南葛城山、和泉葛城山

11 月 3 日というのは好天特異日らしい。20 年ほど前はこの日は毎年、丹波高原マラソンに行っていたが、確かに雨に降られた記憶は無い。
昨日も好天になりそうだったので、先月ロストのために序盤で終わってしまった和泉山地のコースへ再訪することにした。
紀見峠をスタートして最長で山中渓までを予定していたけれど、内心では犬鳴山温泉まで行けばもういいかなという気持ちもあった。目安としては午後2時までに犬鳴山温泉に到着したら先に進もうという感じ。

先月と同じく始発で出かけて紀見峠駅を7時前にスタートした。
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上は半袖シャツ1枚とアームウォーマーと指出し手袋。下はヒザ下タイツにカーフサポーターで、少し寒かったけれど歩き出したらちょうどいいくらいになるだろうと思った。
序盤は道ははっきり記憶があるので気分は楽だ。岩湧山三合目への登りでは朝日の木漏れ日がきれいだ。
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岩湧山三合目まで 40 分ほどで到着して、ほぼ1時間でダイトレとの分かれの林道に出た。
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南葛城山(922m)までは以外と遠く、ここから 50 分ほどかかった。本日の最高地点。
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ここから先は若干注意が必要。先月は稜線伝いに行こうとしてロストしたので、今日は大畑へ下る道を行くつもりだ。
地図を見ながら現在地を慎重に確認しながら下る。そして分岐点に到着。
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先月はここを右に行ったのだ。今日は左を下る。
人通りの少なそうな荒れた道を下って、先月下りてきた所に出た。
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少し車道を下って、地形図にあった山道で稜線に向かう。ここも踏み跡程度だったが、無事稜線に合流できた。
ただ、登り返しが以外とあったので、時間的には先月のコースの方が早かったかも知れない。と言っても大差は無さそうだが。
蔵王峠に9時半に到着した。先月は 11 時半だったので、2時間のロスタイムだった。
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ようやくスタート地点に到着した感じ。
ここからはしばらく車道を行く。
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燈明岳への分岐がはっきりわからなくて少し手前の工事道路のようなところを入ってしまったが、ほどなく本来の林道に合流した。ここで今日初めて腰を下ろしてぼたもち休憩。
舗装された林道にうんざりしてきた頃、燈明岳への朽ちた道標が現れた。今日は小さなピークはパスして先へ進もうと考えていたけれど、いざそばまで来ると、もうここへ来ることは無いんじゃないかという気がして、せっかくなので山頂へ行っておこうと思い直した。
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山頂(856m)まではほんのわずかだった。
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さらに先に進んで林道の先の方に下りようと思った。ほどなく不明瞭になったが、下に林道が見えている。そこに向かってヤブを下りて、林道が登る方向に進んだ。ただしここは舗装されていなくて、先ほどの林道とちょっと様子が違う。
少し進んだら前の方に人が見えた。この道で正しかったんだと思いながら近づいたら、何とオフロードバイクの3人組だった。
そばを素通りしたら道があらぬ方向にカーブしている。gps で確認したらやはりロストしていた。今日初めての道に入ったら早速のロストだ。
引き返したらすぐに本来の林道に出会った。ロスト時間は数分程度。
まだしばらく林道が続く。どうもこのあたりはオフロードバイクの人気エリアのようで、その後も何度かバイクとすれ違った。
和泉葛城山はまだまだ遠い。
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七越峠へは 11 時ちょうどに到着した。ここはさらに立派な車道だった。
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ここに来るまでは三国山へも行こうかと思っていたのだが、結構距離がありそうで、それよりも車道でまたバイクに出会いそうなので、今回はパスすることにした。多分もう来ることはないだろう。
この車道はバイクはおろか、車まで入れるようだ。
しばらく進むと経塚山への道標が目に入った。せっかくなのでこれは行ってみることにした。
これが山頂(825m)なのだろうか。
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ピークがもう少し先なのかどうかはっきりしないのでさらに進んでみたが、次第に下ってきた。
また車道に出ることを期待して進んでいるのだが、不安なので登山地図を開けてみた。しかしここに登山路は書かれていなかったし、進んでいる方向も車道から離れてきている。
ところが地図を片付けて歩き出すやいなや、前からラジオをかけて歩いてくる人に出会った。
今日、登山者に出会ったのは、紀見峠をスタートしてしばらくして、駅で先行された人を追い抜いてから初めてだ。
これで正しかったんだと思ったら、その後すぐに道が無くなった。あの人はどこからやってきたのだろう。
ヤブはあまり濃くなかったので、適当にあたりをつけて下ることにした。
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しかし次第にヤブが濃くなって、傾斜も急になってきた。
このまま下るのは難しいので、元来た道に出会うような方向に進んだ。ひどいヤブこぎになった。
ヤブと格闘したのは 10 分くらいだっただろうか。ようやく元の道に出会って、また車道に戻った。またまたムダな時間を使ってしまった。
鍋谷峠には 11 時 53 分に到着した。ここから車道を2回ほどヘアピンカーブしてようやく登山道へ入る。
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このあたりから登山者とチラホラ出会うようになった。途中でおにぎり休憩。
1時間ほど登って、と言ってもほとんどなだらかな道だったが、和泉葛城山に到着した。
ここも山頂直下まで車で来られる。ただ、好天の休日だがそれほど(生駒山頂よりは)人は多くなかった。
石段を上がって山頂(858m)に寄っておく。少し手前にここより若干高い(865m)三角点があったようだが、気付かなかった。
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少し下った所に展望台が設置されている。ここを上がると素晴らしい眺望が得られる。
関空方面。
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六甲方面。
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高野山方面。
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ここからはまた紀泉高原スカイラインの車道を行く。車道なのになぜか近畿自然歩道。
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車よりもバイクや自転車の方が多い。
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30 分足らずで五本松に到着。
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さらに車道を先へ進む。「五本松→高城山→犬鳴」と表示されている標識に従ってどんどん下る。
しばらく下って、どうも様子がおかしいと感じてきた。gps で確認したところ、随分北へ行ってしまっている。
これは高城山へ向かう車道だったのだ。犬鳴という文字ばかりが目に入っていたのだが、またまた大ロストだ。
このまま下ってしまおうかという思いも浮かんだけれど、犬鳴のどのあたりに出るのかわからなかったので、諦めて戻ることにした。
15 分ほど登り返して、ようやく分岐に戻った。
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実はこの分岐は先ほども気付いていたのだが、ちょうどハイキングの大集団を抜いた直後だったので、またこの集団を抜き返さなければならないのが煩わしいと思って、しっかり見ずに通過してしまったのだ。
ちょうど午後2時。今日は犬鳴山でお終いにしようと決心した。
トレイルに入ってしばらくは急な石段だ続く。歩きにくい道なのだが、4人づれの家族で、お母さんが小さな子を前に抱いて下っているのに出会った。
思わず「大変ですね。気を付けて下さい。」と声をかけて通り過ぎた。あの後も滑りやすい部分が続いたけれど、大丈夫だったのだろうか。
ほどなく車の入らない車道に出た。
しばらく行くと犬鳴隧道。ヘッドランプがいるかと思ったが、蛍光灯が点いていた。
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トンネルを出たら何と何度も見たあの標識が!!。
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さっきの道をあのまま進んでいたらここに出たのだ。だから行き先が犬鳴になっていたのだ。
戻った地点から 30 分少々で七宝滝寺に出た。ちょうどご本尊のそばに休憩所があったので、そこでぼたもち休憩にした。
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休憩所のテーブルにバスの時刻表が貼ってあった。1時間に1〜2本あるが、次は3時7分。あと 30 分で、早歩きで行けばちょうど間に合うくらいのタイミングだ。
さらに先に向かう気力は無いけれど、体力的にはまだ若干の余裕がある状態だったので、バスの時間によっては駅まで走ることも考えていた。
しかしもしこのバスに間に合えば乗ってしまおうと思った。
参道を走るのは失礼なので、早歩きでバス停に向かった。真言宗犬鳴派の本山というだけあって、なかなかの風格がある。しかし滝は素通りした。
温泉旅館のそばのバス停には午後2時 53 分に到着した。
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身なりを整えるにはちょうどいい時間だった。
バスに乗りながら、こんな道を走らなくて良かったと思った。
本日の行程約 37km。約8時間でした。

