津軽へ

私は山に関してはその山名の響きに惹かれることがよくある。ふと地図で変わった山名の山を見つけると、そこへ行ってみたいと思ってしまう。例えば比叡山北方の「宮メズラ山」など。

地域に関しても同様で、「利尻」や「知床」などはまずその地名の響きに惹かれた。

そしてこれもずっと昔から憧れのような気持ちを持っていたのが「津軽」である。

昨年、初めて北海道へ行った時、フェリーが津軽海峡を通過しているとわかった時に何とも言えない本当に遠くに来たという気持ちになった。

このところ Amazon の Kindle で無料で読める古い小説をいろいろと漁っている。作家やタイトルは昔から知っていても、実際には読んだことがないという作品が山ほどあって、タダで読めるのならということで適当に有名どころを乱読していたところ、太宰治にはまってしまった。

太宰治は津軽の出身で、そのものずばりの「津軽」という名作がある。もちろん Kindle で初めて出会ったのだが、これはすばらしい作品だった。

太宰治の作品を読み進めるうちに、ぜひ津軽へ行って太宰治ゆかりの場所を訪ねてみたいという気持ちになった。

どうせ青森まで行くのならついでに恐山にも行ってみたい。テレビなどでは何度も映像は見ているが、ここもぜひ現地へ行ってみたい。

当初は青森まで飛行機で往復して、現地は公共交通機関でと考えていたが、竜飛岬や大間崎まで足を伸ばそうとすると公共交通機関ではあまりにも不便である。今夏の豪雨で電車が不通になっている区間もあるし、太宰治ゆかりの地では藤の滝などバスの無い場所もある。

今回は津軽探訪というアイディアから思い立ったものだが、やはりどこも山に行かずに終わるわけにはいかない。しかしながら4月の東北遠征で主だったところはいくつか行っているので、東北の山ではなかなかうまいコース設定が思い浮かばない。

いろいろとルートを調べていたら大間から函館へのフェリーがあるということを知った。

それなら4月と同様にフェリーで秋田へ行って、まずは津軽探訪。それから下北半島へ。そして大間崎からフェリーで函館に渡って、北海道南部の山をいくつか登るというのが楽しそうだ。函館に近い場所では駒ヶ岳など興味深い山もある。

4月と同様に月曜朝の週1便のフェリーに乗って出かけることにした。

10/16(日)は講座だったが、それほど遅くはならなかったので、気分的には余裕があった。

10/17(月)の早朝に家を出て、8時頃に無事敦賀のフェリーターミナルに到着した。これで一安心。

海は穏やかで、新潟を経由して予定通り翌日朝5時過ぎに秋田に到着した。

二風谷、ウトナイ湖

7/25(月)は実質最終日。今回の旅で初めてのすっきりとした快晴の朝だった。山の上はどうかわからないが。

ホテルの朝食バイキングをしっかり食べて、平取(びらとり)の二風谷へ向かう。今回は最後にここを訪れようというのは最初から決めていた。

伝統的なチセ(小屋)がたくさん並べられている。今もこういう家で生活している人たちはいるのだろうか。

奥に行くとアイヌ文化資料館がある。

1月に行った白老(しらおい)のウポポイに比べるとずっと小規模だが、ウポポイの博物館よりもゆっくりのんびりできた。1時間近くあるDVDをゆっくり見ることができた。

資料館を出てさらに先に行くとにぶたに湖がある。ダム湖だが湖面はほとんど見えない。

二風谷コタンの道路の反対側には萱野茂アイヌ資料館がある。

訪れる人は少なそう。

この建物の向かいに別館があるが、ほぼ物置状態。

そばに金田一京助の歌碑。

金田一京助はアイヌ文化の研究に生涯をささげた。

こんなところに保育所があってびっくりしたが、園児や職員の姿はまったく見られなかった。

午後は初日に夜を過ごしたウトナイ湖の道の駅へ。

展望台の上からの眺め。

そばのコンビニでコーヒーとパンを買って時間潰しして、夕方に苫小牧のスーパー銭湯「なごみの湯」へ行った。ここは1月にも出港前の時間潰しに立ち寄って居心地が良かった。

