妙高のあたりの山はあまり行ったことがない。写真で見るとなかなか魅力的な山容なのだが、何と言っても関西からは遠い。
唯一、噂をぜひこの目で確かめてみたいと思って十数年前に山スキーで行ったのが乙妻山。その北東には広大な無木立斜面が広がっているということで、遠路遥々単独で行った。
それはそれは素晴らしい世界で、私の山スキー歴の中でも三本の指に入るものだった。
焼山と火打山もいずれも山スキーで、これらは北側の笹倉温泉から登った。火打山からの標高差 2000m の滑降は今も忘れられない。これも三本の指のうちの一つで、残りの一本は白山東面。
ということで、無雪期の歩き登山は一度も経験が無い。
先週末は天気予報もまあまあそこそこという感じだったので、思い切って車中泊3泊で出かけることにした。
9/8(金)の昼頃に家を出た。今は高速の休日割引がコロナの影響で適用中止になっていて、利用できるのは深夜割引しかない。富士山の時はやむなく往復正規料金で走ったが、今回は行きは高速の PA で夜を過ごすことにした。暑い夜で、窓を開けて寝た。
9/9(土)の5時半過ぎに登山口の笹ヶ峰キャンプ場に到着した。あまりの人の多さにびっくりした。
登山口には関所が設けられていて、入山料 500 円が徴収される。まぁこれくらいなら仕方ないかなと思う。
支払うと通行手形をもらえます。
6時10分に関所を出発。しばらく木道が続く。
そうこうするうちに雨が降ってきた。しかし深い樹林帯なので雨粒はあまり落ちてこないので、雨具は着ずに進んだ。この気温だと雨具を着ると中から濡れてしまう。
整備された登山道が小一時間続いて、ようやく登山道らしくなってきた。いつの間にか雨は止んでいた。
次第に急登になってきた。「十二曲り」というポイントだそうで、曲がり角ごとに標識がある。
出発して1時間 40 分ほどで火打山と妙高山への富士見平分岐について、妙高山方面に向かう。こちらの道に入ると誰もいなくなった。
右に三田原山。
さらに進むと素晴らしい草原(湿原?)が広がっていた。
ここは本当に気持ちが良かった。まるで天国にでもいるような感覚だった。
8時 26 分、黒沢池ヒュッテに到着した。
大倉乗越を超えると一気に下る。何ヶ所もロープが出てくる。
いやらしいトラバースも。
左下には長助池。
長助池分岐からは最後の登りになる。なかなかの急登が続く。
登るにつれて下山者とすれ違うようになってきた。
急登を登り切ったところの岩陰に小さな祠。
10 時ちょうどに妙高山の北峰(2445.8m)に到着した。あまりの人の多さにびっくりした。
あちらが南峰(左の方)。三角点は北峰にあるが標高は南峰の方が高い。
南峰へ向かう途中にある日本岩。同名の岩は山上ヶ岳にもあります。
北峰から数分で南峰(2454m)に到着した。到着した途端、山頂におられた女性にシャッターを押して欲しいと頼まれたので押してあげたところ、お返しにということで撮っていただきました。
山頂では遠方は雲がかかって見ることができなかった。
北峰に戻る途中でちょっと横に入って、岩陰で腰を下ろして和菓子を食べた。
下りになると気分的に余裕が出てくる。美しいシラカバ林。
部分的には紅葉も。
大倉乗越に戻ると火打山が見えた。あわよくば火打もという気持ちがあったが、これは遠すぎる。
黒沢池ヒュッテのベンチに腰掛けておにぎり休憩にした。そして高谷池に向かう。正面に黒沢岳。
足元に広大な湿原と黒沢池。妙高山は雲がかかっている。
茶臼山(2171m)は展望のないただのコブだった。
そして高谷池へ。火打へ向かおうという気持ちはまったく無かった。
高谷池ヒュッテ横から下山路に入る。
あとは淡々と下るだけだが、いささか疲れてきた。富士見平分岐でちょっと休憩しようと思ったが、ここには数人が休憩していたので、さらに下って少しスペースのあるところで腰を下ろしてパンを食べた。
十二曲りを過ぎて木道に入って、ようやくあと 1km。笹ヶ峰から火打山まで 1km ごとに標識が置かれている。登山路の距離標識はでたらめなものが多いが、ここの標識はわりと正確な感じがする。
午後3時2分、ようやく登山口まで下りてきた。思った以上に長かった。
片付けをして、「苗名(なえな)の湯」へ。この近くに苗名滝という大きな滝がある。
市街地のスーパーでビールや翌日の食料などの買い出しをして、黒姫山登山口の大橋駐車場に向かった。
ここは十数年前の乙妻山の時に来ていらい。着いた時はすでに暗くなって、1台だけが停まっていた。