龍王山から笠地区、そして初瀬山、巻向山

昨日は絶好のトレイル日和。キャノンボールの疲れはまだ残っているけれど、こんな日を休養日にするわけにはいかない。
そこで先月、花の講座で訪れた時にまた行ってみたいと思っていた桜井市の笠地区を再訪することにした。
地図を眺めて、柳本から龍王山に登って、そこから笠地区へ。そして南へ向かって初瀬山、巻向山(まきむくやま)。最後に三輪山へ行ってみようと思った。

柳本から龍王山は昨年9月に随行で歩いたコースだ。
昨日のコースは短めに設定したので、朝はゆっくりめで9時過ぎに柳本駅をスタートした。
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昨年、帰りに散策した黒塚古墳。
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長岳寺に向かう道からは正面に龍王山がばっちり見える。
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9月に訪れた長岳寺も山門までは行ってみた。
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登山道に入って、木道や水の流れで溝のようになった部分を越えるとなだらかで走れるトレイルになる。
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てぶらで下ってくる人達何人かとすれ違っているうちに車道に出た。
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出発してほぼ1時間、10 時 10 分に龍王山の山頂(585m)に到着した。おおむね予定通り。
ここからは葛城・金剛方面、そして奈良盆地の眺めが素晴らしい。
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しかし問題はここから。東へ向かう道がよくわからない。山頂には道標が見あたらなかったので、少し下ってから柳本龍王社の方へ行ってみた。
しかしこのまま下ると柳本に下りてしまうので、少し戻って横にそれている踏み跡程度の道を行ってみることにした。ちょうど山頂部分をトラバースするような感じ。
しかしこの道もほどなく消滅して、方向もちょっと南に向きすぎている。
gps で方向を確かめて適当にヤブ斜面をずり上がったら、赤テープで道に出た。おそらく山頂から東に向かう道があったのだと思う。
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道ははっきりしていたけれど、あまり歩かれていない感じ。
ほんの数分程度で林道に飛び出して、林道をしばらく進むと見覚えのある車道に合流した。
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笠そば処の駐車場からは9月には白いソバの花が一面咲き誇っていたけれど、昨日はその名残はまったく無し。
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笠そば処は先月食べたので今日はパス。
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先月は入らなかった笠山荒神社に入る。
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なかなか立派な神社だ。今でこそ車で来られるけれど、昔はなかなか大変だったんじゃないかと思う。
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参道を反対側に下りて、しばらく車道(県道50号)を下る。
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gps に従って道標の無い道を山に入る。またまた不明瞭になった。このあたりは道がどうなっているのか不安だったけれど、やっぱりという感じ。
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何度かヤブこぎしながらも gps のおかげで何とか踏み跡に戻ることができた。
朽ちた「長谷寺」という道標が道にころがっている。
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道は初瀬山の山頂を迂回していたので、適当にヤブをこいで山頂を目指した。
548m の山頂は展望は無く、訪れる人もほとんどいない感じだった。ただし踏み跡はあった。
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ここからも不明瞭な道が続く。今日は膝上までのハーフタイツなので、膝のあたりがヤブにこすれて血がにじんでいる。
gps のおかげで何とか目指す方向に向かうことができたが、突然、朽ちた林道に出た。
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林道を進むと巻向山を通り過ぎそうになったので少し戻ったら、山側に山頂へ向かう道標が見つかった。
巻向山には 12 時 25 分に到着した。ここには三角点がある。腰を下ろしておにぎり休憩にした。
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ここからも道の不明瞭さは続いた。
当初予定していた分岐のあたりに道が見あたらず、諦めてもう少し北に向かってから車道に出ることにした。
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地形図に記載されている道はもはや廃道状態(と言うか、もう無くなっている)で、車道に近くなってからようやく少し痕跡が残っているという感じで、何とか無事県道 50 号に下りることができた。
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しばらく車道を下って、山辺の道に入る。
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好天の日曜日なので散策している人も多く、さすがにここを走るのははばかられる。トレランスタイルは場違いだ。
一旦、大神(おおみわ)神社まで行ってみる。
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それから狭井(さい)神社に戻った。
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三輪山に登るためにはここで手続きをしなければならない。三輪山はご神体なので、勝手に登ることはできないのだ。
いくら何でもこのスタイルで入るのはいかがなものかと思ったので、黒いパンツをはいて、サングラスもはずして、受け付けに行った。
受け付けで入山の旨を伝えたところ、「すでに2時を過ぎているのでもう入山できない」とのこと。そこまでは調べていなかったし、時計も見ていなかった。
仕方無いので諦めて受け付けから離れて時計を見たところ、何と2時1分!!。
受け付けでは前の人を待っていたので、2時には到着していたはずで、受け付けの人はそれを見ていたはずだ。
この瞬間、残念という気持ちよりも「もうこんな所には二度と来ない!!」という感情が湧き上がってきた。
もうあたりには目もくれずに駅に向かった。この界隈では一切金を使わないし、来年からは三輪そうめんも買わないと堅く誓った。
その後、乗り換えの天理で駅のそばの中華料理店に入った。ここの五目ソバが値段の割にはおいしくて、おまけに店のおばさんが愛想が良かったので、ムカムカしていた気持ちも少し落ち着いた。
奈良の山は登山教室では何度も訪れているけれど、個人で来たのは生駒とダイトレを除くと初めてだった。
これをきっかけに奈良の山にも足をのばそうと思っていたのだけれど、これではまた足が遠のくことになってしまいそうだ。