フェリーは定刻の午後11時半に出航した。帰りも海は穏やかで、ほとんど揺れを感じることなく敦賀に向かった。翌日夕方、能登半島沖のあたりだろうか。

襟裳岬

7/24(日)はこんな機会でもなければ二度と行かないだろうと思って襟裳岬に向かった。

帯広から南に向かって、広尾で太平洋に出る。まずはフンベの滝。北海道はこういう海岸のすぐそばにしばしば滝がある。

少し進んで、太平洋の荒波。

この先でたくさんの車が路上駐車していたが、ウィンドサーファーだった。

さらに進んで、望洋台からの太平洋。

帯広から2時間以上かかってようやく襟裳岬に到着した。日曜日なので観光客で混雑しているのではないかと思ったがそれほどではなかった。

岬の手前に襟裳岬灯台。

「襟裳岬」という標柱は何箇所かある。

突端の先もまだ少し行ける。

ここが普通に行ける最突端。海岸でコンブ漁をされている漁師さんが見えたので海岸まで降りることができるはずだが、一般観光客がそこまで行くのはまずいだろうと思ってやめておいた。

カワラナデシコ。

チシマフウロ(エゾフウロ?)。

ツリガネニンジン。

アカバナエゾノコギリソウ。

ルリトラノオ。

「風の館」という施設に300円払って入った。ちょっとした映像も上映されていて時間潰しにはなった。

ちょうど昼時なので食堂で昼食にした。こういうところの食堂は高くてイマイチという先入観があるのだが、他に選択肢が無い。

海鮮丼のエビがまだ動いていました。

高いわりには内容は今ひとつ。やはり予想通りでした。

次は日高方面に向かって、アポイ岳登山口のジオパークビジターセンターへ。

アポイ岳から下山してきたであろう登山者が数人おられました。

ここで上映されていたビデオを見て、様似(さまに)のエンルム岬展望台へ。

岬の先端には行けなさそう。

様似の集落を見下ろす。アポイ岳など日高の山は見えず。

そして静内(しずない)エクリプスホテルに落ち着いた。

このホテル、8000円で朝夕2食付き。夕食はランチ定食程度のボリュームだがあらかじめわかっていたのであまり空腹ではないようにしておいた。しかも1ドリンクがついていて、グラスビールが飲めた。食事も追加はできる。

朝はバイキングで食べ放題。到着時にはミネラルウォーターのペットボトルをくれて、サービス満点でした。ただしそれなりの質ではありますが。

釧路湿原

今日(7/23)は朝から予報通りの本降りだが、予定通り釧路湿原に向かった。他に行くところもない。

まずは細岡展望台へ向かう。駐車場に車を停めて、雨具の上下を着て出発した。

ほんの少し先にビジターズラウンジという建物があったので中に入ってみる。ストーブが炊かれていた。

ここから数分で細岡展望台。

晴れていればこういう展望。雌阿寒岳雄阿寒岳も見えるらしい。

しかしこの日はこのとおり。

戻るときに別の展望台に寄ってみたがそこからも何も見えず。

釧路湿原を反時計回りにぐるりと一周しようと思っていたので、次は塘路(とろ)湖エコミュージアムセンター「あるこっと」に行った。

こじんまりしたセンターだが Wi-Fi があったので少し時間をつぶした。

塘路湖。

イトウがいるそうです。

次はコッタロ湿原展望台へ行こうと思ったが道の入り口がよくわからなくて2回も通り過ぎて、ようやく入ったら何と通行止め。ナビでぐるっと遠回りの経路が出るのでひょっとしたらと思っていたが、細岡のビジターセンターにはそういう表記はまったく無かったので行けるのかと思った。そうならそうと表記しておいてほしい。

