白山 転法輪の窟敗退

今月(8月)中旬はずっと天気が悪くて、山へ出かける気分ではなかった。

そうこうするうちにコロナ感染も一段と悪化してきて緊急事態宣言地域も広がる一方で、不用意な遠出は憚られる状態にもなってきているが、ようやく天候が回復してきて、そろそろストレスも満杯。

来週はまた天候が不安定とも伝えられているので、このチャンスを逃してはならないと思って、白山に向かうことにした。まだまだ残暑が厳しいので近場の低山に向かう気にはなれない。

白山最高峰の御前峰のそばに「転法輪の窟(てんぽうりんのいわや)」と呼ばれる窟があるということを知ったのはわりと最近のことで、たまたま図書館で借りた修験道の本に記載されていた。

登山地図の拡大図には記載されているが道は無いとのことで、いくつかの情報を検索してみたが確かに踏み跡すらない模様。しかも結構危ない斜面を経由していかなければならないようだ。

白山を開山した泰澄(たいちょう)がここで修行をしたと伝えられている。もう 1300 年以上前のことだ。写真で見ると大峰の「笙の窟」くらいの大きさがありそう。

これはぜひ訪れてみなければということで、ここ数年恒例となっている白山詣でに出かけることにした。

週末は別当出合まで車で入れないので平日に出かけることにした。いずれにしてもこの時期の週末の白山は大混雑する。

8/26(木)の午後に家を出た。福井に入ったあたりから雨が降り出して、一時は本降りになった。ちょっと不安になったが、天気予報では明日は晴れることになっている。

別当出合に着いた時は雨はほぼ止んでいた。平日だが駐車場には車がいっぱい。やはりこの時期の白山は人が多い。

車中泊の準備を整えて夕食の準備に入ったところ、何とコンロを間違って持ってきていたことが発覚!! 先月の北海道行きに購入したカセットコンロ用のものを持ってきたつもりが登山用の方を持ってきてしまっていた。外箱の形状がほぼ同じなのだが北海道から帰ったあとに片付けておいたものをそのまま確認せずに持ってきたのが間違いだった。

一瞬青ざめたが、冷静に考えたら今日は火を通さなくても食べられる惣菜や寿司などばかりで、朝食もパンとジュースにしている。胸をなでおろした。白山では以前、朝にコンロが使えなくてカップ麺が食べられなかったことがある。

朝のコーヒーが飲めなかったのがちょっと残念だが、4時 45 分、まだ暗い中をヘッドランプで出発した。

休憩舎ではすでに多くの人が準備をしていた。

いよいよ山道へ。今日は久しぶりに吊り橋を渡って砂防新道へ行く。

出発して 30 分くらいでほぼ明るくなって、まずは中飯場に到着。ここも休憩している人がたくさんいた。

休憩場所で人が多いわりには登山道ではあまり人と出会わない。おかげで自分のペースでじっくり歩ける。

サラシナショウマ。

やはり出てきました。

シモツケソウ。

出発して1時間半少々で甚之助避難小屋に到着した。休憩している人はわずかだった。

ノリウツギ。

右奥に別山。

トリカブトの群生。

昨日の雨のせいで登山道も所々水が流れているのだが、なぜか延命水は枯渇している。

きっと人が多いだろうと思っていたのだが、甚之助避難小屋を越えてからはまったく人に出会わずに黒ボコ岩まで来た。

弥陀ヶ原もまるでオフシーズンのよう。

このあと下山者に少し出会ったが、7時 36 分、出発して2時間 50 分ほどで室堂に到着した。

誰もいないベンチに腰を下ろしてジェルを補給した。

ようやくスタート地点についた感じ。

イワギキョウ。

ハクサンフウロ。

高天ヶ原。

御前峰の手前で登山道をそれる。

適当に進んでみたが、ハイマツ帯が多くてなかなかすんなりと進めない。

ちょっとした目印のように思える小石が積まれているものがあったりして、そのあたりの斜面を下ってみた。

かなり際どい下りだが、いよいよ行き詰まってしまった。

この下あたりにあると思われるが、ここは下れない。危なすぎる。もっと手前から回り込むルートがあるのかも知れないが、このあたりは横はハイマツに覆われていてちょっと入る気にならない。

時間はあるので戻ってルートを探してみようかと思ったが、登り返すのも結構苦労した。もういいかなという感じ。あきらめの良さには自信がある。

このまま上に上がれそうだったので直接ピークに向かう。

ちょうど奥社の裏側に飛び出した。

8時 45 分、御前峰(2702.1m)に到着した。

翠ヶ池と大汝峰(真ん中)。

槍穂高連峰と乗鞍岳(右)。

もっと人が多いだろうと思っていたのに予想外に人が少なかったので、山頂で腰をおろしてバナナ風味饅頭で休憩した。御前峰で一人でこんなにのんびりするのは初めてのことだと思う。

さて、このあとどうする? すんなり引き返すのはあまりにももったいないし物足りない。しかしまた白山三峰では芸が無い。

そこで、このあたりの登山道ではまだ歩いたことのない、アルプス展望台を経て南竜へ行く道を行って、それから砂防新道に戻ることにしようと思った。

室堂からラジオ体操の音楽が流れてきた。9時に流しているようだが、ちょっと遅すぎるんじゃないですか?