六甲縦走キャノンボールラン

先週末は恒例の六甲縦走キャノンボールラン。もう大会参加は辞めると言いながら、この大会だけはついふらふらとエントリーしてしまう。
この3月の大会で1年半ぶりに完走できたので、アクシデントさえ無ければ完走はできるだろうと思っていた。
それに UTMF や先日の和泉山地など、欲求不満のたまる出来事が続いていたので、一度すっきりさせたいという気持ちもあって、わりと前向きに考えていた。
秋の大会は宝塚がスタートゴール。ただしスタート地点は塩尾寺(えんぺいじ)下の広場。ゴールは湯本台広場になる。
広場からの宝塚方面の夜景。
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定刻の土曜日午後9時にスタートした。ほんのわずかに霧雨が漂っている。
今回からナイトスピードという、夜間の片道コースが新設されたので、これまでより参加者が随分増えるのではないかと思っていたが、それほどでは無さそうだ。何となくパワー(往復部門)の参加者が以前に比べると少ない感じ。
ただ、おそらくナイトスピードの選手は片道なので速いと思うので、掬星台でカレーにありつけるかどうかちょっと心配だ。
スタートして1時間 50 分でドライブウェイに出た。ここまでわりといい感じで来ていて、なかなかのタイムだと感じていたが、帰ってから調べたら2年前は1時間 37 分だった。
一軒茶屋のエイドは酒しかなかったのでパス。
いよいよ 100 万ドルの夜景が始まる。
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同じアングルの昼間はこんな眺め。
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初めての参加者が多いのか、忠実に全山縦走をを行く人がたくさんいる。私はいつも通りの最短距離コースを行く。
その後2カ所ほどエイドが出てきたけれど、いずれも酒などの飲み物ばかりなので通過する。
3時間 15 分くらいで掬星台に到着して、ようやくカレーにありついた。その時はいいタイムだと思っていたけれど、過去の記録を見るとそれほどでもなかった。体調は上々だ。
ここからの夜景は素晴らしい。
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それにしても今回は相前後する選手の数が非常に少ない。これまでに比べるとずいぶんばらけている感じ。
市ヶ原を越えて大竜寺の手前には今回はどんな仕掛けがあるか楽しみにしていたら、暗闇にガイコツがぶら下げられてライトアップされていた。
大竜寺のエイドでは豚汁とおにぎり、そしてコーラをいただく。
菊水山はスタートして約5時間で到着。これなら8時間台で須磨まで行けそうだ。
今回は水道局そばにエイドがあった。さっそくビールをいただいて、コンソメスープ。そして小さなおにぎり。
前後にほとんど人がいなかった丸山の住宅街もロストせずにクリアできて、高取山へ向かう。
今回は高取山エリアはラン禁止区間になっている。山頂エリアのフラットな部分が走れないのはちょっともったいないけれど、その分、夜景を楽しんで行く。
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同じアングルの昼間はこんな眺め。
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妙法寺の信号を渡って少し行った所で、左側の階段を上がって行く人がいた。前回も見かけたけれど、どうも須磨アルプスへ入る登山口へのショートカットがあるようだ。
一瞬、後を追ってみようかと思ったけれど、見失いそうだったのでやめた。地図を見ると山肌に階段が続いているようだけれど、それほど近道になるようには思えない。
前後に誰もいない中、暗い須磨アルプスを越えて行く。夜明け前に須磨に到着できそうだ。しかしハンドライト方の電池が残り少なくなってきた。
須磨浦公園には5時半に到着した。往路は8時間 29 分。往路の最速タイムではないかと思ったけれど、よく見たら2年前は8時間 18 分だった。
せっかくのいいリズムを崩したくなかったので、お茶を買って持参したおにぎりを食べて、15 分の休憩でまだ薄暗い中、リスタートした。
しばらく下ったり、少し休んだあとの登りはしばらく苦しいけれど、どうもそれだけではない疲労感を感じる。やはり往路のダメージが思いのほか大きかったのかも知れない。
明石海峡大橋の眺め。
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自動販売機で 100 円のスポーツドリンクを買ってボトルに入れたけれど、ちょっと変な味だ。
復路でも須磨アルプスは誰にも出会わず。
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これから先、高取山は何とかなるにしても菊水、鍋蓋、そして摩耶山を越えていけるのだろうか。いささか不安を感じてきた。
水道局のエイドでビールをいただこうと思ったら、ガスが切れていて取りに行っているとのこと。カレーと巨峰をいただく。
菊水山までリスタート後3時間 45 分。思ったよりは悪くないタイムだ。
鍋蓋山への登りで8時にスタートしたスピード(片道部門)のトップ選手がやってきた。これは速い。おそらく4時間台のペースだと思う。
鍋蓋山は急登が終わってからのチンタラが結構こたえる。
大竜寺のエイドではまた豚汁とおにぎりでくつろぐ。ここの人は親切で(全般的にエイドの人はどこでも親切だけれど。OSJ は???)、ペットボトルに入れていた水を満杯にしてくれた。
摩耶山の登りも苦しかった。もうちょっとと思ってからが長かった。地形の記憶がついつい都合の良い解釈になってしまう。登り切ってからのフラットな部分も歩きで、リスタートから6時間かかってようやく掬星台の東屋に到着した。
ここではおかゆやバナナなどをいただいた。
往路がここまで3時間半足らずだったので、あと4時間半だと 10 時間半。菊水山を登っているあたりでは復路は 11 時間くらいかかるのではないかと思っていたけれど、そこまで遅くはなっていないようだ。ただしこの先が何とかしのげればという話だけれど。
もうこれから長い登りは無いけれど、ちょっとした登りがなかなか苦しい。あまり頑張らずに、止まらずに歩き続けるということを心がけて足を進めた。
三国池そばでドライブウェイに出てからの緩い登りの歩道もほとんど走れず、これでは復路 11 時間かという気分になってきた。
これまで4回の完走はいずれもトータルで 19 時間台ばかり。2年前に往路を8時間 18 分で行った時も、復路は 10 時間 50 分もかかってしまった。
今回は合計タイムで 19 時間を切れる可能性があるのだが、かなり微妙な状況だ。復路が 10 時間半でクリアできればいいのだけれど。
藤原商店でお茶を買って、ボトルの入れ替えをやる。甘いスポーツドリンクは食傷ぎみだ。
六甲山ホテルの近くにエイドがあって、コーラとクッキーをいただく。あと 15km とのこと。
時間的にリスタート後7時間半くらいだったので、残りを1時間 5km のペースで行ければ 10 時間半。ちょっと頑張ればトータル 18 時間台が達成できる。
どうもそれが起爆剤になったようで、このあと少し走れるようになってきた。
ゴルフ場そばのフラットもしっかり走って、ドライブウェイもほぼジョグで進んだ。
一軒茶屋で8時間半。これまではここからの下りがだいたい2時間なので、10 時間半が切れるかどうかというギリギリの状態だ。
幸か不幸かいつもあるエイドが今回は無かったので、トイレに寄っただけで先に進んだ。
東六甲縦走路は長くていつもうんざりする。特に昨日は、後からスタートした片道部門の選手が次から次からやってくる。そのたびに道を避けなければならない。
以前は往復部門も復路のスタートは片道と一緒だったので、こういうことは無かったのだけれど、いつの間にか復路のスタートは自由ということになったので、こういう事態が発生する。
片道と一緒にスタートすればいいのだけれど、私の走力だとそうするとゴールが暗くなる可能性があるし(実際に以前はそうだった)、序盤の渋滞も煩わしい。
仕方無いと諦めるしかない。
想定したより 10 分ほど早く塩尾寺に到着した。これなら10 時間半を少し切れそうだ。
ここから下はいつも階段と山道のショートカットを行くのだけれど、下りなので多少距離が延びても車道をリズミカルに下る方が時間的には早いのではないかと思って、車道を下ることにした。
これまではここの下りはもうまともに走れず、下りにも拘わらず早歩き程度になってしまっていたのだけれど、昨日はジョグでしっかり下れた。
体力や筋力の問題ではなく、単に気持ちの持ちようだ。
昔に比べるとトレイルレースや登山の後でも大腿四頭筋に筋肉痛が出ることがほとんど無くなってしまっているけれど、これは筋力が付いたり技術が上がったというのではなく、単に気持ちが身体をセーブしてしまっているからだと思うようになった。つまり昔ほど自分の能力を十分に使っていないということだ。
そういうことに気が付いて、今回は意識的に攻めてみることにした。それが往路の好タイムにつながったのだと思う。
いよいよゴールが近づいてきた。こういう時は何とも言えない感傷的な気持ちが心に湧き上がってくる。
特に最近はそういう機会も少なくなったし、何よりも「はたしてまたこんな気持ちを味わえることがあるだろうか」という思いもよぎってくる。
3月の時は相棒がいたのであまり感傷的な気分にはならなかったけれど、今日は2年ぶりの単独ゴールだ。
最後までしっかり走って湯本台広場の緩い階段を駆け上って、サングラスを取ってゴールした。復路 10 時間 23 分で、何とか往復 18 時間台を達成できた。