もう昼近いのでぐるっと廻るのも大変なので、戻って釧路湿原展望台に向かうことにした。

夏休みの土曜日だがさすがにこの天気では観光客はまばら。雨具を上下着て車を出た。

上の階に上がるのは有料で、今日は天候のせいで展望は得られないと注意書きがあったが、480円払って展望台に上がった。

先の細岡展望台の方がまだマシだった。

散策路があるのでそちらへ行ってみることにした。一部は車椅子でも通れるような道になっているそうだが、そうでない方からぐるっと回ろうと思った。

が、少し進むと水溜りの道。おまけに展望も無く、戻って木道の方に行くことにした。

車椅子でも通れると書かれているがわりと傾斜があって、手動の車椅子で一人ではムリだと思う。

木道の終点のサテライト展望台。

上に上がっても何も見えず。

しかしこの散策路、湿原の散策路なのに湿原はどこにも見えない樹林帯ばかり。どういうコンセプトなのか理解に苦しむ。昨日の知床五湖や昨年のサロベツ原野などはその地域の特徴が味わえるような散策路になっていたのだが。

レストランがあったがホテルの朝食バイキングで朝にたっぷり食べたので、昼抜きで今宵のホテルのある帯広に向かった。

ホテルに着いた時には雨はほぼ止んでいた。

✳︎写真は翌朝

夜は安い居酒屋へ行った。ビール、日本酒ありの飲み放題90分が900円くらいだったので、少々飲み過ぎてしまった。

阿寒湖へ

7/17(日)は雨の中を阿寒湖へ向かう。夜の間の雨はそれほど強くは降らなかったが、次第に本降りになってきた。時間は有り余るほどあるので途中に道の駅があるたびに時間潰しをして、それでも10時前には阿寒湖に着いた。

阿寒湖にはアイヌコタンというアイヌ文化を集約した一角があるということを直前に知ったので、そこの駐車スペースに車を停めた。幸いなことにフリーWi-fi サービスがあって、外は雨が強いのでしばらく車の中で時間をつぶした。

ずっと車の中にいるのもそれはそれで苦痛なので、傘をさして外をぶらついてみる。

あまりにも観光色が強すぎて店に入ってみようという気になれない。

アイヌシアターがあって、劇のようなものを演じているようだが、なかなかのいい値段(2000円くらい?)で、ここも入る気にはならない。公演は午後なのだが。

阿寒湖の方に向かう。

ここがマリモで有名な阿寒湖。

今日はまともな昼食を食べようと思って、食事のできる店をいくつか探してみたのだが、どういうわけかこの界隈の店はどこも店頭のメニューに値段が書かれていない。

カムイコタンの一角にも3件ほど食事のできる店があるのだが、そこもそうだった。

結局、カムイコタンの一角にある店で行者ニンニクのたっぷり入ったラーメンを食べた。1300円なり。あとで知ったことだがアイヌは行者ニンニクをよく食べるらしいが、ラーメンはアイヌの伝統食ではないだろうと思う。

3時頃まで何とか時間をつぶして、少し離れた旅館の温泉に行った。

古い旅館で、温泉は地元の人御用達という感じの風呂だった。

その後、20分ほど走ったところにある道の駅「あいおい」に向かった。

クマヤキとやらが名物らしい。たい焼きのクマバージョンか。

仙台

4/27(水)は午後のフェリーで帰路につくので午前中は仙台観光で時間をつぶす。

いつものことながら普通の観光で時間をつぶすのは苦手だ。はっきり言って観光地にはまったく興味が無い。本気で調べようという気持ちも湧いてこない。

仙台と言えば青葉城くらいしか頭に浮かばないので、ひとまずそちらに向かうことにする。

ホテルの朝食バイキングは1000円もするので近くの定食屋で安い納豆定食で済ませて、仙台城跡へ向かう。3月の地震の影響で道路は迂回路になっているとか。東北大学のキャンパス内を通っていくが、随所で道が混んでいる。