室堂に向けて下りていくと登ってくる登山者とたくさんすれ違った。そして室堂の手前で平瀬へ向かう道へと別れた。

お花畑にはハクサンフウロが咲き乱れていた。

イブキトラノオ。

まだ少し雪が残っている。

ナナカマド。

平瀬への道を見送って南竜へ向かう。

「展望歩道」とうたっているのに視界は無し。

アルプス展望台ではアルプスが望めたけれど、御前峰で眺めてきたばかりなので感動はない。

それよりもこの白水湖の眺めの方が美しかった。

ミヤマキンバイ(ミヤマダイコンソウ?)。

10時42分、南竜山荘まで下りてきた。ここは以前に随行で来た時に泊まった。

ここのそばのベンチに腰掛けて惣菜パンを食べた。

アキノキリンソウ。

足下に甚之助避難小屋が見える。

あとは淡々とノンストップで吊り橋まで下りてきた。

白山の神様のおかげで無事に下りてくることができました。

12時50分、駐車場に戻ってきた。

白峰総湯は平日のせいかガラ空きだった。

帰ってから調べたところ、転法輪の窟へのルートはペンキのマークがあるという情報があった。さほど古い情報ではないのでしっかり探せば見つかるかも知れないが、再挑戦するかどうかはちょっと微妙。その気になれば行くし、これで最後になるかも知れない。

藻岩山、そして大阪へ

今日(7/29)はいよいよ最終日。今日までの2週間、まさかの雨天ゼロだった。そのかわりにニュースでも伝えられているように、北海道も異例の高気温の日が続いた。

すっきりと晴れたのは利尻山へ登った日だけで、あとはほとんど曇り時々晴れという天候で、遠方が望めた日はまったく無かった。おそらく気温が高かったせいだろう。利尻山へ登った日も稚内などは見えなかった。

朝食はホテルで軽いバイキングのサービスがあったのでそれをいただいた。

7時半頃にチェックアウトを済ませて駅に向かって歩いた。

今日も曇り。藻岩山は雲がかかっている。

札幌駅でコインロッカーに大ザックを預けて、まずは地下鉄で真駒内駅まで。

バスを 30 分ほど待ってから 20 分少々乗って、北の沢会館前で降りた。途中、少し小雨が降っていたが、降りた時にはやんでいた。

しばらく車道を山の方に向かってゆるく登っていく。山は見えない。

歩き出して20分ほどで北の沢ルートの登山口に着いた。

ようやく山道に入れた。25分ほどで馬の背。このあたりからチラホラと登山者とすれ違うようになった。

この先、こんなお地蔵さんがいくつも出てきた。

登山者の多いルートだそうだが意外と歩きにくい。

10時20分、歩き出して1時間10分で山頂の展望台に出た。

展望台のそばに三角点(531m)。礼文岳よりも高い。

今日も展望はまったく無し。

急いで下っても仕方がないので展望台の中の休憩室でゆっくりすることにした。ちょうど札幌や藻岩山の歴史を紹介するビデオを上映していた。

50分ほどのんびりしていたら、いつの間にやら霧が晴れていた。

外に出たら札幌市街が広がっていた。

下山はスキー場コースへ。

少し下ったら藻岩山神社があった。

この神社に祀られているのは「スキー守護神」だそうで、それは明治時代に日本にスキーを伝えたオーストリア軍人のレルヒ少佐、そして札幌オリンピック当時に IOC の会長だったブランデージ氏を祀っているとか。

このあたりはスキー場のコース。

上から 50 分ほどで車道まで下りてきた。

車道を 20 分ほど歩いてバス停に到着した。札幌駅行きのバスはたくさんあって、ほんの数分の待ち時間で乗ることができた。

最後にラーメンを食べて帰りたいと思って札幌駅のそばの店を物色してみたけれど、今一つ惹かれる店が見当たらず、実のところまだあまりお腹が空いていなかったので、新千歳空港へ行ってしまうことにした。

新千歳空港は思いのほか立派な空港だった。行きの到着時はすでに夕刻で、早くホテルに入らなければと思っていて、速攻で電車に乗ったために空港の店などは目に触れることもなく通過してしまったが、多くの店が閉まっていた関空よりもはるかに賑わっている。

ラーメン街があって 10 店くらいの店がかたまっていて、どこにするか迷ったが、若干ビールが安めだった店でチャーシュー麺をいただいた。おいしかったです。

デザートは別の店でソフトクリーム。

そして5時半くらいの飛行機で関空に戻ってきた。帰りの便もほぼ満席だった。

帰りは南海の特急を奮発して、10時頃には家に帰り着くことができた。午前中に藻岩山に登って夜の 10 時には枚方の家に帰れるなんて、藻岩山日帰りも不可能ではないんじゃないかと思えるくらいだ。

ただ、片道ほぼ1日かけてフェリーで行った前回に比べると、利尻や礼文、宗谷岬まで行ったわりには遠出をしたという感覚は少なめだった。2回目というせいもあるだろうけれど。

前回、フェリーで苫小牧に向かっている時、陸地が近いのかスマホの電波がつながる時があった。時刻から考えるとおそらく津軽海峡を通過しているのだろうと思った。この時、何とも言えないワクワク感が心の底に湧いてきたのだが、今回はフェリーで利尻島へ向かっている時もそれほどの感慨は感じられなかった。ただ、島に近づいて上部に雲のかかった利尻山が見えた時はさすがに心ときめくものがあったけれど。

今年二度目で人生でも二度目の北海道。山らしい山は利尻山だけだったけれど、その唯一の目的が唯一の快晴の日に実現できたのは本当に運が良かった。

全般的に天候は今ひとつだったけれど、雨の日が無かったというのも幸運だった。おかげで停滞日が無く、事前に予定していたすべての行先をやり遂げることができて、おまけに温泉まで楽しむことができた。