南葛城山

このところ白馬や UTMF などで不完全燃焼が続いていて、そろそろ気分をすっきりさせたいと思っていた。
三連休の3日目は好天に恵まれそうで、これはやるしかない。
しかし UTMF などで結構散財しているので、近場の日帰りで満足できそうなコースを探した。
そこで設定したのが紀泉高原。ダイトレはもう卒業したので、その南側の未踏のエリア。
紀見峠をスタートして岩湧山への道を上がって、少しだけダイトレを行ってそこから南葛城山へ。蔵王峠を経て和泉葛城山。そしてさらに西へ向かって犬鳴山温泉を越えて JR 阪和線の山中渓までという 45km 超のコースを設定したのだが・・・。

今回の最大の不安要素ははたしてちゃんとルート通りに行けるかということだった。
地図を見ても細かい道がたくさんあって、おそらく現地に行けばさらに細かい道が入り組んでいることが予想される。
ダイトレのようなメインストリートなら道標もしっかりしているし、トレースもはっきりしているけれど、そういうコースから少し離れた場所では訳のわからない道がいっぱいあって、道標もあまり無いということが多い。
アルプスのような高山であればそういう道はあまり無いけれど、里山で、特に植林ですでに人があまり入っていないような場所はどれが登山道でどれが山仕事の道だったのかなかなかわからない。
おまけにこのコースは山が深くて、途中でリタイアするにしても電車の駅までは非常に遠く、バスも日に数本というコミュニティバスのような路線ばかりだ。
しかし日帰りエリアですっきりしたロングルートで残っているのはこれくらいしか思いつかない。
ということで、暗い中を始発電車で出かけて、紀見峠駅を7時前にスタートした。
駅の改札を出たら岩湧山への道標があって、まずはほっとした。道標に従って線路を渡って北へ向かう。
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しかしこの後すぐに道標の無い十字路に出た。山へ入って行く登り坂を行ってみたが、どうも違うようで、引き返してさらに北に向かった。
ほどなく案内板が出てきて、しばらく舗装道路を進む。
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傾斜は緩く、スロージョグで上がれるくらい。しばらく行くと右に岩湧山という道標が現れた。
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しかしここは gps に入れてきたルートとは違う。地図を見てみると、予定のルートの手前に岩湧山への稜線に上がる道があるようで、おそらくこれだろう思った。
予定のルートを目指して舗装道路をさらに進む。しかしこの分岐を過ぎると道が荒れてきた。
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分岐があったが道なりに進んだ。
ようやく登山道に入るが、かなり不明瞭だ。
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少し登ると古い道標が現れて、「三石山」と書かれていた。あわてて gps で確認すると、ルートを大きくはずれて南へ向かっていた。
さっそく大きくロスト。
舗装道路を下って、先ほどあった分岐の方へ入ってみた。どうもこれが正しいルートだったようだ。
しかしここも少し行ったら沢の合流点で行き止まり。右の沢を少し登ってみたがどう考えても道ではない。
強引に真っ直ぐ行ったら道を補修したような痕跡があって、やはりここかと安心したのもつかの間。すぐに道は消えて、深いヤブに行く手を阻まれた。
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ルートには乗っているようだが、いくら何でもこれでは進めない。戻るしかない。
敗北感が襲ってきた。しかしまだ8時半。とにかくさっきの岩湧山への道を行こうと思った。
分岐まではほんの数分だった。
登りに入るとダイトレ名物の木道が登場した。
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しかしリズミカルに登れるので、少し気分が回復してきた。
分岐から 20 分少々で稜線に出た。
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この稜線はあまり傾斜がきつくないので、だいたい走れる。気分が乗ってきた。
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稜線に出てから 20 分ほどでまた舗装道路に出た。ここは以前のかすかな記憶がある。
舗装道路をどちらに進んだらいいのかちょっと迷って、少し下ってから登り返して南葛城山への分岐の道標に出会った。
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ここからしばらく舗装道路を行く。このあたりもだいたい走れる。快調だ。
しばらく行ってトレイルに入る。このあたりは極上トレイル。
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ルンルン気分で一本杉に到着。
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このあたりからヤブが深くなってきたが、南葛城山の山頂(922m)に 10 時 10 分に到着した。
本当はここで軽く給食したかったけれど、一人いた登山者がタバコを吸っていたので、写真を1枚撮っただけで早々に退散した。
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山頂エリアはヤブが深かった。
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しばらく順調に下ったけれど、次第にルートが不明瞭になってきた。道はあるけれど、結構分岐があって、道標がまったく無い。
行っては戻るというようなことを何度か繰り返して、gps とにらめっこしながら下ったが、しばらく下った道が次第にルートからはずれてきて、カーブしてとんでもない方向に向き出した。
しかし手前に不明瞭な分岐は記憶がなかったので、もう登り返す気力は無かった。
地図を見るとさらに下るとまた舗装道路のような道があって、そこを辿ると蔵王峠へ行けるので、その道に出ることを期待して先へ進んだ。
少し下でバイクのエンジン音を聞こえて、細い舗装道路に出ると建物が現れた。
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紀ノ川が望める。対岸は九度山あたりだろうか。
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細い舗装道路を西に向かって進んだが、また突然道が途切れた。少し戻ってみたが行けそうな分岐は見あたらない。しかし gps で見ると行き止まりから本来のルートまでは距離的にはわずかだ。
行き止まりの先はそれほど深いヤブではなかったので、ここを適当に進めば本来のルートに出会えると思った。
目論見通り、不明瞭だが道に出会うことができた。古い道標。
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ほどなく葛城蔵王権現社。時間が無いので素通り。
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蔵王峠に着いたのは 11 時 35 分だった。
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ここは車道で車が通るので、もう少し落ち着ける場所で給食にしようと思って、この標識のそばのトレイルを西に向かった。
もっとしっかりした道を期待していたのだが、どうもほとんど人が通っていない感じ。蜘蛛の巣がいっぱいある。
gps のルートには沿っているようだが、どうも様子がおかしい。
さらに進むと本来のルートからどんどんはずれてきた。またロストだ!!。
さすがにもう気力が萎えた。とにかく蔵王峠に戻る。そして正しい道を見つけて、そこでおにぎり休憩にした。
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もう 12 時近いので、予定のルートを行くのはまったく不可能だ。犬鳴山温泉まで行ければバスの本数もありそうだが、おそらく遅くなって、最悪バスの時間に間に合わないということにもなりかねない。
北側はどこも山が深くて、バス便は極めて不便で本数も少ない。それにこういうバスは高い。
登山地図も持ってきたので大エリアで見てみたら、南の和歌山側へ下ると和歌山線の駅に出られそうだ。ずっと車道を下ることになるけれど、走ればゆっくりでも1時間少々くらいで着けそうだ。
下山するには時間は早いけれど、これ以上先に進むのは時間的に危ないので、今日はここから車道を下ることにした。
紀ノ川の眺めはきれいだった。
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和歌山線の妙寺駅には1時 15 分くらいに到着した。電車まで 30 分ほどあるので、きれいなトイレでゆっくり着替えをした。
ビールの自動販売機が無いかと探してみたが見あたらず。コンビニも無い。
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乗り換えの橋本駅の売店でようやくビールにありついて、ゆっくり帰ってきた。
走行約 29.5km だった。

