を振り返る。手前の出っぱりが寺地山。奥の左の方が白山。
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出発から4時間 20 分ほどで稜線に出た。正面の奥が水晶岳。その手前に雲ノ平。紅葉はまだという感じだ。
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出発から4時間半で北ノ俣岳(2661.3m)に到着した。右の方に槍ガ岳。
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北の方には薬師岳。薬師の左肩に剱が見える。
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正面が黒部五郎岳。右に笠ガ岳。
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のんびりしている訳にはいかないので、先に進む。
赤木岳はピーク下を通過。
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中俣乗越まで来たけれど、黒部五郎はなかなか近づいてくれない。
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ここでロキソニンを投入して、ようやく黒部五郎の肩に到着した。
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ほとんどの人たちはここにザックを置いてピストンするのだけれど、私は稜線ルートを行くつもりなのでザックは担いだままで登る。
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12 時 45 分、出発から7時間 15 分かかってようやく黒部五郎岳(2839.7m)の山頂に到着した。
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カールを見下ろして、正面真ん中が鷲羽岳。黒部源流と雲ノ平が見渡せる。
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こちらは奥が槍穂高連峰で、その手前は左から三俣蓮華と双六。さらに手前はこれから辿る稜線ルート。
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稜線ルートは登山地図では破線ルートになっている(一般路ではないという意味)。展望がいいはずのルートがどうしてそういう設定になっているのか不思議だったのだけれど、歩き出してその理由がわかった。
岩がゴロゴロしていて非常に歩きにくい部分が多いのだ。まったくペースが上がらない。まるで北八ツの大岳のよう。
展望を楽しむ余裕は無い。登山地図には「濃霧時は稜線ルートがいい」と書かれているけれど、少なくとも下山に関しては違うと思う。
天候が良かったのでルートをはずすことはなかったけれど、先がわかりにくい部分はしばしばあった。ペンキマークが見えていたので問題無かったけれど、濃霧であればルートを見失う可能性が高いだろう。
カールを見下ろすと適当に下れそうに見える箇所が何度かあって、そこを下ってしまおうかという誘惑にかられたけれど、ラインがすべて見えているわけではないし、斜面を上から見下ろすと崖が見えないので、結局登り返すなんてことにもなりかねない。
仮にうまく下りられたとしても時間的には 10 分か 15 分程度の違いにしかならないと思うので、ぐっと我慢して正規ルートを歩き続けた。
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下り出して1時間 15 分ほどで、ようやく足元に黒部五郎小屋が見えた。
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ここから小屋まで 10 分ほどで、早々に三俣山荘に向かった。
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ここから三俣山荘まではさらっと行けると思っていたのだが、いきなり結構な登りになった。どうもしばらく続きそうで、立ち止まって地図を開けてみたところ、何とこれから標高差 300m の登り!!
コースタイムでは三俣山荘まで2時間で、目的の雲ノ平まではまだ5時間以上かかる。
今、2時半。これから先、コースタイムをそれほど短縮できるとは思えない。三俣山荘のテン場までなら行けそうだけれど、そうすると翌日は雲ノ平をさらっと通過しなければならない。
と言うか、そんなことをして翌日飛越トンネルまで戻れるだろうか。
今回の最大の目的は雲ノ平でのテント泊なので、それができないのであれば考え直した方がいいと思った。
今回はここで引き返すことにした。ここでテント泊して、明日はカール経由で戻る。
北アルプスでのテント泊は本当に久しぶり。20 年ぶりくらいだろうか。
キャンプ料金 1000 円にはびっくりした。世の中の全体的な物価はそれほど上がっていないのだけれど、学費とマラソン大会参加費の高騰に近いレベルに感じる。
テントを張って、まだまだ明るいけれど早々に夕食にした。身体は結構疲れているけれど、目標を断念したせいか、ビールは期待したほどにはおいしくなかった。
明るさが残っているうちはテントの中は結構暖かかったけれど、日が陰ってくると一気に気温が下がってきた。昨夜もあまり寝ていないので、寒さしのぎに早めにシュラフに入った。
中綿ジャケットとダウンパンツのおかげで身体は寒くないのだけれど、末端冷え症の足の指先の冷えがひどくなってきた。
ビールと日本酒のおかげでちょうどいいくらいのほろ酔い状態なのだけれど、足先の冷えのせいでなかなか寝付けない。
何時間も寝返りを繰り返すばかりで、次第に酔いが醒めてきて、ますます目がさえてくるという悪循環に陥ってしまった。