おそらく次は冬になるだろう。今度は今年よりは早い時期にしてパウダーを味わいたいと思うが、そのかわり激寒になるので車中泊は相当厳しいだろう。

パウダー用のファットスキーも買ったし、中綿入りのアウターウエアも安くなったタイミングで購入したので、今から冬の到来を心待ちにしている。

礼文岳、そして稚内へ

今日(7/24)は礼文島最終日。最後に残った礼文岳へ向かう。

まずは先日と同じバスに乗るために6時半頃に車道に出た。礼文島へ来て初めて利尻山がうっすらと見えた。

10分ほどで登山口の内路(ないろ)に着いた。登山口はバス停の真ん前にある。10時55分のバスまでに戻ってこなければならない。

最初は急坂だったがほどなくなだらかな歩きやすい路になった。

1時間ほど登ったら山頂手前のジャンクションピークが見えた。このあたりから天気が悪くなってきた。

一旦少し下ってから最後の登りになるが、このあたりから風が強くなって小雨まじりになってきた。

8時 23 分、出発して1時間半弱で山頂(489.8m)に到着した。

利尻山の時とはうってかわって展望はまったく無し。

山頂にあったちょっとした岩の上に立ってみたが、風で飛ばされそうになった。

バスの時刻には十分余裕があるが、この天気では長居は無用。写真を撮ったら早々に下る。

下りてきたらすっかり晴れ渡っていた。ただし利尻山はほとんど見えない。

往復3時間足らずだった。バスの時刻までは1時間以上あるので歩いてもキャンプ場に戻れるくらいの距離だし、一昔前なら軽くジョグで戻った程度だが、この道は歩道がほとんど無くて、さらに大型ダンプが行き交うことがわかっていたので、バスを待つことにした。

一旦キャンプ場に戻って荷物をまとめて、3泊過ごしたキャンプ場を後にした。

そして午後2時20分のフェリーで稚内に向かった。礼文島に4日滞在したが、ただの一度も店で食事を取ることがなかった。ウニ丼やイクラ丼を4〜5千円も出して食べたいとは思わない。

晴れてはいるが、礼文岳の上の方はやはり曇がかかっている。

フェリーの反対側には絶景が広がっていた。今回の旅でのベストショット。

この景色から目を離すことができず、利尻山が小さくなるまで甲板でずっと見続けていた。

2時間足らずで稚内に戻ってきた。

利尻島と礼文島ではずっとテント泊だったが、これから先はすべてホテルや旅館を予約している。帰る前日の札幌のホテル以外はすべてここ2〜3日で予約したもの。天気まかせの旅なのであらかじめ宿を予約しておくことはできない。

稚内のホテルは稚内駅と南稚内駅の間くらいにあって、フェリーターミナルからだと直接向かうのが都合がいいのだが、明日はレンタサイクルで宗谷岬へ行こうと思っているので、稚内駅の観光協会に寄って情報収集した。予約はできないとのことで、朝は9時半からとのこと。ちょっと遅いな。

まずはホテルでチェックイン。

バストイレ付きの和室だが、温泉の大浴場がある。クーラーが快適だ。

観光協会の方のお話しでは稚内駅周辺よりも南稚内駅周辺の方が賑わっているとのことで、夕食は南稚内駅の方に向かった。

礼文島ではずっとセイコーマートの惣菜とおにぎりやパンばかりだったので、今日はプチ贅沢したい。

15分ほど歩いて南稚内駅の前。

賑わっているとは言っても稚内なので、店が軒を連ねているわけではない。

ネットでいくつか調べておいたうちの一軒が駅から近かったのでのれんをくぐってみた。メニューは出ていないけれどだいたいの情報は得ている。

まだ6時前だが満席に近かった。カウンターがちょっと空いていたのでそこに座ることができた。

まずはビール。そしてさしみの盛り合わせ。

さしみの盛り合わせは新鮮で、ボリュームもたっぷりでおいしかった。

あたたかいものも食べたいので、肉じゃが。これもボリュームたぷりで、冷酒によく合う。

メニューでは魚料理など食べたいものはいっぱいあったけれど、もはやお腹いっぱいに近い。

シメに海鮮雑炊をたのんだところ、これもお茶碗三杯たっぷりあって、いささか食べ過ぎという感じになった。

メニューの値段表から見ると5千円くらいにはなったはずだが、なぜか4千円ちょうどとのこと。ごちそうさまでした!!

ホテルのそばにはセイコーマートがあって、翌日の朝食と行動食を買ってホテルに戻って、大浴場の温泉でゆっくりした。

礼文滝から桃岩展望台コース

今日(7/23)は昨日の8時間コースからつなげて礼文島の南端まで歩く。

今日も早く目覚めてしまったので6時ちょうどにキャンプ場を出発した。連休のせいかテントが増えて、私が着いた日は木のテラスしか張られていなかったが、いつの間にやら芝生エリアにもたくさん張られていた。

昨日、林道に合流した場所まで戻って、さらに林道を南へ進む。昨日は1台車に出会った。

1時間少々で礼文滝への分岐に到着した。そばに軽自動車が1台停まっていた。

しばらくなだらかな斜面を下ると次第に急になって、沢沿いに出た。ここからは何度も沢を渡る。

張られたロープに助けられながら沢筋を下ると、滝の落口に近づいてきた。

右岸の急斜面を下って海辺に下りたった。

振り返ると礼文滝。わざわざ来るほどの値打ちがあるのかどうかはちょっと微妙。来たからこそ言える言葉ではあるのだけれど。

1時間半ほどで礼文滝を往復して、林道をさらに進む。原生林の原状回復のための植樹がなされている。

礼文滝への分岐から 20 分ほどでレブンウスユキソウ群生地に着いた。

写真ではもっと大きい花かと思っていたけれど、以外と小さな花でした。直径 2cm くらいかな。

はっきりと書かれていなければ気づかずに通り過ぎてしまいそう。

時間があるのでこのそばで腰を下ろしておにぎり休憩にした。

このあともしばらく未舗装の林道を下り気味に進むが、軽装で上がってくる観光客風情の人たちと次々とすれ違った。

20分ほど下ると車道に出て、その先に大きな駐車場があった。観光バスが停まっていて、このバスの観光客が上がってきたのではないかと思った。

私はこの駐車場の手前の標識で展望台の方に向かったのだが、どうも駐車場の向こうにハイキング道があるもよう。歩いている人がたくさんいる。

車道を数分登るとハイキング道に合流して、桃岩の展望台に上がった。

桃岩ってこれのこと?