駐車場は有料で1時間500円。入り口で「伊達政宗像は地震の損傷で見られませんが、それでもいいですか?」という問い合わせ。「いいです」と返事して中に入る。

仙台市街地を見下ろす。

伊達政宗像。

そばには土井晩翠の碑。

駐車場の前には護国神社。

そばの土産物店でおみやげを買ったらもうやること無し。入場料を払ってまで資料館に入ろうとは思わない。

1時間を超えないようにして次の行き先を探した。ここならもう少し時間がつぶせるかもと思ったのが太白山自然観察の森。駐車場は無料とのことなのでそちらに向かう。

駐車場に車を置いて散策路をぶらぶら。

小さな展示施設があったが5分ほどでおしまい。

フェリーターミナルまではそこそこ時間がかかるので、早めに行ってしまうことにした。

苫小牧を出て仙台を経由して名古屋に向かうという便。あの吉田拓郎の「落陽」で「♫苫小牧発、仙台行きフェリー」と歌われているフェリーだ(作詞岡本おさみ)。

仙台から名古屋までなのに舞鶴や敦賀から北海道まで以上に時間がかかる。約22時間の船旅。

運賃は早割が買えたので安めだったが、船内のWiFiは有料で、レストランも高い。しかし他に選択肢が無いので乗らざるを得ない。

幸い、船室は空いていたので静かにのんびり過ごせた。

予定通り翌日10時半頃に名古屋に到着して、高速を走って昼過ぎには帰宅することができた。

洞爺湖から室蘭、登別へ

1/31(月)は観光のみで、洞爺湖から室蘭を経由して登別温泉に向かう。

ホテルの窓越しに洞爺湖。対岸の山は貫気別山(ぬっきべつやま)? ガラス越しなので変な点が写っている。

このホテルの露天風呂は洞爺湖に面しているということが朝になってわかった。料理は今ひとつだったが風呂は良かった。

ホテルを出てまずは昭和新山へ。

こちらは有珠山。冬なので閑散としている。

そしてこんな時でもなければ行かないであろう室蘭観光へ。ただし市街地ではなく測量山(199.4m)へ。時間があるので歩いて登ろうかと思ったが、冬でも車で上がれるとわかったので山頂直下まで車道で上がった。まともな雪道だったので履いてきたスノーブーツでは無理だったと思う。

そばの塔に行ってみる。

この塔からの360度の眺め。

お次は地球岬へ向かうが、その手前でチャラツナイ展望台に立ち寄る。

展望台からの眺め。右の山は駒ヶ岳?

そして地球岬へ。

展望台へ向かう。

足元に灯台。

測量山が見える。

ハイキングコースがあると紹介されていたが、さすがにこの時期は雪に埋れていた。

まだ昼すぎだが今宵の宿の登別温泉に向かう。登別温泉はぜひ泊まりたいと思っていたので出発前に予約しておいたのだが、北海道到着後に蔓延防止措置が適用されてしまって、予約していたホテルは休業することになってしまった。ということで代替のホテルを探してくれて、その「ゆもと登別」というホテルに向かった。

午後2時頃に着いたので車だけ預かってもらって登別観光に出かけた。人通りはまばらだがコロナ前がどんな様子だったのかはわからない。

10分ほど歩いて地獄谷へ。

なかなか迫力のある景観。立山の地獄谷もこんな感じだったような。

散策路があって、鉄泉池はこんなところ。80度あるそうだがあまり湧き出ているようには見えない。

ホテルの温泉はお湯は良かったが露天は小さくて眺めもまったく無く、風呂の造りは洞爺湖の方がずっと良かった。料理はこちらの方が良かったです。

苫小牧へ

1/29(土)は倶知安を発って苫小牧へ向かう。

昨夕から雪がどんどん降って、朝はこの通り。

脱出するのに一苦労した。

できれば羊蹄山をちょっと登ってから支笏湖へ向かいたかったのだが、この積雪ではとても山に向かう気になれない。

倶知安から離れるにつれて降雪は弱まってきた。11時過ぎに支笏湖に着いて、駐車場に車を停めて翌日行く予定の芦別岳の登山口の偵察に行った。

駐車スペースはさほど大きくはなく、それなりの数の登山者があるようだった。

観光エリアに戻って湖畔に出る。

後ろの山は風不死岳(ふっぷしだけ)。

WiFiの使えるビジターセンターで時間潰しをしてから苫小牧のビジネスホテルに向かった。

夕食は今回の旅で初めて店に行く。しかし少し前にコロナの感染拡大で北海道に蔓延防止重点措置が発出されて、おかげで多くの店が閉まっている。スマホで営業しているのを確認して出かけた店も閉まっていたりして、氷点下数度くらいの寒さの中で店を探すのは大変だったが、ようやく空いている店を発見。

