六甲縦走キャノンボールラン

先週末は恒例の六甲縦走キャノンボールラン。もう大会参加は辞めると言いながら、この大会だけはついふらふらとエントリーしてしまう。
この3月の大会で1年半ぶりに完走できたので、アクシデントさえ無ければ完走はできるだろうと思っていた。
それに UTMF や先日の和泉山地など、欲求不満のたまる出来事が続いていたので、一度すっきりさせたいという気持ちもあって、わりと前向きに考えていた。
秋の大会は宝塚がスタートゴール。ただしスタート地点は塩尾寺(えんぺいじ)下の広場。ゴールは湯本台広場になる。
広場からの宝塚方面の夜景。
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定刻の土曜日午後9時にスタートした。ほんのわずかに霧雨が漂っている。
今回からナイトスピードという、夜間の片道コースが新設されたので、これまでより参加者が随分増えるのではないかと思っていたが、それほどでは無さそうだ。何となくパワー(往復部門)の参加者が以前に比べると少ない感じ。
ただ、おそらくナイトスピードの選手は片道なので速いと思うので、掬星台でカレーにありつけるかどうかちょっと心配だ。
スタートして1時間 50 分でドライブウェイに出た。ここまでわりといい感じで来ていて、なかなかのタイムだと感じていたが、帰ってから調べたら2年前は1時間 37 分だった。
一軒茶屋のエイドは酒しかなかったのでパス。
いよいよ 100 万ドルの夜景が始まる。
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同じアングルの昼間はこんな眺め。
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初めての参加者が多いのか、忠実に全山縦走をを行く人がたくさんいる。私はいつも通りの最短距離コースを行く。
その後2カ所ほどエイドが出てきたけれど、いずれも酒などの飲み物ばかりなので通過する。
3時間 15 分くらいで掬星台に到着して、ようやくカレーにありついた。その時はいいタイムだと思っていたけれど、過去の記録を見るとそれほどでもなかった。体調は上々だ。
ここからの夜景は素晴らしい。
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それにしても今回は相前後する選手の数が非常に少ない。これまでに比べるとずいぶんばらけている感じ。
市ヶ原を越えて大竜寺の手前には今回はどんな仕掛けがあるか楽しみにしていたら、暗闇にガイコツがぶら下げられてライトアップされていた。
大竜寺のエイドでは豚汁とおにぎり、そしてコーラをいただく。
菊水山はスタートして約5時間で到着。これなら8時間台で須磨まで行けそうだ。
今回は水道局そばにエイドがあった。さっそくビールをいただいて、コンソメスープ。そして小さなおにぎり。
前後にほとんど人がいなかった丸山の住宅街もロストせずにクリアできて、高取山へ向かう。
今回は高取山エリアはラン禁止区間になっている。山頂エリアのフラットな部分が走れないのはちょっともったいないけれど、その分、夜景を楽しんで行く。
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同じアングルの昼間はこんな眺め。
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妙法寺の信号を渡って少し行った所で、左側の階段を上がって行く人がいた。前回も見かけたけれど、どうも須磨アルプスへ入る登山口へのショートカットがあるようだ。
一瞬、後を追ってみようかと思ったけれど、見失いそうだったのでやめた。地図を見ると山肌に階段が続いているようだけれど、それほど近道になるようには思えない。
前後に誰もいない中、暗い須磨アルプスを越えて行く。夜明け前に須磨に到着できそうだ。しかしハンドライト方の電池が残り少なくなってきた。
須磨浦公園には5時半に到着した。往路は8時間 29 分。往路の最速タイムではないかと思ったけれど、よく見たら2年前は8時間 18 分だった。
せっかくのいいリズムを崩したくなかったので、お茶を買って持参したおにぎりを食べて、15 分の休憩でまだ薄暗い中、リスタートした。
しばらく下ったり、少し休んだあとの登りはしばらく苦しいけれど、どうもそれだけではない疲労感を感じる。やはり往路のダメージが思いのほか大きかったのかも知れない。
明石海峡大橋の眺め。
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自動販売機で 100 円のスポーツドリンクを買ってボトルに入れたけれど、ちょっと変な味だ。
復路でも須磨アルプスは誰にも出会わず。