ここは観光客がいっぱいで、この先の桃岩展望台コースもハイカーにたくさん出会った。こんなところでマスクをつけるはめになるとは・・・。

桃岩展望台から 50 分ほどで元地(もとち)灯台まで来た。ここのそばにあった数台のベンチはハイカーで満席になっていた。

今日のハイクも最終盤になってきた。

ウツボグサ?

チシマフウロでしょうか?

いよいよバス停のそばまで下りてきたが、「北のカナリアパーク」へ寄っておく。

11時15分、北のカナリアパークに到着した。ここも観光スポットのようで、店は観光客で混雑していた。

「北のカナリアたち」という映画の舞台になった校舎。私は映画は見ないのでまったく知りません。

ちょうど数少ないバスまで 30 分くらいだったので、校舎の影で小休止してからそばのバス停に行った。しかしこのバス停、時刻表が無い。どういうこと?

一人で待っていたらたまたま通りかかったこのあたりの店の店員さんと思われる女性が、ここはバスは通らないと教えてくれた。バス通りはここから数分下ったところに移っているとのこと。

それならそうとバス停に書いておいてほしい。もしくは撤去しておいてほしい。そんなに大そうなものでもないのだから。何という不親切。この女性に出会わなかったら気がつかないところだった。

バスの時刻の数分前にバス停に着いた。何人かがすでにバスを待っていた。

バスは 10 分ほどでフェリーターミナルに到着した。

温泉へ行って、休憩エリアでビールを飲んで、バスの時間を見計ってセイコーマートに向けて歩いた。

セイコーマートで夕食と翌日の食料を買い出しして、店の前でバスを待とうとしたところ、どうも同じような感じの一人の女性がおられた。

一声かけたところ、やはりキャンプ場にテントを張っておられて、今日はほぼ私と同じ行程で、ここまで歩いてきてあとはバスで戻るつもりとのこと。

予定通りのバスでキャンプ場のそばまで戻ったが、よくこんな道を大きな荷物で歩いたなと我ながら感心した。もう二度とできない(やらない)と思う。

明日は礼文島最終日。午前中に礼文岳を登って、午後のフェリーで稚内に戻るつもりだ。

岬めぐりから8時間コース

登山地図によると8時間コースへ行く人は大半が北端のスコトン岬を出発地点にしているらしい。ちょうどバスがここまで来ている。

距離的には 20km 以上のロングコースだが、標高差がそれほどではないのでおそらく大丈夫だろう。

7/22、朝一番のバスで終点のスコトン岬へ向かうことにした。

キャンプ場から数分のバス道に出る。礼文島のバスは停留所はあるけれど基本的にどこでも乗り降り可能になっている。バス停は少し離れているので車道に出たところでバスを待つことにする。

ずっと海岸沿いに走るが利尻島は見えない。

30分ほど走るとスコトン岬の半島が見えてきた。

7時半ちょっと前に終点のスコトン岬に到着した。

まずは岬の最先端へ。「最北限」となっているけれど日本の最北限は宗谷岬。とは言ってもこの時点では私が訪れた最北限になる。

利尻島も暑かったが、ここも暑いとまでは言えないにしても涼しくはない。こんなものなの?

岬の先端まで行ってから南へ向かう。しばらく車道。

カワラナデシコ。このあとも礼文島では至るところに咲いていた。

車道を登って、トド島展望台。左前方の島がスコトン岬の向こうに見えていた海驢(トド)島。

この先で車道から分かれてゴロタ岬への登りに入る。

トレイルを 10 分ほど登ってゴロタ岬へ。

残念ながら展望はあまり無し。

しばらく下ると礼文西漁港(鉄府)が望めた。

エゾカンゾウの生き残り?

鉄府の集落を抜ける。ここは車道が通じているので人に出会った。

集落をはずれるとトレイルの激登りになる。

激登りのあと激下りで、鉄府から 20 分ほどで澄海(すかい)岬に近づいた。ここは観光地のようで観光バスが停まっていた。

観光客が多いのでマスクを着用して岬へ。

駐車場のそばに売店があったので、アイスクリームがあれば食べようと思ったが、売っていたのは焼きウニやホタテなどで、こんな暑い時にそんなもの食べる気にならない。

ここで岬コースから8時間コースに入るのだが、しばらく相前後して歩いていた男性につられて車道を進んだところ、本来のコースをはずれてしまっていた。

しかしここは近年の大雨でトレイルの一部が崩壊して通行止めになっているポイント。ただ、記録をさぐると強行通過している人もいるようだ。

気がついて車道の対岸の斜面を見てみたら山路が見えた。そしてよく見たら件の崩壊箇所も見える。

あの道に入るためには少し戻らなければならないし、それにあの崩壊箇所は結構危なそう。

地図を見るとこのまま車道を進むと本来の8時間コースの道に入れるようで、多少大回りにはなるけれどそれほどのタイムロスではなさそう。こんなところで無用なリスクはおかしたくないので、大回りの安全ルートで行くことにした。

本来の分岐に近づいてきたが、ヘアピンカーブになっているので、分岐の少し手前のヤブに突入してショートカットした。大した距離ではないのだが何となく得したような気分になれる。

10時20分。8時間コースはここから。

チシマフウロですか?