UTMF の累積標高差

UTMF 2016 の公式結果が公表された。
距離は 44.8k、累積標高差は 1926m だったそうだ。
距離はまぁいいとして、累積標高差が 1926m ????
登りらしい登りは足和田山とパノラマ台のそれぞれ 500m くらいで、あとはほとんどちょっとした登り下りくらいしか無かった。
どういう計測をしたらこんな値になるのだろうか。
いくら細かいアップダウンを正確に計測したとしても、体感的にはせいぜい 1300m くらいだと思う。
今回に限らないけれど、トレイルレースで公表されている累積標高差はとても信じられないような値が多いと感じる。
UTMF のサイトではポイント対象レースの距離と累積標高差が公表されているけれど、私が走った経験のあるレースで言えば、おんたけウルトラトレイル 100k は 3000m となっているけれど、実際は 2000m ちょっとくらいだと思う。
さらに驚きは王滝ダートマラソンの 2840m。体感的には 1000m ちょっとくらいだ。
おんたけウルトラトレイルと王滝ダートマラソンはどちらも王滝村の林道を走る似たようなコースで、距離が倍以上違うのに(王滝ダートマラソンは公表 42km、実際は 40km ちょっと)、累積標高差が 160m しか違わないなんてあり得ない。
ハセツネは 4800m となっているけれど、もう 20 年くらい前のことなので記憶が薄れている。ただ、そんなにはないんじゃないかという感じはする。
海外のレースはどうなんだろうか。
トップ選手のタイムと距離、累積標高差を比較すると、海外のレースも同じようなものではないかという気はする。
コースの性格を比較する材料として公表されているのだが、みんな不正確なら相対的には比較できるということ?

UTMF 2016 エピローグ

ゴールした直後、不安だった右足の股関節に痛みを覚えた。
レース中は何ともなかったけれど、やはり負担にはなっていたようだ。もし 100 マイルだったら途中で痛みが出ただろうと思う。
一息ついて、コーラを一杯いただいた。
それから富士宮焼きそば、めはり寿司、野菜スープをいただいた。富士宮焼きそばは麺にコシがあっておいしかった。昨年の大会でフランスの Arnaud Lejeune がおはしを使わずにパックに口を突っ込んでいたやつだ。

大池公園に戻るバスの状況が心配だったので、早々にバス乗り場に向かった。
途中でトイレに寄ったが、よく考えたら8時間半のレース中、一度もトイレに行かなかった。50 歳を過ぎてからは3時間半のマラソンでも一度はトイレに立ち寄っていたのに、ひょっとしたら水分補給が不足していたのかも知れない。
急なコース変更にも拘わらず、バスの運行は極めてスムーズで、少し並んだだけですぐにバスが来て、すぐに満員になって出発した。
大池公園までは1時間足らずだっただろうか。
バスを降りたら急に寒気が襲ってきた。たぶん体調の変化ではなくて気温が下がっていたのだと思う。
チップを返すテントに向かって行ったところ、今回は距離が短縮されたが記録としては完走ということになるので、フィニッシャーズベストがもらえるらしい。ただしすでに在庫切れで、後日郵送してくれるとのこと。
素直にうれしいけれど、事情を知っている人に外で見られるのはちょっと恥ずかしい。
預けていた荷物を受け取って、更衣テントに入った。少し暖かくてほっとした。
身体を拭く使い捨てアルコールタオルを忘れてきてしまったのだが、このすぐ近くにあるホテルの風呂が選手用に 24 時間営業しているとのことで、荷物をまとめただけで早々にそこへ向かった。
会場からほんの3分程度の場所で、やはり泥だらけの選手でごった返している。しかし贅沢は言えない。
シューズと靴下は悲惨な状態だった。シューズを脱いだり靴下を脱いだりするたびに、ドロがあたりにパラパラと落ちる。みんなそうなので、床はすでに泥だらけ。
ようやく裸になって浴室に入ろうとしたら、何か中が騒然としている。どうも中で倒れた人がいるようで、「救急車を呼んで!」という声が聞こえてくる。
中に入ったら横たわって介抱されている人がいたが、今度も横目で見るだけで何もしなかった。すでに何人かで対応しているので、そんなところに割り込んだら余計ごちゃごちゃするだけだ。
湯船に身体を沈めたらようやく全身に安堵感が漂ってきた。
さっぱりしてロビーに出たが、まだ午前2時。しかしロビーは大混雑で、しかも至る所にドロが落ちているので、こんな所には長居したくない。身体も暖まったので、早々に駅に向かうことにした。
駅のそばのコンビニで煮込みうどんとビールを買って、駅前のバス停のベンチで一人宴会にした。
印刷してきたバスの時刻表によると、一番のバスは7時過ぎ。時間はいやほどあるけれど、さすがにうろうろする気にはならない。
ところがバス停で本当の時刻表を見たら、何と7時の便は無くなっていて、一番は9時過ぎになっている。UTMF が短縮になった時以上のショックだったが、どうしようもない。
音楽を聴いたり、コンビニでコーヒーを買って飲んだりしながら時間をつぶして、ようやく7時近くになった。
東京方面へ向かう高速バスは5時台から何便かあるのに、西の方向は迫害されていると恨み節の一つも言いたくなる。
そうこうしていたら、7時頃に御殿場行きのバスがやってきた。
新富士へ行くことしか考えていなかったけれど、来る前に経路を調べた時に、御殿場経由の経路があったことを思い出した。
御殿場行きのバスは出てしまったけれど、携帯で御殿場経由を調べてみると、JR は新富士経由よりも少し高いけれど、バス代がだいぶ安くなるので、トータルではほとんど同額くらいだった。
しかし御殿場行きのバスはちょうど出たばかり。がっかりしたが、念のためにと思って御殿場行きの時刻表を見たところ、何と7時半に次の便があるではないか。しかも1日に4便しかない新富士行きと違って、1時間に1本くらいはある。
急に気分が良くなって、7時半のバスで河口湖を後にした。
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ひょっとしたら河口湖に来るのはこれが最後になるかも知れないと思ったが、後ろ髪を引かれるような気持ちにはまったくならなかった。

UTMF 2016 レース

いよいよスタート時刻が迫ってきた。
今回のウエアは昨夜の寒さを考えて上は登山の時に着る夏用長袖ジップシャツとメッシュの袖無しアンダー。下は七分丈のタイツにカーフサポーター、薄いミトンにもなる指無し手袋。シューズはもちろん HOKA Rapa Nui 2s で、泥よけのゲイターを着用した。