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これから先、高取山は何とかなるにしても菊水、鍋蓋、そして摩耶山を越えていけるのだろうか。いささか不安を感じてきた。
水道局のエイドでビールをいただこうと思ったら、ガスが切れていて取りに行っているとのこと。カレーと巨峰をいただく。
菊水山までリスタート後3時間 45 分。思ったよりは悪くないタイムだ。
鍋蓋山への登りで8時にスタートしたスピード(片道部門)のトップ選手がやってきた。これは速い。おそらく4時間台のペースだと思う。
鍋蓋山は急登が終わってからのチンタラが結構こたえる。
大竜寺のエイドではまた豚汁とおにぎりでくつろぐ。ここの人は親切で(全般的にエイドの人はどこでも親切だけれど。OSJ は???)、ペットボトルに入れていた水を満杯にしてくれた。
摩耶山の登りも苦しかった。もうちょっとと思ってからが長かった。地形の記憶がついつい都合の良い解釈になってしまう。登り切ってからのフラットな部分も歩きで、リスタートから6時間かかってようやく掬星台の東屋に到着した。
ここではおかゆやバナナなどをいただいた。
往路がここまで3時間半足らずだったので、あと4時間半だと 10 時間半。菊水山を登っているあたりでは復路は 11 時間くらいかかるのではないかと思っていたけれど、そこまで遅くはなっていないようだ。ただしこの先が何とかしのげればという話だけれど。
もうこれから長い登りは無いけれど、ちょっとした登りがなかなか苦しい。あまり頑張らずに、止まらずに歩き続けるということを心がけて足を進めた。
三国池そばでドライブウェイに出てからの緩い登りの歩道もほとんど走れず、これでは復路 11 時間かという気分になってきた。
これまで4回の完走はいずれもトータルで 19 時間台ばかり。2年前に往路を8時間 18 分で行った時も、復路は 10 時間 50 分もかかってしまった。
今回は合計タイムで 19 時間を切れる可能性があるのだが、かなり微妙な状況だ。復路が 10 時間半でクリアできればいいのだけれど。
藤原商店でお茶を買って、ボトルの入れ替えをやる。甘いスポーツドリンクは食傷ぎみだ。
六甲山ホテルの近くにエイドがあって、コーラとクッキーをいただく。あと 15km とのこと。
時間的にリスタート後7時間半くらいだったので、残りを1時間 5km のペースで行ければ 10 時間半。ちょっと頑張ればトータル 18 時間台が達成できる。
どうもそれが起爆剤になったようで、このあと少し走れるようになってきた。
ゴルフ場そばのフラットもしっかり走って、ドライブウェイもほぼジョグで進んだ。
一軒茶屋で8時間半。これまではここからの下りがだいたい2時間なので、10 時間半が切れるかどうかというギリギリの状態だ。
幸か不幸かいつもあるエイドが今回は無かったので、トイレに寄っただけで先に進んだ。
東六甲縦走路は長くていつもうんざりする。特に昨日は、後からスタートした片道部門の選手が次から次からやってくる。そのたびに道を避けなければならない。
以前は往復部門も復路のスタートは片道と一緒だったので、こういうことは無かったのだけれど、いつの間にか復路のスタートは自由ということになったので、こういう事態が発生する。
片道と一緒にスタートすればいいのだけれど、私の走力だとそうするとゴールが暗くなる可能性があるし(実際に以前はそうだった)、序盤の渋滞も煩わしい。
仕方無いと諦めるしかない。
想定したより 10 分ほど早く塩尾寺に到着した。これなら10 時間半を少し切れそうだ。
ここから下はいつも階段と山道のショートカットを行くのだけれど、下りなので多少距離が延びても車道をリズミカルに下る方が時間的には早いのではないかと思って、車道を下ることにした。
これまではここの下りはもうまともに走れず、下りにも拘わらず早歩き程度になってしまっていたのだけれど、昨日はジョグでしっかり下れた。
体力や筋力の問題ではなく、単に気持ちの持ちようだ。
昔に比べるとトレイルレースや登山の後でも大腿四頭筋に筋肉痛が出ることがほとんど無くなってしまっているけれど、これは筋力が付いたり技術が上がったというのではなく、単に気持ちが身体をセーブしてしまっているからだと思うようになった。つまり昔ほど自分の能力を十分に使っていないということだ。
そういうことに気が付いて、今回は意識的に攻めてみることにした。それが往路の好タイムにつながったのだと思う。
いよいよゴールが近づいてきた。こういう時は何とも言えない感傷的な気持ちが心に湧き上がってくる。
特に最近はそういう機会も少なくなったし、何よりも「はたしてまたこんな気持ちを味わえることがあるだろうか」という思いもよぎってくる。
3月の時は相棒がいたのであまり感傷的な気分にはならなかったけれど、今日は2年ぶりの単独ゴールだ。
最後までしっかり走って湯本台広場の緩い階段を駆け上って、サングラスを取ってゴールした。復路 10 時間 23 分で、何とか往復 18 時間台を達成できた。