ずぅっとこんな感じ。

10時50分、召国分岐でそばに腰掛けられる木があったのでそこに腰を下ろして惣菜パン休憩にした。

スコトン岬を出発してからずっとこういう景色で歩いてきたのだが突然、樹林帯に突入した。

実は礼文島というのはもともとこういう原生林に覆われていた島だったのだが、明治時代に大きな山火事が幾度もあったり、大規模な伐採が行われたりして、これまで歩いてきたササ原のような景観になってしまったらしい。

このあたりは昔の植生が残っているわずかなエリアとのこと。

何の木なのかは私にはわかりません。

水音の聞こえる沢がすぐそばにあって、一部路面がドロ沼状態になっている場所があって、端の方に避けたつもりが足がずぶずぶともぐってしまい、あわてて置いた反対側の足はさらにひどいドロ沼で、シューズは濡れるわ、はねたドロが顔にかかるはでひどい目にあってしまった。

道が荒れていて際どい場所もある。

小さな沢に出会ったのでここで顔と手を洗って、おいしい水をガブ飲みした。

まさかのヤブ漕ぎ。

12時半過ぎ、ようやく海が見えてきた。

この先がこのコース最大の難関箇所で、滑りやすい急な斜面を海辺まで下らなければならない。反対向きに歩いた人の記録ではここが登りで良かったと書かれていた。

斜面の上部に休憩している男性がいたが、挨拶して斜面の下りに突入した。

小石でガラガラの急斜面で、おおむねロープが張られている。それに助けられながら慎重に下る。

10分足らずで何とか無事に下までたどり着いた。写真では大した傾斜には見えないけれど、なかなかの急斜面です。

久しぶりに海沿いを歩く。

ほっとしたのも束の間で、今度は大きな石がゴロゴロの超歩きにくい海岸線を行かなければならない。昨年の前常念岳からの下りを彷彿させる。

決まった道などないので適当に歩きやすそうなところを見定めて進んで行く。

まぁでも 20 分くらいで宇遠内(うえんない)の漁港まで辿り着いた。

地図によると集落に売店があると書いてあるが、そんなもの見当たらない。トイレはあったけれど。

漁港と言っても車道は通じていないので、ここの住居で漁業を行う人たちはそもそも船でやってくるのではないだろうか。

さて、8時間コースも最終盤にさしかかってきた。あとはキャンプ場に向けて山路を進むだけ。道のそばにあった板に腰を下ろしておにぎり休憩にした。ちょうどその前を単独行の男性が二人通り過ぎて行った。

ここから林道出会いまではどちら向きもコースタイムが同じなので、平らな道をのんびり行けるのかと思っていたら、地図を正確に見ると結構な峠を越えなければならなかった。標高差にして 180m くらい登らなければならない。

