『火の鳥』

私は基本的に、フィクションには興味が無い。映画(ドキュメントは除く)やドラマはまったく見ないし、小説も読まない。現実こそがいちばんドラマチックだと思っている。
先日もふとしたきっかけで村上春樹の本を何冊か読んだが、いずれもエッセイのようなもので、結局小説を読むまでには至らなかった。
ところが今、マンガを読んでいる!! それもかなりワクワクしながら・・・。
手塚治虫の『火の鳥』である。
私はちょうど『鉄腕アトム』世代だ。小学生の頃がちょうどブームの最中だった。当然のことながら、アトムのマンガにはまった。
もう少し大きくなってからは『ブラックジャック』。『アドルフに告ぐ』も印象に残っている。もちろん、『巨人の星』や『あしたのジョー』、『タイガーマスク』などにも熱中したが、手塚治虫は他とはちょっと(と言うか、かなり)違う読後感が残る作品だった。
ただ、それほどの手塚ファンという訳では無かったので、超大作の『火の鳥』を紐解くことは無かった。あまりにもイメージが大きすぎて、とても読み切れないだろうと感じていたのだ。
ひょんなことで手塚作品を非常に高く評価している文章に出会って、それなら一度図書館で借りて読んでみようと思った。ちょうどうまい具合に『火の鳥』はほとんどがすぐに借りられる状態だった。
まだ『黎明編』を読み終えたばかりだが、あまりのスケールの大きさに圧倒されている。何と表現したら良いのか、言葉が見つからないくらいだ。
実は昨年の夏に有馬温泉へ行った帰りに、宝塚で手塚治虫記念館に立ち寄った。そこでは手塚治虫の偉大さを再認識させられたのだが、改めてその作品に触れてみると、子供の頃に感じたのとはまったく異なる世界観が感じられて、そのスケールの大きさにはただただ感服するばかりである。
とにかく感心しているだけでは時間のムダである。ぜひ続きを開いてみたいと思う。