釈迦岳

昨日の登山教室は比良の釈迦岳。久しぶりにすっきりした好天で、コースもそこそこ歩き応えがあり、気持ち良い一日を過ごすことができた。

集合はバス停のイン谷口だったが、1本早い電車で行ってイン谷口まで歩いて行くことにした。
案の定、講師の先生と一人のお客さんがこの電車に乗っておられたが、私は準備などに時間がかかって少し遅れて出発した。
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しばらくは車道を行く。目の前には釈迦岳と堂満岳がくっきり浮き上がって見える。
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R161に出ると樹下神社。
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イン谷口に集合して、いよいよ出発。
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10 月は新しい期の初回で、久しぶりに新参加の方が何名かおられる。
ところが今日のコースはイン谷口が標高約 250m。釈迦岳が 1060m で、いきなり標高差約 800m の登り一辺倒になる。
新しい方々の体力や技術がどの程度かまったくわからないので、場合によっては先月のように一旦下って登り返しということも有り得ると覚悟して歩き始めた。
しばらくは車道を行く。昔はここからリフトとゴンドラで北比良峠まで上がることができた。
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昔のリフト下の道を行く。
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今のところはみなさん快調で、問題無さそう。思ったより暑い。
途中の展望箇所から琵琶湖を望む。
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ガンガン登ってかつてのリフトの終点に到着。
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ここからは比良の南の方の堂満岳や打見山、蓬莱山、もちろん琵琶湖の眺めも素晴らしかった。
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カラ岳方面への道を分けて釈迦岳へ向かう。なかなかの登りが続くけれど、みなさんまったく問題無し。ここまで来ればもう引き返す必要は無さそうだ。
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少し登ると大津ワンゲル道と合流。
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釈迦岳(1060m)には 11 時に到着した。
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朝が早かったのでここで昼食。
少し北へ行ったところからは北側の展望が開けていた。昨年、安曇川から蛇谷ヶ峰を経由して和迩まで行った時の序盤ルートがぐるっと見渡せる。
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昼食後は北東方向へ向かう。
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東側が崩れた稜線を慎重に通過。
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対岸は近江八幡方面と沖の島。午後になって少し雲が出てきた。
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振り返ると武奈ガ岳。
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12 時 20 分にヤケオ山。
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急な下りを慎重に下りてヤケ山へ。
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ここから稜線を北小松へ下山する。
こんなキノコは見たことが無い。
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涼峠で一服。
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スムーズに歩けて時間があるので楊梅の滝に寄り道する。
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まずは雄滝。
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滝見台からはこんな感じ。
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さらに雌滝へ。
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雌滝にはスカートの女性がいてちょっとびっくりしたが、駐車場から直接上がって来られる道があった。
その道を下って、無事北小松駅に到着した。
出発前の不安は杞憂に過ぎず、楽しい一日を過ごすことができた。

山田池練習会

先週の4時間走に続いて、今日の練習会も山田池。普段の個人練習も山田池が多いのでいささか食傷気味ではあるけれど、踏み切りと信号を越えなければならない淀川からは足が遠のいてしまった。
最近の練習会では自分の目標ははっきりとは決めずにその時の感覚でムリの無いペースでスタートして、体調と気分でペースや距離を設定するような感じで走っている。
今日もゆっくりめでスタートして、最初の1周は 13’55″。まぁ体感通りというところ。スタートしてわずかで単独走になった。
体調はまぁまぁで、順調に周回を重ねて行った。
特に意識はしなかったけれど、後からラップを見たらきれいにビルドアップしていた。ストップウォッチには表示されているけれど、細かい数字はしっかり判別できない。
できれば8周(20km 弱)行きたいと思っていたが、行けそうな感じ。6周目は 12’55” だった。
ラスト2周は意識的にペースを上げた。ただ、このあたりから右足の外側に少し痛みが出てきた。シューズのヒモを締めすぎていたのかも知れない。
7周目は 12’35″、ラストは 12’13” で、以前ほど追い込んだ走りではなかったけれど、そこそこ満足できる練習ができた。
最近は限界まで追い込むよりも若干余裕のあるくらいの強度で終えた方がいいかなと思っている。
と言うか、限界まで追い込むのはもう身体が生理的に拒否しているような感じがする。

清水山

今日は京都一周トレイルコースの随行で清水山へ。
朝方は気温が低かったので熱いお茶を持って行ったけれど、昼間は結構日射しが強くて、蚊もたくさんいた。

集合は東山七条のバス停付近で、しばらく車道を行く。
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小松谷正林寺の山門から眺める阿弥陀ヶ峰。
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渋谷街道の裏道を通って一周トレイルルートに合流。
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石段を上がると正面右上に清閑寺。ここは何度も通っているけれど、このアングルで眺めたのは初めて。
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ようやく清水山へのトレイルに入る。
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少し登って道から少し横に入った所に清閑寺の関連らしい塔がある。随分古いものらしい。
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スタートして1時間ほどで清水山(242m)に到着。本日の最高標高地点。
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山頂の少し南側の林の中に古い鉄塔が残っている。
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何と戦争中に建てられた見張り塔とか。保存されているという訳ではなく、ただそのまま撤去されずに残っているようだ。
ちょうどお昼に東山山頂公園に着いて昼食。
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昼食後はお決まりのコースで展望台へ。正面はポンポン山方面。
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そして青蓮院。ただし中には入らず。
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木陰に入ると爽やかで涼しい。
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林道整備で少し変更されたルートを下って尊勝院に到着。
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境内にはフヨウの花が。
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時間があるので粟田神社にお参り。
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ここからは北の遠方に花脊峠の電波塔が見えたけれど、写真では判別不可能。
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地下鉄の東山駅で午後2時に解散となった。
まだひと山十分に行ける時間だったけれど、繁華街に近いので今日は久しぶりにランニングシューズを見に行こうと思っていた。
この2年ほど、買ったシューズはトレラン用ばかりで、ランニングシューズはみんなソールがすり減って、ミッドソールもかなりへたった状態になっている。
ジョグ用には古くなったトレランシューズを払い下げしたりしていたけれど、そろそろ1足新調しなければと感じていた。
いつも通りにネットでいろいろ探してみたけれど惹かれるものに出会えなかったので、今日は久しぶりにショップへ行ってみようと思って、京都の Step へ行ってみた。
期待通り、いいのがありました!!。
久しぶりの New Balance。
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定価 1,1000 円(税別)が 4,990 円(税別)。いつも通りレディスの 25cm でジャストフィット。
ルンルン気分で新京極を歩いてから帰りました。