※バッテリー切れで尻切れトンボ。
10 秒前からカウントダウンが始まって、午後3時ちょうどにスタートの号砲が鳴った。
スタートゲートが狭いので、号砲直後は通勤ラッシュの電車以上の混雑。押し合いへし合い状態でゲートを通過したのはほぼ1分後だった。
ゲートを越えたすぐの所に鏑木さんがおられて、さかんにハイタッチされていた。
三浦雄一郎さんの姿は確認できなかった。
会場を出るとすぐに湖岸の遊歩道に出る。このあたりから少し走れるようになってきたが、幅が狭くなるとすぐに渋滞する。
そこそこスムーズに走れるようになったのはスタートして5分後くらいからだっただろうか。
しばらくはフラットな遊歩道なのでそれなりのスピードで進む。と言ってもせいぜいキロ5分半くらい。聞くところによるとこのあたりはトップ集団は 100 マイルの時でもキロ3分半くらいで行くらしい。
当初は今回は時計は GPS 機能を使わないつもりでいた。早々にバッテリー切れになるのは明らかで、そういうことに気を取られるのがわずらわしいので、単に時計として使うだけのつもりでいたが、49km に短縮されたので、GPS 機能を使うことにした。ただしゴールまではバッテリーが持たなさそうだ。
スタートして約 4.2km、27 分くらい経過した時に、例の渋滞箇所に到着した。
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道路を渡るまでは結局 15 分くらいだった。しかし道路を渡った直後にトレイルに入って、ここがすぐにシングルトラックになるので、ここでも同じように渋滞していた。ここにはシンガーソングドクターでランナーの福田六花さんがおられた(写真右端にチラッと)。
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結局、そこそこまともに進めるようになるまでトータルで 30 分くらいかかったように思う。
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まずは最初のピークの足和田山(1355m)を目指す。河口湖畔が 800m 以上あるので、標高差で 500m くらいだ。
足元は濡れているけれど、登りなのでほとんど気にならない。
しばらく登ったところで何人かの人が立ち止まっていたので何かあったのかと思ったら、思いがけず富士山を眺めることができた。
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足和田山のピークを4時 53 分に通過した。
下りは難渋した。とにかく滑りやすく、粘土の中に足を突っ込んでいる感じ。ゴボウ抜かれした。
転倒されたのか、道ばたで介抱されている女性がいたが、横目で見て通り過ぎた。どうせ止まっても何もできない。
鳴沢氷穴のウォーターエイド W1(13km)には5時 29 分に到着。しかし本当に水しかなかったので、歩きながらジェルを補給しただけでスルーした。そろそろ薄暗くなってきた。
薄暗い中、青木ヶ原樹海を行く。一人なら不気味かも知れないが、前後にランナーがたくさんいるし、単にフラットなハイキング道を走っているというだけ。
樹海を出るとしばらくはバスの走る車道(歩道あり)を行く。やや下り基調で、ペースはキロ6分を少し切るくらい。
しばらく行ってトレイルに入る所でヘッドランプを出した。
ここから精進湖民宿村エイド A1(20km)まではわずかで、6時 21 分に到着した。大会が想定する最も遅い人が4時間という所まで3時間 21 分だった。おおむね期待通りのペース。
エイドでは精進湖すい豚とバナナ、パンをいただいて、5分で出た。
しばらくフラットなトレイルを行く。走りやすい道なのに、何故か歩いている人がちらほらと出てきた。「まさかラン禁止区間?」と思ってしまったけれど、案内にはそういう記載は無かったはずだ。
そんなところを 30 分ほど進んだら、パノラマ台への登りにさしかかった。ここにはサックスでロッキーのテーマを吹いている人がいた。少なくとも私の耳に入る範囲では、まったく休むことなく吹き続けていた。つづら折れを登ってもいつまでも耳に入ってくるので、いささか耳障りだった。
パノラマ台は 1328m で、麓からの標高差は 400m 少々。上位の選手ならおそらく走って登っているであろうと思われる程度の傾斜だが、立ち止まって横に避ける人がちらほらと出てくる。
パノラマ台までは 45 分くらいだった。このあたりから時々雨脚が強くなってきた。
ここからは少し下って、その後は登ったり下ったりを繰り返す。雨脚が強くなってきたので雨具の上を着て、帽子をかぶった。
下りは泥沼状態の部分が多いので、慎重に下る。こんな所で転けてどろどろになったら精神的にがっくりきてしまう。
かなり後方にいるせいもあるのだが、この路面の荒れ方は相当なものだ。天候が回復してハイキングに来られた方はびっくりされるのではないだろうか。「トレランレースは環境破壊」と言う声をしばしば聞くけれど、確かにその通りだと思う。自分でやっていてこんなことを言うのも何だけれど・・・。
佛峠を越えて最後の下りはかなり悲惨な状態だったが、何とか転倒せずに本栖湖エイド A2(32km)に9時 19 分に到着した。大会想定の最も遅い人が7時間 30 分という所まで6時間 19 分だった。
ここでは水を補給して、ゆば丼とみのぶまんじゅう、バナナ、コーラをいただいた。
ここの掲示板に希望者は翌日の STY に出場可能と書かれていたが、私はそういうつもりはまったく無し。ただしスタート地点のこどもの国までは自力で移動すること。ただ、それならなぜスタート時に案内しなかったのかという疑問は感じた。
※その後、短縮 UTMF に完走した人だけが権利があるというアナウンスがされた。案内が後手後手に回っている感じは否めない。短縮 UTMF を走らずに STY で優勝されるとまずいということだろうけど。
それとフィニッシュ地点を道の駅あさぎりに変更するという案内も出ていた。麓エイドのさらに手前だ。
もうあとはロードだけだろうと思いながら、8分の滞在でエイドを出た。外は本降りになっていた。
雨の夜はヘッドランプの光が乱反射して非常に見えにくい。特に舗装道路では路面の雨の反射もあってさらに見にくい。
この道路は所々小さな窪みがあるようで、一瞬くぼみに足を取られてバランスを崩した。雨水が溜まっているのでわかりにくい。
これは足元を注意していないと危ないと思って慎重に走っていたところ、少し前を行く人が突然バランスを崩してへたりこんだ。おそらく例のくぼみに足を取られたのだろう。女性だったが、今度もそのまま通り過ぎた。
A2 からは 12km くらいとのことだったので、ロードなら1時間半くらいだろうかと思って走っていたら、またトレイルに入った。車道のすぐ脇のハイキングロードのようだ。
しかしこのトレイルが足元ぐちゃぐちゃで、ほとんど走れない。すぐそばを走る車の音が聞こえる場所で、これくらいなら車道を走らせてくれた方がいいのにと思うくらいだった。
また車道に戻ってしばらく行くと、「あと 3km」と案内している方がおられた。やれやれと思ったと同時に、最後までしっかり走ろうという気持ちになった。
そこから 1km くらい進んだかなと思う頃、車道を離れて横道に入らされた。路面の荒れた細い林道のような道で、さらに進むとトレイルになって、しかもスネまで水につかるほどの水たまりをバシャバシャと通過するはめになった。
ところが、どういう訳か前からランナーが戻ってくるではないか。
何事かととまどっていたら、どうもロストしているようだとのこと。しかしマーキングは付いている。
直前にコース変更になったので、マーキングが正しく設置されていないのではないかとのことで、あっと言う間に 100 人くらいの集団ができてしまった。
取りあえず引き返すが、その後も後ろからどんどんランナーがやってくる。
そのうち誰かが事務局に電話で確認されたようで、実は最初に走っていたルートをそのまま進むのが正しいということがわかって、またまた元に戻ることになった。このあたり、同じ道を行ったり来たり3回も走ることになった。
スネまでの水たまりを3回目通過して、さらに先に進む。
少し前まで張ってきた気持ちが一度切れてしまったけれど、何とか最後はしっかりと締めようと気持ちを立て直した。
このあたりは牧場なのか、動物の臭いがする。
後から考えると、「あと 3km」と言われた方は、正式なコースを知らずにそのまま車道を進んだ距離で案内されたのではないかと思う。
緩い登りを少し上がって、車道を渡った所がフィニッシュの道の駅だった。
ゴールゲートの先では福田六花さんが迎えて下さった。
こういうことをやるのはこれが最後かなと思いながら、いつもの自分のセレモニーとして、大会関係者の皆さまへの感謝の気持ちを込めて、ゴールゲートに向けておじぎをした。
タイムは8時間 31 分 42 秒。完走者全 1342 人中 1083 番だった。ちなみに優勝タイムは男子がアメリカの Dylan Bowman で 3 時間 46 分 37 秒、女子がブラジルの Fernanda Maciel の 4 時間 51 分 03 秒(総合 31 位)だった。