先ほど前を通り過ぎた二人の男性はあっさりと追い抜いてしまった。

おにぎり休憩後に出発してから 40 分ほどで林道に合流した。

そして林道を 10 分ほどで舗装道路に出た。キャンプ場まではあとわずか。

午後2時半、キャンプ場に戻ってきた。

キャンプ場にはママチャリの自転車が2台あって、温泉とコンビニ目的に限って無料で借りることができる。つまり早い者勝ちで、夕食を食べに行くということには使えない。

まずはテントのそばで残った行動食を食べて一服した。そうこうしていたら隣のテントの若い男性が帰ってきた。さっき終盤で出会った男性だった。

そして自転車を借りてフェリーターミナルへ向かった。行き先はもちろん「うすゆきの湯」。

脱衣場ののれんをくぐったら熱気があふれてきた。ここもクーラーは無し。

休憩室では缶ビールを飲んで一人打ち上げした。

そしてセイコーマートで夕食と翌日の行動食を買って、キャンプ場に戻った。

今日は礼文島の北部のハイキングコースを辿ったので、明日は南部を南端まで行ってみようと思う。

ペシ岬、そして礼文島へ

4泊したキャンプ場を後にして、今日(7/21)は礼文島へ渡る。

フェリーは昼過ぎなので時間はたっぷりある。時間潰しに温泉のすぐそばにある高山植物園に寄ってみる。

こじんまりしたエリアだが手入れはしっかりされている感じ。早朝だが(朝の7時半くらい)二人の男性が作業をされていた。

ただしこういう場所に咲いている花は概して勢いが無くてしょんぼりした感じ。本来の場所ではないところに連れてこられて元気を無くしているのではないかと思ってしまう。

フェリーターミナルのコインロッカーにザックを預けてペシ岬に向かう。

適当に歩いていたら登り口があった。

少し登ったところに会津藩士の墓。

こういう云われだそうです。

ノコギリソウ。

最後の登りは結構急です。

登り口から 10 分少々でてっぺんへ。

フェリーが泊まっている。利尻山がうっすらと。自転車道路の高架橋も見える。

向きを変えると鴛泊灯台。

こちら側をぐるっと廻って車道まで下りた。

WiFi のつながるフェリーターミナルでタブレットを開いたりして時間をつぶして、13時15分のフェリーで利尻島に別れを告げた。

今度のフェリーは椅子が並んでいるタイプだった。

午後2時に礼文島の香深港に到着した。

礼文島でも観光客誘致キャンペーンをやっていて、宿泊施設に泊まると費用の半額、最大5千円まで補助されるというもの。最長3泊まで。

これなら民宿にでも泊まってみたいと思ったが、翌日から四連休というタイミングに当たってしまって、飛び込みで泊まれるような宿はまったく無し。

礼文島は利尻島に比べるとかなり不便で、キャンプ場はフェリーターミナルから 5km くらい離れている。バスは一日数便しかない。

唯一のセイコーマートもフェリーターミナルから 2km くらいの中途半端な場所にある。

それならば自転車を借り切れないかと思ったが、翌日からの連休で予約でいっぱいとのこと。

次のバス便まで1時間以上あるので、覚悟を決めてまずはセイコーマートに向けて歩くことにした。

礼文島は利尻島のように島を一周するような車道は無く、実質的に東海岸を北から南まで走る1本のみ。あとは東西に走る新桃岩トンネルくらい。

重い荷物をかかえてとぼとぼと車道を歩き出したが、驚いたことに大型ダンプがひっきりなしに走り抜ける。

こんなに小さな島で一体何をやっているのだろうか。あきれるくらい何台も次から次に爆走していく。仕事で走っているのだろうが、本当にがっかりした。

30分くらい歩いただろうか、ようやくセイコーマートに到着して、今晩と翌日の食料を調達した。キャンプ場はまだまだ先だが、ここまで来たらもう歩いて行くしかないが、肩甲骨のあたりがとても痛い

歩道の無い道の横を大型ダンプが次々と走り抜けていく。陽がさしていないのがせめてもの救いだ。

周囲の景観にまったく似合わない見内神社。

フェリーターミナルを出てから1時間半くらい歩いただろうか、ようやく緑ヶ丘公園キャンプ場に到着した。

ここはキャンプ場としてはなかなか快適。これなら雨が降っても大丈夫そう。

当初はまずは礼文岳と考えていたが、礼文岳は半日行程なので、最後に登ってからその日に稚内へ戻るという行程にしようと思い直して、明日は8時間コースへ行くことにする。

ポン山、姫沼

利尻山と利尻島一周サイクリングで結構疲れたので、今日(7/20)はポン山と姫沼のハイキングに行くことにする。

夜は暗くなったらやることも無くシュラフに入ってしまうので、朝は早くに目が覚める。

朝食をとって、7時 25 分にテントを出発した。今日も曇り空。

利尻山へ登った時と同じ道をしばらく行く。この標識は先日は気がつかなかった。唸るほどの急坂ではないけれど。

利尻山への道を見送って、今日はポン山へ向かう。

ノリウツギ。

まずは大ポン山へ。

8時28分、出発してほぼ1時間でポン山(444m)に到着した。

残念ながら展望はほとんど無し。

引き返して小ポン山に向かう。分岐から先はちょっとしたコルがあって、ぐっと下ってまた登る。

ポン山から 20 分足らずで小ポン山へ。ここは標識も何も無し。展望も無く、朽ちたベンチがあるのみ。

引き返して姫沼に向かう。チシマアザミ?

歩く人は少ない感じで、沢を横切る部分は荒れているところもある。

携帯トイレブースの扉が開いていた。

下り基調で、いささか歩きにくい道がしばらく続く。この道は戻りたくない気分。

小ポン山から1時間 25 分くらいで樹の間から姫沼が見えてきた。

周遊路に出たのでひとまわりしてみる。

山田池よりは小さいと思う。

駐車場のある正面の少し手前にベンチがあったので、ここで腰を下ろしておにぎり休憩にした。

正面には数人程度の観光客がいた。

そばにちょっとした店があったので入ってみたが、売っているのは絵葉書などの写真ばかりで、小さなクーラーボックスでペットボトルの飲み物が少しあるのみ。

当初は往路を戻ることを考えていたが、あの道はあまり歩きたくない。登り基調になるし、とても快適な山路とは言えない。

昨日走った自転車道路がわりと近くを走っていることを思い出して、その道で帰ることにした。

駐車場を後にしてしばらく車道を行く。

車道を 10 分ほどで自転車道路まで来た。

自転車道路と言っても昨日は1台も出会わなかったし、今日も誰にも遭わない。

昨日、自転車で渡った橋を今日は反対方向に歩いて渡る。

鴛泊のフェリーターミナル。

ポン山はどうにか見えているが、小ポン山は上部は雲の中。

自転車道路を1時間足らず歩いて、キャンプ場下の昨日スタートした場所に戻ってきた。

のんびり歩いたつもりだったが、12時前にテントに戻ってきてしまった。

温泉に入って、コインランドリーで洗濯して、のんびりとフェリーターミナルに向かう。

途中、利尻山神社に立ち寄る。

北海道では神道や仏教の文化は薄いように感じる。もともと長い間アイヌ文化の土地だったので、中央の人間が本格的に進出(侵略?)したのはおおむね明治以降だろう。こういう神社を見ても何か若干の違和感を感じる。偏見だろうか?