南葛城山

このところ白馬や UTMF などで不完全燃焼が続いていて、そろそろ気分をすっきりさせたいと思っていた。
三連休の3日目は好天に恵まれそうで、これはやるしかない。
しかし UTMF などで結構散財しているので、近場の日帰りで満足できそうなコースを探した。
そこで設定したのが紀泉高原。ダイトレはもう卒業したので、その南側の未踏のエリア。
紀見峠をスタートして岩湧山への道を上がって、少しだけダイトレを行ってそこから南葛城山へ。蔵王峠を経て和泉葛城山。そしてさらに西へ向かって犬鳴山温泉を越えて JR 阪和線の山中渓までという 45km 超のコースを設定したのだが・・・。

今回の最大の不安要素ははたしてちゃんとルート通りに行けるかということだった。
地図を見ても細かい道がたくさんあって、おそらく現地に行けばさらに細かい道が入り組んでいることが予想される。
ダイトレのようなメインストリートなら道標もしっかりしているし、トレースもはっきりしているけれど、そういうコースから少し離れた場所では訳のわからない道がいっぱいあって、道標もあまり無いということが多い。
アルプスのような高山であればそういう道はあまり無いけれど、里山で、特に植林ですでに人があまり入っていないような場所はどれが登山道でどれが山仕事の道だったのかなかなかわからない。
おまけにこのコースは山が深くて、途中でリタイアするにしても電車の駅までは非常に遠く、バスも日に数本というコミュニティバスのような路線ばかりだ。
しかし日帰りエリアですっきりしたロングルートで残っているのはこれくらいしか思いつかない。
ということで、暗い中を始発電車で出かけて、紀見峠駅を7時前にスタートした。
駅の改札を出たら岩湧山への道標があって、まずはほっとした。道標に従って線路を渡って北へ向かう。
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しかしこの後すぐに道標の無い十字路に出た。山へ入って行く登り坂を行ってみたが、どうも違うようで、引き返してさらに北に向かった。
ほどなく案内板が出てきて、しばらく舗装道路を進む。
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傾斜は緩く、スロージョグで上がれるくらい。しばらく行くと右に岩湧山という道標が現れた。
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しかしここは gps に入れてきたルートとは違う。地図を見てみると、予定のルートの手前に岩湧山への稜線に上がる道があるようで、おそらくこれだろう思った。
予定のルートを目指して舗装道路をさらに進む。しかしこの分岐を過ぎると道が荒れてきた。
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分岐があったが道なりに進んだ。
ようやく登山道に入るが、かなり不明瞭だ。
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少し登ると古い道標が現れて、「三石山」と書かれていた。あわてて gps で確認すると、ルートを大きくはずれて南へ向かっていた。
さっそく大きくロスト。
舗装道路を下って、先ほどあった分岐の方へ入ってみた。どうもこれが正しいルートだったようだ。
しかしここも少し行ったら沢の合流点で行き止まり。右の沢を少し登ってみたがどう考えても道ではない。
強引に真っ直ぐ行ったら道を補修したような痕跡があって、やはりここかと安心したのもつかの間。すぐに道は消えて、深いヤブに行く手を阻まれた。
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ルートには乗っているようだが、いくら何でもこれでは進めない。戻るしかない。
敗北感が襲ってきた。しかしまだ8時半。とにかくさっきの岩湧山への道を行こうと思った。
分岐まではほんの数分だった。
登りに入るとダイトレ名物の木道が登場した。
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しかしリズミカルに登れるので、少し気分が回復してきた。
分岐から 20 分少々で稜線に出た。
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この稜線はあまり傾斜がきつくないので、だいたい走れる。気分が乗ってきた。
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稜線に出てから 20 分ほどでまた舗装道路に出た。ここは以前のかすかな記憶がある。
舗装道路をどちらに進んだらいいのかちょっと迷って、少し下ってから登り返して南葛城山への分岐の道標に出会った。
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ここからしばらく舗装道路を行く。このあたりもだいたい走れる。快調だ。
しばらく行ってトレイルに入る。このあたりは極上トレイル。
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ルンルン気分で一本杉に到着。
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このあたりからヤブが深くなってきたが、南葛城山の山頂(922m)に 10 時 10 分に到着した。
本当はここで軽く給食したかったけれど、一人いた登山者がタバコを吸っていたので、写真を1枚撮っただけで早々に退散した。
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山頂エリアはヤブが深かった。
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しばらく順調に下ったけれど、次第にルートが不明瞭になってきた。道はあるけれど、結構分岐があって、道標がまったく無い。
行っては戻るというようなことを何度か繰り返して、gps とにらめっこしながら下ったが、しばらく下った道が次第にルートからはずれてきて、カーブしてとんでもない方向に向き出した。
しかし手前に不明瞭な分岐は記憶がなかったので、もう登り返す気力は無かった。
地図を見るとさらに下るとまた舗装道路のような道があって、そこを辿ると蔵王峠へ行けるので、その道に出ることを期待して先へ進んだ。
少し下でバイクのエンジン音を聞こえて、細い舗装道路に出ると建物が現れた。
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紀ノ川が望める。対岸は九度山あたりだろうか。
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細い舗装道路を西に向かって進んだが、また突然道が途切れた。少し戻ってみたが行けそうな分岐は見あたらない。しかし gps で見ると行き止まりから本来のルートまでは距離的にはわずかだ。
行き止まりの先はそれほど深いヤブではなかったので、ここを適当に進めば本来のルートに出会えると思った。
目論見通り、不明瞭だが道に出会うことができた。古い道標。
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ほどなく葛城蔵王権現社。時間が無いので素通り。
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蔵王峠に着いたのは 11 時 35 分だった。
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ここは車道で車が通るので、もう少し落ち着ける場所で給食にしようと思って、この標識のそばのトレイルを西に向かった。
もっとしっかりした道を期待していたのだが、どうもほとんど人が通っていない感じ。蜘蛛の巣がいっぱいある。
gps のルートには沿っているようだが、どうも様子がおかしい。
さらに進むと本来のルートからどんどんはずれてきた。またロストだ!!。
さすがにもう気力が萎えた。とにかく蔵王峠に戻る。そして正しい道を見つけて、そこでおにぎり休憩にした。
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もう 12 時近いので、予定のルートを行くのはまったく不可能だ。犬鳴山温泉まで行ければバスの本数もありそうだが、おそらく遅くなって、最悪バスの時間に間に合わないということにもなりかねない。
北側はどこも山が深くて、バス便は極めて不便で本数も少ない。それにこういうバスは高い。
登山地図も持ってきたので大エリアで見てみたら、南の和歌山側へ下ると和歌山線の駅に出られそうだ。ずっと車道を下ることになるけれど、走ればゆっくりでも1時間少々くらいで着けそうだ。
下山するには時間は早いけれど、これ以上先に進むのは時間的に危ないので、今日はここから車道を下ることにした。
紀ノ川の眺めはきれいだった。
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和歌山線の妙寺駅には1時 15 分くらいに到着した。電車まで 30 分ほどあるので、きれいなトイレでゆっくり着替えをした。
ビールの自動販売機が無いかと探してみたが見あたらず。コンビニも無い。
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乗り換えの橋本駅の売店でようやくビールにありついて、ゆっくり帰ってきた。
走行約 29.5km だった。