UTMF 2016 結末

UTMF 2016 はすでにご存じの方もおられると思うけれど、静岡県の大雨警報のために、スタート直前になってフィニッシュ地点を麓エイドの 49km にすると発表された。
結果的にはさらに手前の 44km 地点の朝霧高原道の駅がゴールとなった。
今日の 12 時に雨の中をスタートした STY も先ほど中止が発表された。コース上の選手は次のエイドでレースを終えるとのこと。
昨年は想定外の体調不良で DNS となってしまったが、今年はさらに輪をかけた想定外の結末となった。
木曜日は昨年と同じく新幹線で新富士まで行って、そこからバスで河口湖へ行った。4時前に河口湖に着くバスに乗ったが、昨年乗ったもう1本遅いバスは最近の時刻変更で無くなっていた。
最新情報を調べていなかったので、昨年と同じ時間に出ていたらバスに乗れないところだった。
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今年も富士山はまったく見えず。時々本降りの雨になるけれど、河口湖駅に着いた時は雨は止んでいた。外は以外と寒い。
今年の宿は河口湖駅近くのゲストハウス。昨年泊まった駅前のドミトリーは調べた時点ですでに満室で、かろうじてこのゲストハウスの4人部屋だけが何とか確保できた。1万円少々したけれど、新しい建物で居心地も良く、ゆっくり休むことができた。
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チェックインをすませて早々に会場に向かう。今年は会場が変更になって(第1回大会と同じ)、駅から 2km くらいの歩ける場所になった。
湖畔の道をぶらぶらと大池公園へ向かう。30 年以上前、3回目のフルマラソンで河口湖マラソンを走った時に2回渡った河口湖大橋。
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今年は無事このゲートをくぐれるだろうか。
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ステージもこぢんまりとしている。
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駅前には気温が 16.7 度と表示されていた。
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スタートは金曜日の午後1時なので、チェックアウトタイムの 10 時の少し前、9時半過ぎくらいにゲストハウスを出た。朝方は本降りだった雨も今は止んでいる。少し寒いので雨具の上下を着て出かけた。
会場に着いた頃から雨がぱらぱらと降ってきた。
ギアチェックを済ませてドロップバッグと荷物を預けたら後はスタートを待つだけ。まだ2時間以上ある。
雨が止んでいたので、湖岸の石畳の上で足を伸ばして横になった。
スタートまで1時間を切ったので、トイレに行っておこうと思って列に並んでいたら、何とスタート時刻を午後3時に変更するとのこと。静岡県に大雨警報が出ているようで、スタートを遅らせてこれが解除されるのを期待するということのようだ。
ようやくスタートが近づいてきたと思っていたのに、またこれから3時間近くも時間をつぶさなければならない。おまけに雨も降り出してきた。10 時過ぎに会場に着いてから、5時間近くも待たされることになった。
雨具を着ていたので屋外でイスに座ってぼうっとしていたけれど、ギアチェックをやっていたテントが解放されたようで、イスを持ってそちらへ移動した。
スタート1時間前を切ると、そろそろスタート地点に移動する人が現れてきた。
参加者は 1500 人以下で、都市マラソンに比べると一桁以上少ない人数なのだが、それでもスタートはそれなりに渋滞する。
実はスタートして 4km くらいの所で車道を渡ってトレイルに入る場所があるのだが、完全な交通規制ができないので、車を通しながら 20 人くらいずつ渡ることになる。ここが昨年は最後尾では1時間くらい待たされたそうで、今年も同じ状況になる可能性が高い。
昨年はここでの待ち時間を考慮して途中まで関門閉鎖時刻の延長が行われて、今年も状況によってはそういう対処になるとのことだったが、何とかここでの待ち時間は最小限に留めたい。
そんなわけで私もそこそこ前の方に並ぶことにした。
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雨はほとんど止んでいるので、雨具は脱いでザックに入れた。
2時半に開会式が始まる。
私が大嫌いなタイプの、むりやり盛り上げるわざとらしいしゃべり方をするアナウンサーの声で始まったが、大会実行委員長の鏑木毅さんから「大きな決断をしました」という一言が出た瞬間、会場にどよめきが走った。
一部のコース変更はすでに発表されているが、麓エイドの先の天子山地がかなり危険な状態になっているので、もし大雨警報が解除されてもここに入るのは危険と判断して、麓エイドを今回のフィニッシュ地点にするという発表だった。
落胆の声が随所から聞こえてきたけれど、私自身はそれほどの落胆は感じなかった。落胆はあったけれど、心のどこかにほっとしたような気持ちもあったように思う。
なぜなら、今回の UTMF に向けてはこれというほどの準備をしてこなかったからだ。大した努力もしてこなかったので、こういう結末になってもさほど大きな落胆は無かった。
こういう大会に参加するのは当面これが最後と考えているので、49km ならおそらく完走できるはずなので、途中リタイアで終わるよりはいいかなと思ったりもした。
とは言ってもやはり気持ちのアップダウンはそれなりにはあったけれど。

交野山

今日は久しぶりに交野山へ行ってきた。
実は今日は早朝発で生駒山往復60kmへ行くつもりだった。
UTMFまであと3週間足らずで、週末にまとまって走れるのは今日が最後だったので、何とか距離を踏んで自己満足感を少しくらいは得ておきたいと思っていた。
朝5時に目覚ましで起きたが、思った以上に暑い。これだけで意欲が少し落ちた。
いつも通りのパンの朝食だが、暑いせいかノドの通りが悪い。
食後のコーヒーを煎れようとしたけれど、ここで気持ちが切れた。
早朝発で、特に暗いうちから出かけなくてはならないような時はなかなか気持ちが乗ってこないことが少なくないけれど、食事を終えてから出発を止めたのは初めてだった。
UTMFはコースが発表され、エントリーリストも公表されて、本来ならいやでもモチベーションが上がるはずなのに、今回は上がるどころか下がる一方だ。
原因は自分ではわかっている。
この夏の酷暑のせいなのだ。
私は真夏の生まれにもかかわらず、夏が苦手だ。
20代の頃は毎年のように夏バテで食欲が落ちて、体重が47kgくらいまで落ちることもめずらしくなかった。
29歳で初めてマラソンを走って、それ以降ランニングが日課になってからは、それほどひどい夏バテに陥ることはなかったけれど、それでも夏は嫌いだ。
この夏の酷暑はつらかった。先日の台風10号で少しましになったかと思ったが、新たな台風12号がまた熱気を呼び込んでいるのだと思う。
酷暑のおかげで8月の月間走距離はわずか210kmで終わってしまった。
登山の随行などで走れない日が10日ほどあったとは言うものの、UTMFの前月にこの距離では話にならない。
とは言っても酷暑でムリに走っても心身ともダメージを蓄積するばかりで、あまりメリットは無いだろうと思った。
今日はそれが少しだけ取り戻せる日だったのだが、結果的にはまた暑さに負けてしまった。
で、結局午後3時過ぎに家を出て、久しぶりに交野山を目指すことにした。
暑さ対策で首筋を冷やすアタッチメントを帽子に着けて出たが、何と走り出して数分くらいで雨が降ってきた。
本降りにさえならなければ、この時期の適度な雨はむしろありがたい。
いつもの経路で穂谷川から津田のアルプラ、スパバレイを通過して、お気に入りの登山道へ入ったところ、フェンスで通行止めになっていた。
乗り越えようと思えば乗り越えられるくらいのフェンスだったけれど、地元で問題を起こすのもよろしくないし、ひょっとしたら道が雑草で覆われているかも知れないと思って、おとなしく戻って、国見山への道標のある道に入った。
実はここから登るのは初めてなのだが、おそらくサイエンスヒルズの上のいつもの道に合流するのに違い無いと思っていた。
予想通りいつもの道に入って、通行止めになっていた道の上部がどうなっているのか確かめようと思って、すぐにこの道に合流する分かれに入った。
ほどなく尾根に出たけれど、ここから先には通行止めはどこにも無かった。上から下ったら最後でフェンスが出てきてびっくりするだろう。
国見山の直前では細い道に大の字に寝ている登山者がいて、あまりのマナーの悪さに驚いた。少なくとも私よりは高齢だったと思うが、最近はこういう高齢者に出会うことがめずらしくない。
ここからはいつもの道で交野山の山頂(341m)へ。
山頂からは南側に下って、いつもの鳥居に出る手前の峠のような所から東に下っている道に入ってみた。予想通りゴルフ場の車道に出た。
白旗池からはこれも初めての道で「さわがにの道」というのを下った。
地図を持っていなかったのでどこに出るのだろうと思ったが、あっと言う間にゴルフ場へ上がる車道に出た。
ここからは車道を適当に下って第二京阪の側道に出て、スパバレイから往路を帰ってきた。
約21km、2時間35分くらいだった。
帰ってシャワーを浴びて体重を量ったら、47.9kgだった。減ったのはほとんど水分だと思うが。