夕食はフェリーターミナルの前の店でホッケ焼き定食を食べた。非常に大きくて食べ応えがあって満足した。

明日は礼文島へ渡る。

利尻山

私は気に入った山に出会うと季節やルートを変えて何度も行きたいという指向で、ピークハントのようなことにはあまり興味が無い。百名山にはまったく興味が無いし、いくつ登ったのかも知らない。

新しい山に出会う機会はたまたま美しい写真を見たり、誰かの記録で興味を持ったりということが多い。

利尻山はもう何十年も前に写真で出会った。海から突き上げる美しい山容に強く魅せられたのを今も覚えている。

しかしその頃の感覚では北海道すら最果ての地で、ましてや利尻島など私にとっては現実的ではなかった。

今年になってようやく北海道山スキーデビューを果たして、無雪期にもう一度北海道へと思って、まずは利尻山へ行かなければならないという義務感のようなものが湧いた。

そしてついにその日がやってきた。今日は7月18日の日曜日。

夜はほとんど寝られず、4時に起床した。幸い、強風は収まっていた。

いつも通りのカップ麺、おにぎり、コーヒーで朝食をとって、5時前にテントを出た。利尻山は山頂までしっかり見えている。

しばらく車道をゆるく登ってから山道に入る。

あまり歩かれていない感じ。

5時38分、上のキャンプ場からの道に合流した。ここが3合目。キャンプ場まで車で来て、ここから登りだす人が大半である。甘露泉水はどこにあるのかわからなかった。

快晴の日曜日なのに登山者にぜんぜん出会わなくてラッキーと思っていたが、4合目のあたりからどんどん出会うようになってきた。

5合目や展望台は人だらけで黙々と通過するのみ。標高 1700m を超える山だというのに5合目の標高はわずか 610m。

体調は悪くない。5月末の腰痛が長引いて、本格的な登山は4月末の針ノ木岳以来で、不安は少なくなかった。

塩飴をなめながらノンストップでひたすら登る。ようやく調子が出てきた感じ。

前方が開けて長官山が見えた。

鴛泊のあたりを見下ろす。

セイヨウノコギリソウ。

たまにある展望場所は人がたくさんいるので、写真を撮るだけで通過する。

7時半に長官山(1218.7m)に到着した。

ここから若干のアップダウン。アキノキリンソウ。

長官山から 10 分ほどで避難小屋まで来た。小屋の前のベンチで休んでいる人たちが何人かいた。

ようやく山頂が近づいてきた感じがする。

イブキトラノオ。

ヤマブキショウマ。

8時1分、9合目までたどり着いたが、標高差でまだあと 300m ある。

利尻山は眺めればわかる通り、上に行くにしたがって傾斜が急になってくる。そして火山なので足元も富士山のような溶岩の固まった石がゴロゴロ出てくる。

沓形ルートとの合流地点。

道が崩れやすいせいだろう、いろいろと補強されている。

イワギキョウ。

ローソク岩。

あと一息。

8時 36 分、念願の利尻山の山頂(1719m)に到着した。9合目を過ぎてからは下山者と一人すれ違っただけで誰も見かけなかったので、山頂は一人きりかと思っていたら、ちょうど下山しようとされている人に山頂で出会って、お互いに写真を撮りあった。

鴛泊方面。

礼文島は雲に隠れていた。

さて、ここまで来たら真の最高峰の南峰へ行かなければならない。しかしながらロープが張られていて通行禁止になっている。

幸い山頂には他に誰もいない。行くしかないだろう。

崩れやすい斜面を少し下って、小ピークに行く。前のピークが南峰だろう。

しかしこの先がガケになっている。横の斜面をトラバースできないかと廻りこんでみたが崩れやすい急斜面で、とても行く気になれない。それにその先も踏み跡は無さそう。

元々崩れやすい地質と、もう何年も通行禁止になっているので、かつては行けたという道が消滅してしまったのだろう。諦めるしかない。

山頂に戻ったら何人かの登山者がやってきた。入れ替わりに私は下山する。

9合目の平らな場所で今日初めて腰を下ろしておにぎり休憩にした。

さらに下って行ったら礼文島が見えた。

あとはひたすら下るだけ。登山道には何箇所かこういうトイレブースが設置されていて、携帯トイレを持参してここで用を足すように指示されている。

下るに従って暑くなってきた。とても利尻山の気温とは思えない。

甘露泉水は上のキャンプ場への道を少し入ったところにあった。

岩の間から流れ出していた。駐車場から近いせいか、何人もの人がやってきていた。

この水で顔を洗って、ガブ飲みして、そばにあった東屋でしばし休憩した。私がテントを張ったキャンプ場は標高 50m なので、山頂までは標高差 1660m。さすがに疲れた。

キャンプ場に戻ってきたのは 12 時 18 分だった。案の定、テントはサウナ状態になっていた。

一息ついたら管理棟へ行ってテント泊の申し込みをしようとしたところ、受け付けは午後2時からとのこと。ここでペットボトルのコーラを 150 円で売っていたので、これをもらってきた。本当においしかった。

さて、キャンプ場の向かいにある利尻富士温泉に行こう。

露天も水風呂もあってたったの 500 円。ただし水風呂は強烈に冷たくて、とても浸かっていられなかった。

このあたりの土地柄なのだろうか、脱衣場も休憩室もクーラーが入っていないのでせっかく温泉に入ったのに汗がしたたってくる。

しばし休憩してフェリーターミナルの方へ向かう。あの頂まで行ったのだと思うとえも言えぬ感慨が湧いてくる。

まずはフェリーターミナルの観光案内所でプレミアムチケットを購入する。これはちょうど私が利尻島へ着いた直前から始まったもので、観光客限定で 500 円券が7枚セットになったチケットが 2500 円で買える。最大 10 セットまでだが購入できるのは1回のみ。追加購入はできない。利用できる場所を確認して4セット買った。

明日は自転車で利尻島を一周しようと思うので、レンタサイクルの店に行ってみる。予約はできないとのことで、開店の8時に行くことにする。

まだ5時前だがこのあたりの店は閉まるのが早いので、夕食を食べておくことにする。フェリーターミナルの向かいにチケットの使える店が2軒ある。

海鮮ラーメンが食べたかったのだが、いずれの店もすでに売り切れとのこと。ウニやイクラはにぎりなら食べるけど、丼で大量に食べたいとは思わない。以前に食べた時に途中でうんざりしてきた印象がある。