山田池4時間走

今日はクラブ恒例の山田池4時間走大会。
例年この時期に行われるイベントで、山田池を最大4時間、自分の好きなペースで好きなだけ走るというもの。
補給の飲み物とパン、バナナなどの軽食が用意される。
昨年のこの時期は椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症で、走るどころか歩くことさえままならなくて、薬の効果もまったく無く、ひょっとしたらこのまま治らないのではないかと本気で心配していた。
手術に踏み切るにはいくばくかの思い切りが必要だったけれど、結果的には早めに手術を受けたおかげでまたこの4時間走を迎えることができたのだと思う。
以前は「4時間でフルマラソンの距離を走る」ということを目標にして、普段は走って往復する山田池の練習会もこの時だけは自転車で往復して、4時間走だけに集中して走った。
しかし今日は特にこれと言った目標は設定せずに、走り出してからの気分で走れるだけ走ろうという気持ちだった。
と言うことで、家から走って出かけた。
今日は準備運動もアップも無く、9時にスタートする。
キロ6分より遅いくらいの大集団ができたので、流れに乗ってそこに入ることにした。UTMF のことなどをしゃべりながらのんびり走った。
1周 2.5km くらいの周回コースを行く。4周ほど行った頃から給水などで少しずつばらけてきて、いつの間にか単独走になった。
今日は天気予報では昼頃から雨模様とのことだったが、晴れたり曇ったりと不安定な空模様だ。しかし結構暑い。
UTMF で大量在庫になったジェル(実は昨年の UTMF の余りで、消費期限をかなり過ぎている)を消費したりしながら平均キロ6分くらいのペースで周回を重ねた。
ちょうど 12 時頃になってから空模様があやしくなってきたので、給食のテーブルの始末が始まった。
3時間を過ぎると走っている人も少なくなってきて、閉店ムードが漂ってきた。
私は 12 時半くらいに約 33km、3時間半で終わることにした。
家からの往復を加えると 39km 弱、約4時間という結果だった。
ペースが遅かったせいもあって、距離のわりには疲労感はあまり無かった。

府庁山

今日の登山教室は大阪南部の府庁山。今回も登るのはもちろん、山名を聞くのも初めての山。
昭和の初期に大阪府が植林のために地権者から借り受けたエリアということで、いつのまにかこういう名前で呼ばれるようになったらしい。
ダイトレの縦走路から少し北にはずれた山で、降水確率が高かったせいもあるとおもうけれど、土曜日にも拘わらず他の登山者には一人も出会わなかった。

スタートは南海電車の天見駅。
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ここはダイトレのレースで3回ゴールした場所。確か駅のすぐそばに小さな店があって、缶ビールが安かった記憶があるのだが、見あたらなかった。
最近のレースはゴール地点が紀見峠の方に移ったとかいう話を以前に聞いたような気がする。
今日は時間に余裕があるので、少し歩いた所にある蟹井神社に寄り道する。
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しばらくは車道。
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歩き出して 50 分ほどでようやく登山道に入って、急登をしばらく登るとコンクリートの道路の十字峠に出た。
ここにはタンボ山から道がつながっているらしい。
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しばらくコンクリート道路を歩いて、また登山道へ入る。
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昼前に「府庁山(610m)」という名札のあるピークに着いて、ここで昼食にする。
昼食後はそのまま稜線を北に辿る。少し登るとまた「府庁山 610m」という名札が現れた。
さらにもう少し高いピークがあったけれど、ここには名札は無かった。
少し進むと今日初めて眺望の得られる場所に出た。これは北側。
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もう少し行って田山(541.7m)。ここには三角点があった。
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少し下ってクヌギ峠。
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滑りやすい急坂を慎重に下って、2時 20 分に車道に出た。
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時間つぶしに賽ノ神へ立ち寄る。
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あとは車道をのんびり歩いて千早口駅に3時前に到着した。
こんな機会でも無ければ訪れることはなかったような山で、みなさんとおしゃべりしながら楽しい時間を過ごすことができた。