フカンド山、天狗岳、三国岳

昨日は陸上クラブ年間最大のイベントの「Mid Summer Games」だったけれど、もはやトラックで心拍数を上げて走る気にはならないので、山へ行くことにした。
当初は4月に小野村割岳で終わってしまったコースを再度チャレンジしようかと思ったけれど、この暑い時期にあのコースは長すぎる。
地図を眺めていたら「フカンド山」が目に入った。ここも昔から山名が気になっていた山で、登山地図には登山路は書かれていない。
しかしヤマレコで調べてみると踏み跡程度の道が久多峠から稜線伝いに北に延びているようで、これを辿れば前回歩けなかった天狗岳や三国岳(さんごくだけ)を周回できる。
距離的にも 20km 少々くらいなので、この時期でもさほどきつくはないだろうと思って、前日にコースを決定した。

久多へ行くには梅の木経由の方が車は走りやすそうだ。家からなら湖西道路経由で行けば信号が少なくて早いのではないかと思ってその道で行ったところ、期待通り久多の集落まで1時間 40 分くらいで行くことができた。
上の町へ行く道と久多峠へ行く道の分かれになっている所に公衆トイレがあったので、そこの駐車スペースに車を停めて、8時 48 分にスタートした。
ここには志古淵神社がある。
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集落の中の緩い登りを久多峠に向けてゆっくり走る。日射しがきついので帽子をかぶった。
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集落が途切れると次第に傾斜が急になってきて、ヘアピンカーブの急な登りは歩いた。
9時 26 分に久多峠に到着。木陰に入るとそれほど暑くないので帽子を脱いだ。
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フカンド山への道は道標などはまったく無く、踏み跡も不明瞭で、急なすべりやすい斜面を強引に上がった。
このあたりまで来るとわりと涼しい。
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なかなかの急な登りだったが、9時 54 分にフカンド山(853.5m)に到着した。三角点がある。
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ここからはアップダウンは少なく、静かで気持ちのいい自然林が続く。
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立派な木が次々と現れる。
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P897 を 10 時 14 分に通過。
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踏み跡が不明瞭でルートを外したが、gps のおかげですぐに修正できた。
こういうルートを地図とコンパスだけで歩くのは大変だ。樹林帯で展望がきかないので、現在地を判断するのが非常に難しい。
ヤブ山歩きの好きな人たちは gps に否定的な意見を持たれていることが少なくないが、私は地図とコンパスで正しく歩くことに満足感を得るタイプではないので、安全のためには gps は必須と思っている。
このあたりのコース上の木にはしばしば「水」と書かれているのを見かける。小野村割岳の稜線でも何度か見かけたが、とても水があるようには見えない。ここを下ると沢があるということなのだろうか。
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P927 で小野村割岳からの道に合流した。10 時 47 分。と言っても道はきわめて不明瞭。もう少し明瞭になるかと期待したけれど、それほどではなかった。
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そのまま稜線伝いに進む。
このあたりは杉の幼木がたくさんあって、葉がチクチクと痛い。
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天狗岳へは三叉路になっているはずなのだが、分岐に気が付かないうちに天狗岳への道に入っていた。
天狗岳(928m)へは 11 時 37 分に到着した。
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この日のルートでは数少ない展望の得られる場所。比良山系と思うけれど、どの山かわからない。
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ここで腰を下ろしておにぎり休憩にした。
さて、三国岳へは三叉路を東に向かわなければならないのだが、かなり注意して見ていたが、それでもいつの間にか登ってきた道に戻ってしまっていた。
gps を頼りに適当に東に向かってみたが、踏み跡のようなものは見あたらない。
ちょっとした谷に踏み跡のようなものが見えたので少し下ってみたけれど、やはりすぐに消滅した。
gps を方向を確認して尾根に這い上がったところ、ようやくそれらしい踏み跡に合流できた。
ここから先も踏み跡は不明瞭で、尾根が広くなっているような場所はどこが踏み跡なのかさっぱりわからない。
それでも不安無く歩けるのは gps のおかげだ。
たまに標識が現れるとやはり安心する。
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所々にテープマークもあるけれど、いつの間にか無くなったりする。
1時前に三国岳への三叉路に到着した。
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三国岳(959m)へはここから5分ほどで到着した。
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三叉路からの下山路ははっきりしていた。かなり急な下りだったので、気温が上がるのがはっきりと感じられた。
30 分ほど下ったところで「三の岩屋」という標識。時間はあるので立ち寄ってみる。
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右側が沢に切れ落ちた斜面をトラバースしていたら、突然左足のスネの外側に鋭い痛みを覚えた。
何かと思って見てみたけれど何も見えない。カーフサポーターをしているのだが、その外側からやられた。
一歩踏み出すごとに毒が回っていく感じで、これはやばいと思ったけれど、ここでは腰は下ろせない。
少し進んで腰を下ろせるスペースのできた場所でザックを下ろして、すぐにポイズンリムーバーで処置した。
幸い、痛みはそれ以上ひどくならずに済んだが、一体何にやられたのだろう。
これまでの経験ではスズメバチに刺された時と同じような感じだったが、ハチが飛んでいるような羽音は聞こえなかったし、以前に刺された時は刺された後もしばらくハチがそこに止まっていて、あわてて払いのけた。
ヒザの周辺は素肌が出ていたので、そこでなくて良かった。
岩屋ってこれのこと?
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元に戻ってさらに下って行く。刺された箇所は痛みはあるけれど歩きに差し障るほどではない。
二の岩屋があるはずだが気が付かず、一の岩屋に下りてきた。これは立派な岩小屋だ。錫杖や幕岩の岩小屋並み。
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さらに下って沢を渡ると林道に出て、そこには京都府立大学の演習小屋があった。1時 55 分。
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ここからはコケの生えたソフトな林道の下りで、これは走るしかない。
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ここから数分で車道に出た。
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ここから車道を約 5km、30 分少々走って車に戻った。
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5時間 45 分、約 22.5km の行程だった。
梅雨明けの好天の日曜日にもかかわらず、登山道では誰にも会わない静かな一日だった。
久多は昔から京都でも熊が時々出没する地域だが、この日はそういう雰囲気はまったく感じず、何故か安心して歩くことができた。何の根拠も無いのだけれど・・・。
帰りも行きと同じ経路で帰ったが、湖西道路が渋滞していて、行きよりも1時間近く余計にかかった。京都市内がどうだったかはわからないので京都経由の方が良かったのかどうかはわからないが。
しかし帰りに途中から見た宮メズラ北面の採石で削られた山肌は悲惨だった。あの人の少ないエリアのほんのすぐそばがこんな状態になっているとは・・・・。
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