まさか利尻島まで来てカレーや焼肉定食を食べたいとは思わないので、もはや選択肢が無いのでホタテ丼にビールということにした。おいしかったがもう十分という感じ。食べたいものが食べられなかった失望感の方が若干強かった。

セイコーマートに寄って翌日の行動食を買ってキャンプ場に戻ったところ、何とすぐそばにテントが張られている。こんなに広いスペースがあって、空いている場所もたくさんあるのに何故わざわざこんなそばに張るのだろうか。しかも二人連れ。

一人ならまだしも二人だと間違い無く話し声が聞こえてくる。とても我慢できないと思ったので、離れた場所の空きスペースに引っ越した。せっかく張ったテントを撤収して張り直すのは面倒だが、気持ちよく夜を過ごすためには致し方ない。

利尻山は長年の夢で、今回の遠征はほぼそのために計画したものだった。天候を見計らって実行日を決めようと思っていたのだが、思いがけず初日に絶好のコンディションで登頂することができた。不安だった体調も結果的には問題無かった。

これでもう今回の目的は8割がた達成したようなもので、おかげでこの後は余裕をもって行動できるようになった。

あまりにもスムーズにいって、多少拍子抜けのような気持ちも無いわけではないが、明日は自転車で利尻島を一周してみようと思う。

シビレ山、丹生山

7/11(日)は講座で神戸市のシビレ山、丹生(たんじょう)山へ行ってきた。いずれも名前を聞くのも初めての山。雨を覚悟して行ったが終日晴れで蒸し暑かった。

*電池切れで途中まで。一部欠落。

神戸電鉄の箕谷駅に集合して、バスで衝原(つくはら)へ。

つくはら湖の湖岸沿いをしばらく歩く。

小一時間歩いて登山道に入る。

しばらく沢沿いの道。何度も流れを渡りながら進む。

20 分ほどで無名の三角点(235.6m)。

運動公園が見える。

意外と厳しい登りが続いた。

まだ先が長いのでちょっとした分岐のスペースで昼食をとって、午後1時前にシビレ山(465m)に到着した。

さらに東の丹生山に向かうが、途中で朝日山(512.7m)に立ち寄る。真ん中奥の山は淡路島。

午後2時前に丹生山(515m)に到着した。山頂には丹生神社の本殿がある。

山頂エリアから鈴蘭台方面。後ろの山並は六甲山系。

その後、衝原より少し東の方に下りてきた。

丹生神社前のバス停からバスで箕谷駅に戻って解散した。予想外の暑い一日だった。

先週の講座のあとは夕方のジョグを続けてきたので、体調はおおむねいつも通りだった。

2年ほど前から登山講座は8月はお休みということになっているので次回は9月になる。

雲母坂

7/7(水)は京都一周トレイルの講座で比叡山の雲母坂を登ってきた。

朝から本降りの雨。こんな日に山なんて行きたくないが、講座は原則雨天決行なので行かざるを得ない。

ドタキャンの連絡も立て続けに入って、集合地の修学院駅に来られたのは二人の女性だけだった。

気温は高めだったが雨が本降りだったので雨具を上下羽織って歩き出した。

まずは鷺森神社にお参り。

曼殊院に向かって歩いていると薬草の香りがしてきた。

雨が少し弱まってきたので雨具の上着を脱いだ。

音羽川はこの通りの濁流。この川は昔はよく氾濫したらしい。

いよいよ雲母坂へ。

雲母坂は序盤は結構登りがきつい。今日は歩き始めからどうも調子が良くなかったのだが、山道の登りになったら心拍数が一気に上がってきた。

そのうちに慣れてきて治まるのではないかと思ったが、期待に反して体調は悪化するばかりで、休憩してもすぐには回復してくれない。

この仕事を始めて以来、最大のピンチ!!。何とか歩き続けるのが精一杯で、息が上がっているのを気づかれないように少し離れて行く。と言うか、付いて行くのもムリな状態。

雲母坂に入って 40 分くらいでようやく水飲対陣の碑が見えた。

ここでもしばらく休憩したが、相変わらず心拍数は高いまま。

いつもの昼食場所の浄刹結界の石碑に着いた時は胸を撫で下ろした。

ひょっとしたら食事が喉を通らないのではないかと恐れたが、いつものおにぎり、カップラーメン、コーヒーのフルコースを胃袋に収めることができた。

幸い昼食後はほぼいつもの体調に回復した。

いつも展望を楽しむ場所も今日はガスのみ。

千種忠顕の碑。

ケーブル比叡駅そばの展望場所も今日は何も見えず、午後1時 20 分にゴールした。

これまではいつも山道で八瀬駅まで下りていたのだが、さすがにこの天気と体調ではヤブの中を歩いて下りる気にはなれず、ケーブルで下山した。

5月末に腰を痛めてからずっと運動不足状態が続いている。6月末にジョギングを再開してみたが、3日ほどで腰の調子が悪くなったので、それ以降は控えていた。

今月にはまた北海道遠征を予定しているので、腰痛がそれまで長引くとまずいと思ってジョグを控えていたのだが、今度は逆に運動不足が顕著に出てきてしまった。ジョグを控えている時も夕方に小一時間の散歩はやっていたが、これでは運動不足解消にはならないようだ。

さじ加減が難しいところだが、北海道遠征まであと1週間。ダメージを残さない程度の運動はしておかないと北海道で満足に歩けなくなってしまいそう。