UTMF の累積標高差

UTMF 2016 の公式結果が公表された。
距離は 44.8k、累積標高差は 1926m だったそうだ。
距離はまぁいいとして、累積標高差が 1926m ????
登りらしい登りは足和田山とパノラマ台のそれぞれ 500m くらいで、あとはほとんどちょっとした登り下りくらいしか無かった。
どういう計測をしたらこんな値になるのだろうか。
いくら細かいアップダウンを正確に計測したとしても、体感的にはせいぜい 1300m くらいだと思う。
今回に限らないけれど、トレイルレースで公表されている累積標高差はとても信じられないような値が多いと感じる。
UTMF のサイトではポイント対象レースの距離と累積標高差が公表されているけれど、私が走った経験のあるレースで言えば、おんたけウルトラトレイル 100k は 3000m となっているけれど、実際は 2000m ちょっとくらいだと思う。
さらに驚きは王滝ダートマラソンの 2840m。体感的には 1000m ちょっとくらいだ。
おんたけウルトラトレイルと王滝ダートマラソンはどちらも王滝村の林道を走る似たようなコースで、距離が倍以上違うのに(王滝ダートマラソンは公表 42km、実際は 40km ちょっと)、累積標高差が 160m しか違わないなんてあり得ない。
ハセツネは 4800m となっているけれど、もう 20 年くらい前のことなので記憶が薄れている。ただ、そんなにはないんじゃないかという感じはする。
海外のレースはどうなんだろうか。
トップ選手のタイムと距離、累積標高差を比較すると、海外のレースも同じようなものではないかという気はする。
コースの性格を比較する材料として公表されているのだが、みんな不正確なら相対的には比較できるということ?

UTMF 2016 エピローグ

ゴールした直後、不安だった右足の股関節に痛みを覚えた。
レース中は何ともなかったけれど、やはり負担にはなっていたようだ。もし 100 マイルだったら途中で痛みが出ただろうと思う。
一息ついて、コーラを一杯いただいた。
それから富士宮焼きそば、めはり寿司、野菜スープをいただいた。富士宮焼きそばは麺にコシがあっておいしかった。昨年の大会でフランスの Arnaud Lejeune がおはしを使わずにパックに口を突っ込んでいたやつだ。

大池公園に戻るバスの状況が心配だったので、早々にバス乗り場に向かった。
途中でトイレに寄ったが、よく考えたら8時間半のレース中、一度もトイレに行かなかった。50 歳を過ぎてからは3時間半のマラソンでも一度はトイレに立ち寄っていたのに、ひょっとしたら水分補給が不足していたのかも知れない。
急なコース変更にも拘わらず、バスの運行は極めてスムーズで、少し並んだだけですぐにバスが来て、すぐに満員になって出発した。
大池公園までは1時間足らずだっただろうか。
バスを降りたら急に寒気が襲ってきた。たぶん体調の変化ではなくて気温が下がっていたのだと思う。
チップを返すテントに向かって行ったところ、今回は距離が短縮されたが記録としては完走ということになるので、フィニッシャーズベストがもらえるらしい。ただしすでに在庫切れで、後日郵送してくれるとのこと。
素直にうれしいけれど、事情を知っている人に外で見られるのはちょっと恥ずかしい。
預けていた荷物を受け取って、更衣テントに入った。少し暖かくてほっとした。
身体を拭く使い捨てアルコールタオルを忘れてきてしまったのだが、このすぐ近くにあるホテルの風呂が選手用に 24 時間営業しているとのことで、荷物をまとめただけで早々にそこへ向かった。
会場からほんの3分程度の場所で、やはり泥だらけの選手でごった返している。しかし贅沢は言えない。
シューズと靴下は悲惨な状態だった。シューズを脱いだり靴下を脱いだりするたびに、ドロがあたりにパラパラと落ちる。みんなそうなので、床はすでに泥だらけ。
ようやく裸になって浴室に入ろうとしたら、何か中が騒然としている。どうも中で倒れた人がいるようで、「救急車を呼んで!」という声が聞こえてくる。
中に入ったら横たわって介抱されている人がいたが、今度も横目で見るだけで何もしなかった。すでに何人かで対応しているので、そんなところに割り込んだら余計ごちゃごちゃするだけだ。
湯船に身体を沈めたらようやく全身に安堵感が漂ってきた。
さっぱりしてロビーに出たが、まだ午前2時。しかしロビーは大混雑で、しかも至る所にドロが落ちているので、こんな所には長居したくない。身体も暖まったので、早々に駅に向かうことにした。
駅のそばのコンビニで煮込みうどんとビールを買って、駅前のバス停のベンチで一人宴会にした。
印刷してきたバスの時刻表によると、一番のバスは7時過ぎ。時間はいやほどあるけれど、さすがにうろうろする気にはならない。
ところがバス停で本当の時刻表を見たら、何と7時の便は無くなっていて、一番は9時過ぎになっている。UTMF が短縮になった時以上のショックだったが、どうしようもない。
音楽を聴いたり、コンビニでコーヒーを買って飲んだりしながら時間をつぶして、ようやく7時近くになった。
東京方面へ向かう高速バスは5時台から何便かあるのに、西の方向は迫害されていると恨み節の一つも言いたくなる。
そうこうしていたら、7時頃に御殿場行きのバスがやってきた。
新富士へ行くことしか考えていなかったけれど、来る前に経路を調べた時に、御殿場経由の経路があったことを思い出した。
御殿場行きのバスは出てしまったけれど、携帯で御殿場経由を調べてみると、JR は新富士経由よりも少し高いけれど、バス代がだいぶ安くなるので、トータルではほとんど同額くらいだった。
しかし御殿場行きのバスはちょうど出たばかり。がっかりしたが、念のためにと思って御殿場行きの時刻表を見たところ、何と7時半に次の便があるではないか。しかも1日に4便しかない新富士行きと違って、1時間に1本くらいはある。
急に気分が良くなって、7時半のバスで河口湖を後にした。
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ひょっとしたら河口湖に来るのはこれが最後になるかも知れないと思ったが、後ろ髪を引かれるような気持ちにはまったくならなかった。