北アルプス最後の楽園をめざして

5月にテント泊で熊野古道小辺路に行って以来、またテント泊で行く機会を窺っていた。しかし私の都合と週末の好天がなかなかかみ合わず、計画は増える一方だけれど、実現のチャンスはなかなか訪れてくれなかった。
しかしようやく先週末、絶好の好天予報にチャンス到来となり、あたためていた計画を実行に移すことになった。
もう何十年も前から行きたいと思っていた雲ノ平。北アルプスの最奥部とも言える場所で、「北アルプス最後の楽園」と呼ばれたりもしている。
岩登りや山スキーをやっていた頃にはほとんど考えることも無かったけれど、2年前に水晶岳へ行った時に上から眺めて、いつかぜひあそこでテント泊をしたいと思った。
小辺路の後に次の行き先を考えたとき、真っ先に浮かんだのが雲ノ平だった。
一番近いのは折立から太郎平小屋を越えて薬師沢を経由するルート。しかし折立というのがなかなかの難点で、家から遠くて、さらに有峰林道が夜間通行止めというのがネックになる。
次善の案は、飛越トンネルからのルート。歩く距離は長くなるけれど、登山口までの距離は約 350km。時間は自分の都合のいいように設定できる。
まだ行ったことの無い黒部五郎岳を経由して、雲ノ平から薬師沢を周回すれば、一粒で二度おいしいコースになる。ただしかなりの歩行距離になるのだけれど。
いつもの通り、コースの詳細も登山地図のコースタイムもあまりしっかりとは調べずに、漠然としたイメージだけで実行に移した。
さて、小辺路の後に新調した装備がいくつかある。
ザックは、1泊2日以上の連泊や寒い季節で荷物が多くなっても対応できるように、「macpac AMP Race 40」という 40L のものを購入した。
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少し古いモデルをかなり安く入手した。
それから「KLYMIT INERTIA-O zone」というエアマット。
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小辺路のために山と道の軽量マットを購入したのだけれど、マットをザックの外にくくりつけるというのがどうも前からあまり好きではなくて、全身用サイズなので嵩が高く、小辺路のような軽い道ですら木の枝や岩角などに当たることが何度かあったので、アルプスの岩稜などではそういうことが事故につながりかねないと感じて、パンクのリスクを覚悟の上で、小さくたためるエアマットを新調した。
このマットは見ての通り、シュラフの中に入れるように造られている。実際に使った感じで言えば、上を向いて寝られる人にとっては寝心地はいいと思う。私は横を向いて寝るタイプなので、腰の骨が地面に当たるように感じることが少しあったけれど、収納サイズの小ささのメリットは非常に大きい。
前から持っている OMM のザックは背中のパッド代わりに半身サイズの樹脂マットが入っているので、これを取り出して持って行けば、パンクの時でも上半身だけはカバーできる。
山と道のマットはネットのオークションに出品したら、予想外のいい値段で売れた。
寒い季節に非常に重要なのがシュラフ。いくら何でも今頃のアルプスのテント泊にあのペラペラシュラフで行く訳にはいかない。
10 日ほど前にたまたまネットでナンガのダウンシュラフがわりと安く買えるのを見つけて、「ダウンバッグ350STD」というモデルを注文した。
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取り寄せということだったので多少の日にちがかかることはわかっていたのだけれど、何と1ヶ月くらいかかるとの返事。しかしその時はまだいつ使いたいか確定的ではなかったので、値段を考えて待つことにした。
多分1ヶ月もかからずに入るだろうと思ってはいたけれど、さすがに今回には間に合わなかった。
致し方なく、30 年以上前に買った Moncler のダウンシュラフに復活してもらうことにした。重さ約 1.5kg で、注文したナンガのシュラフと比べると重さ、大きさとも倍くらいだけれど、40L ザックのおかげでこれを入れても容量的には大丈夫だった。
荷物の重さは、胸の前で持つ水分と行動食を除いて 8kg くらいだった。全部でも 10kg 弱ということで、まぁ妥当な重さに収まった。
金曜日は夕食を早めに済ませて、6時半頃に家を出た。
このところ京滋バイパスが部分的に渋滞していることが多いので出発前にチェックしておいたのだけれど、久御山淀の IC に入るといきなり「彦根ー八日市間 事故通行止」という表示!!
どうしようもないので、八日市の少し手前の PA に入って、道路情報のラジオを聞きながら、八日市 IC で高速を下りて彦根 iC で乗り直したら料金はどうなるのだろうとスマホで調べて、それを覚悟でまた走り出した。
ところが今度も運良く八日市 IC に近づいたあたりで通行止めが解除されて、目的の飛騨清見までスムーズに走ることができた。
しかしまたまたハプニング。飛騨清見 IC に到着すると、ここから無料区間で高山まで行ける道が通行止めになっている!! そんな案内はどこにも無かったし、なぜ通行止めなのかもわからない。
致し方なく下道に下りて、またスマホで道路を調べたところ、ここから飛騨古川に抜ける道があるようで、そちらに入った。これは走りやすいいい道で、結果的には高山経由よりも早かったかもと思えるくらいだった。
実は出発前に高山から飛越トンネルへの道をネットのナビで調べたところ、これまでに使っていた R41、神岡経由ではないルートが表示されていた。高山の少し北から県道に入るルートなのだけれど、どんな道なのかさっぱりわからないし、行きは夜に走ることになるので、あえてこれまでに走ったことのある道で行くことにした。
神岡からの県道は狭くて急な上りヘアピンカーブが続く。夜にここを走るのは初めてだ。山之村に入ると道が広くなるのだけれど、ここを走るのは本当に疲れる。
飛越トンネルそばの駐車場には 12 時過ぎに到着した。車は 10 台くらい停まっていた。
スマホは圏外なのでバッテリー節約のために電源を切って、缶ビールを飲んでからシュラフに入った。
翌朝は明るくなってから歩き出そうと思って、起床は4時半ということにした。満天の星空で、気分は上々。

