私は元々山ヤで、体力不足を補うために始めたランニングがいつのまにかメインになってしまったというタイプだ。しかし山も辞めてしまったわけではなく、満足のいく走りができなくなって一時期レースから離れていた時は、また山がメインの生活に戻っていた。その頃一番好きだったのは山スキーだ。
その山スキーもここ3年ほどはすっかりご無沙汰になってしまっているが、その頃情報収集のためにいくつかのホームページを参考にさせてもらっていたが、山スキーから離れた今も毎日更新を楽しみにしているページがある。
ここの主は金沢のお医者さんで、山スキーの世界では知らない人はいないカリスマスキーヤーである。
いつものように今朝、ここを訪ねてみると、思いもよらない情報に出くわした。何と、高山市の産科クリニックで院長を務めながら、少ない休みを有効に使って通な山スキーを続けてこられたベテラン山スキーヤーが昨日亡くなったと知って、驚愕した。
非常に慎重な方で、雪崩等の危険に対する察知力も素晴らしく(おそらく)、山で事故に遭いそうな気配はまったく感じられなかっただけに、改めて自然の恐ろしさを再認識させられた。
私自身もかつては岩登りや冬山を楽しんできたが、今思うのは『死ななくてよかった』ということである。
親しい友人を山で失ったことはないが、面識のある程度の人なら5人以上は山で亡くなっている。
かつてはそういう危険が一種の魅力でもあり、リスクの無い行為には満足感が得られなかったが、今はそういう気持ちはほとんど無くなった(まったく無くなった訳ではないが・・・)。
知人で山で亡くなった人も、どちらかと言うとベテランが多い。山ではどれだけ経験を積んでも安全が保証される訳ではないし、むしろ経験を積めば積むほど困難なルートに行く機会が増えて、それだけリスクも高まるということになる。
しかしこのドクターは一般路(積雪期なので夏山のような一般路ではないが)で落石に遭遇ということで、何とも残念としか言いようが無い。非常にテクニカルなルートでの滑落などであれば気持ち的にはもう少し救われるような気もするのだが。
ご冥福をお祈りいたします。