UTMF 2016 レース

いよいよスタート時刻が迫ってきた。
今回のウエアは昨夜の寒さを考えて上は登山の時に着る夏用長袖ジップシャツとメッシュの袖無しアンダー。下は七分丈のタイツにカーフサポーター、薄いミトンにもなる指無し手袋。シューズはもちろん HOKA Rapa Nui 2s で、泥よけのゲイターを着用した。

※バッテリー切れで尻切れトンボ。
10 秒前からカウントダウンが始まって、午後3時ちょうどにスタートの号砲が鳴った。
スタートゲートが狭いので、号砲直後は通勤ラッシュの電車以上の混雑。押し合いへし合い状態でゲートを通過したのはほぼ1分後だった。
ゲートを越えたすぐの所に鏑木さんがおられて、さかんにハイタッチされていた。
三浦雄一郎さんの姿は確認できなかった。
会場を出るとすぐに湖岸の遊歩道に出る。このあたりから少し走れるようになってきたが、幅が狭くなるとすぐに渋滞する。
そこそこスムーズに走れるようになったのはスタートして5分後くらいからだっただろうか。
しばらくはフラットな遊歩道なのでそれなりのスピードで進む。と言ってもせいぜいキロ5分半くらい。聞くところによるとこのあたりはトップ集団は 100 マイルの時でもキロ3分半くらいで行くらしい。
当初は今回は時計は GPS 機能を使わないつもりでいた。早々にバッテリー切れになるのは明らかで、そういうことに気を取られるのがわずらわしいので、単に時計として使うだけのつもりでいたが、49km に短縮されたので、GPS 機能を使うことにした。ただしゴールまではバッテリーが持たなさそうだ。
スタートして約 4.2km、27 分くらい経過した時に、例の渋滞箇所に到着した。
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道路を渡るまでは結局 15 分くらいだった。しかし道路を渡った直後にトレイルに入って、ここがすぐにシングルトラックになるので、ここでも同じように渋滞していた。ここにはシンガーソングドクターでランナーの福田六花さんがおられた(写真右端にチラッと)。
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結局、そこそこまともに進めるようになるまでトータルで 30 分くらいかかったように思う。
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まずは最初のピークの足和田山(1355m)を目指す。河口湖畔が 800m 以上あるので、標高差で 500m くらいだ。
足元は濡れているけれど、登りなのでほとんど気にならない。
しばらく登ったところで何人かの人が立ち止まっていたので何かあったのかと思ったら、思いがけず富士山を眺めることができた。
KC3Y0005.jpg
足和田山のピークを4時 53 分に通過した。
下りは難渋した。とにかく滑りやすく、粘土の中に足を突っ込んでいる感じ。ゴボウ抜かれした。
転倒されたのか、道ばたで介抱されている女性がいたが、横目で見て通り過ぎた。どうせ止まっても何もできない。
鳴沢氷穴のウォーターエイド W1(13km)には5時 29 分に到着。しかし本当に水しかなかったので、歩きながらジェルを補給しただけでスルーした。そろそろ薄暗くなってきた。
薄暗い中、青木ヶ原樹海を行く。一人なら不気味かも知れないが、前後にランナーがたくさんいるし、単にフラットなハイキング道を走っているというだけ。
樹海を出るとしばらくはバスの走る車道(歩道あり)を行く。やや下り基調で、ペースはキロ6分を少し切るくらい。
しばらく行ってトレイルに入る所でヘッドランプを出した。
ここから精進湖民宿村エイド A1(20km)まではわずかで、6時 21 分に到着した。大会が想定する最も遅い人が4時間という所まで3時間 21 分だった。おおむね期待通りのペース。
エイドでは精進湖すい豚とバナナ、パンをいただいて、5分で出た。
しばらくフラットなトレイルを行く。走りやすい道なのに、何故か歩いている人がちらほらと出てきた。「まさかラン禁止区間?」と思ってしまったけれど、案内にはそういう記載は無かったはずだ。
そんなところを 30 分ほど進んだら、パノラマ台への登りにさしかかった。ここにはサックスでロッキーのテーマを吹いている人がいた。少なくとも私の耳に入る範囲では、まったく休むことなく吹き続けていた。つづら折れを登ってもいつまでも耳に入ってくるので、いささか耳障りだった。
パノラマ台は 1328m で、麓からの標高差は 400m 少々。上位の選手ならおそらく走って登っているであろうと思われる程度の傾斜だが、立ち止まって横に避ける人がちらほらと出てくる。