国見山

火曜日(9/26)は今月6回目の随行で、台高山脈の国見山へ行ってきた。
昨年行った薊岳の近くで、この時の下山路で国見山を往復した。
今回も貸し切りバスで京都駅から片道3時間という遠征だった。

薊岳の登山口の笹野神社でトイレ休憩。
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バスでさらに林道の終点まで行って、しばらく舗装路を歩く。
ハガクレツリフネソウ。
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アケボノソウ。
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登山路に入るとしばらく沢沿いを行く。
飛び石伝いに沢を渡る所が何カ所かあるけれど、私はバランスが悪いのでこういうのはニガ手。
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しばらく登ると明神滝。
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出発から2時間ほどかかって明神平に到着した。ここで昼食。
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昨年はあちらから下りてきた。
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食事後は国見山に向かう。
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少し登ると水無山。
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国見山山頂手前には大峰方面が良く見える展望場所があった。
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国見山(1418.9m)には午後2時に到着した。
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山名から考えるとかつてはあたりを見渡せたのだろうけれど、今は木が茂っていて展望はまったく無し。と言うことで、先ほどの展望場所に戻ってしばらく展望を楽しんで、往路をそのまま下山した。
京都駅に帰ってきたのは7時半を過ぎていた。

額井岳、戒場山

9/24 の日曜日は台風の影響で1週間延期になった随行で、奈良の額井岳、戒場山へ行ってきた。
朝夕はかなり涼しくなってきたものの、昼間の日射しはまだまだ厳しい一日だった。

近鉄・榛原駅からバスに 10 分少々乗って、まずは住宅街からスタートする。
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田園地帯に入ると正面には目指す額井岳。
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しばらく車道を登って、十八神社(いそはじんじゃ)。
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ここからの南方の展望はなかなか素晴らしい。右の方は音羽三山。ずっと奥は吉野から大峰か。
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南西には高見山など。
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ここで先着した 35 人の大集団とかち合わせる。向こうも中高年主体のパーティで、先を譲られたけれど、こちらものんびり行きたいのでしばらく展望を楽しんでゆっくり出発した。
ようやく山道へ入る。
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道標はしっかりしている。
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お昼前に額井岳山頂(812.8m)に到着して、ここで昼食にした。例の 35 人パーティも一緒。
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午後は西に向かって戒場山を目指す。
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1時間少々で戒場山(737.4m)に到着した。
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戒長寺に向けて急な下りを行く。雨だったらいやらしそうだ。
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戒長寺は歴史の古い(平安時代後期にかなり栄えていたらしい)お寺だそうだが、今は訪れる人も少ない感じ。
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ここにも大きなお葉つきイチョウがある。
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ここからは車道でスタート地点に戻る。
山部赤人の墓(という伝承があるとか)。
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あちこちにヒガンバナ。白花もあります。
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おおむね予定通りの3時半過ぎにバス停に帰り着いて、往路とまったく同じ経路で帰ってきた。