パノラマ台までは 45 分くらいだった。このあたりから時々雨脚が強くなってきた。
ここからは少し下って、その後は登ったり下ったりを繰り返す。雨脚が強くなってきたので雨具の上を着て、帽子をかぶった。
下りは泥沼状態の部分が多いので、慎重に下る。こんな所で転けてどろどろになったら精神的にがっくりきてしまう。
かなり後方にいるせいもあるのだが、この路面の荒れ方は相当なものだ。天候が回復してハイキングに来られた方はびっくりされるのではないだろうか。「トレランレースは環境破壊」と言う声をしばしば聞くけれど、確かにその通りだと思う。自分でやっていてこんなことを言うのも何だけれど・・・。
佛峠を越えて最後の下りはかなり悲惨な状態だったが、何とか転倒せずに本栖湖エイド A2(32km)に9時 19 分に到着した。大会想定の最も遅い人が7時間 30 分という所まで6時間 19 分だった。
ここでは水を補給して、ゆば丼とみのぶまんじゅう、バナナ、コーラをいただいた。
ここの掲示板に希望者は翌日の STY に出場可能と書かれていたが、私はそういうつもりはまったく無し。ただしスタート地点のこどもの国までは自力で移動すること。ただ、それならなぜスタート時に案内しなかったのかという疑問は感じた。
※その後、短縮 UTMF に完走した人だけが権利があるというアナウンスがされた。案内が後手後手に回っている感じは否めない。短縮 UTMF を走らずに STY で優勝されるとまずいということだろうけど。
それとフィニッシュ地点を道の駅あさぎりに変更するという案内も出ていた。麓エイドのさらに手前だ。
もうあとはロードだけだろうと思いながら、8分の滞在でエイドを出た。外は本降りになっていた。
雨の夜はヘッドランプの光が乱反射して非常に見えにくい。特に舗装道路では路面の雨の反射もあってさらに見にくい。
この道路は所々小さな窪みがあるようで、一瞬くぼみに足を取られてバランスを崩した。雨水が溜まっているのでわかりにくい。
これは足元を注意していないと危ないと思って慎重に走っていたところ、少し前を行く人が突然バランスを崩してへたりこんだ。おそらく例のくぼみに足を取られたのだろう。女性だったが、今度もそのまま通り過ぎた。
A2 からは 12km くらいとのことだったので、ロードなら1時間半くらいだろうかと思って走っていたら、またトレイルに入った。車道のすぐ脇のハイキングロードのようだ。
しかしこのトレイルが足元ぐちゃぐちゃで、ほとんど走れない。すぐそばを走る車の音が聞こえる場所で、これくらいなら車道を走らせてくれた方がいいのにと思うくらいだった。
また車道に戻ってしばらく行くと、「あと 3km」と案内している方がおられた。やれやれと思ったと同時に、最後までしっかり走ろうという気持ちになった。
そこから 1km くらい進んだかなと思う頃、車道を離れて横道に入らされた。路面の荒れた細い林道のような道で、さらに進むとトレイルになって、しかもスネまで水につかるほどの水たまりをバシャバシャと通過するはめになった。
ところが、どういう訳か前からランナーが戻ってくるではないか。
何事かととまどっていたら、どうもロストしているようだとのこと。しかしマーキングは付いている。
直前にコース変更になったので、マーキングが正しく設置されていないのではないかとのことで、あっと言う間に 100 人くらいの集団ができてしまった。
取りあえず引き返すが、その後も後ろからどんどんランナーがやってくる。
そのうち誰かが事務局に電話で確認されたようで、実は最初に走っていたルートをそのまま進むのが正しいということがわかって、またまた元に戻ることになった。このあたり、同じ道を行ったり来たり3回も走ることになった。
スネまでの水たまりを3回目通過して、さらに先に進む。
少し前まで張ってきた気持ちが一度切れてしまったけれど、何とか最後はしっかりと締めようと気持ちを立て直した。
このあたりは牧場なのか、動物の臭いがする。
後から考えると、「あと 3km」と言われた方は、正式なコースを知らずにそのまま車道を進んだ距離で案内されたのではないかと思う。
緩い登りを少し上がって、車道を渡った所がフィニッシュの道の駅だった。
ゴールゲートの先では福田六花さんが迎えて下さった。
こういうことをやるのはこれが最後かなと思いながら、いつもの自分のセレモニーとして、大会関係者の皆さまへの感謝の気持ちを込めて、ゴールゲートに向けておじぎをした。
タイムは8時間 31 分 42 秒。完走者全 1342 人中 1083 番だった。ちなみに優勝タイムは男子がアメリカの Dylan Bowman で 3 時間 46 分 37 秒、女子がブラジルの Fernanda Maciel の 4 時間 51 分 03 秒(総合 31 位)だった。