店の前に出ていたメニューではまぁまぁ並の値段だったので入ったが、料理の質はまったくダメだった。これまでに北海道で入った居酒屋の中では最低だった。

風呂も久しぶりにホテルの狭いユニットバスで、いろんな面で不満足な一日だった。

別府大分観光

別府へ来たのは 1992 年 2 月の別府大分毎日マラソン(別大マラソン)以来なので 29 年ぶりということになる。別大マラソンは私の人生で最も大きなイベントだったので、たまにはノスタルジーに浸ってみたいと思った。

泊まったホテルは別府タワーの近くで、ちょうど別府駅から海に向かった道の海岸のそばにあった。

浜辺には的ヶ浜公園という公園がある。

初めて別大マラソンに参加した 1988 年は別府のホテルに泊まったので、散歩に出てこの公園を散策した。

その時たまたまこの公園に「別大マラソンの森」という一画があるのを発見した。それは歴代優勝者の出身(所属)県の県木が毎年植樹されていた。

当然、毎年増えていくし、年数が経てば木も育って大きくなっていくので、はたして今はどうなっているのだろうかと興味を持って探してみた。

見つかったのは「森」ではなくて顕彰碑に変わっていた。後ろの石板に歴代優勝者の氏名と記録が描かれたプレートがはめ込まれていた。

この公園に面した道は別大国道と呼ばれた国道 10 号線で、別大マラソンのコースになっている。大分をスタートしてこの道を北上して、別府港のあたりで折り返す。

このあたりからも鶴見岳がよく見える。昔はそんなことまったく意識していなかったけれど。

その後、別大マラソンで走ったコースを辿って大分市営陸上競技場に向かった。海岸沿いのあたりはかつては片道2車線だったけれど、いつの間にか3車線になっていた。海岸を埋めて拡張したのだろう。

29 年ぶりに訪れた大分市営陸上競技場は以前とほとんど変わっていなかった。古いままで、一部耐震補強がされていたくらい。

中に入れたのでトラックに出てしばし思い出に浸って佇んでいた。そして以前は上がったことのなかったスタンドに上がってフィールドを眺めていた。

あの頃のような気持ちで一生懸命何かに取り組むということはその後は無かったし、ましてや今後も絶対に無いだろうと思う。

おそらくもう二度とここに来ることは無いだろうと思いながら別府に向かって引き返して、途中で高崎山に立ち寄ってみることにした。

高崎山は野生のサルで有名だが、これまで来たことがない。ワクチンキャンペーンをやっていて、運良くタダで入ることができた。

なかなか楽しかった。

道の反対側(海側)には「うみたまご」という水族館があって、今の別大マラソンはここがスタート地点になっている。私が参加していた頃は陸上競技場がスタートゴールだった。

水族館にはあまり興味が無いので(入場料がずいぶん高かったし)、別府に戻って的ヶ浜の有料駐車場に停めて別府の街に出た。

別府駅はずいぶんきれいになっていたような気がする。

むかし来たときは駅のそばに「ほうちょうだんご汁」という旗のかかった店があって、何度かそこでだんご汁を食べて帰った。しかし駅前は様変わりしていて、昔の店は無くなっていた。だんご汁と壁に描かれた古い建物があったが、営業はしていなかった。

別府の温泉は全国的に有名だが、有馬などにあるような土産物店が並んだ街並みは見当たらない。昔もそうだったが、駅前のメインストリートにも土産物店はあまり見当たらない。

そのかわりにしばしば見かけるのがこういう銭湯。ここは昔来たときに入った記憶がある。

だいたいどこでも 100 円から 200 円で入れる。由布院で入ったのもこういうタイプの銭湯だった。

今日の夜のフェリーで帰るので最後に温泉に入って帰ろうと思っていた。本当はこういうタイプの銭湯を何件かハシゴするというのが温泉の楽しみ方の王道なのだろうが、そこまでのマニアでもないし、やはり石けん、シャンプーのある温泉に行きたかったので、フェリーターミナルの近くの「かっぱの湯」に行った。

今回の山旅は現地 12 日間で、到着日と最終日は観光にあてたもののそれ以外の 10 日間は連続で山に登った。10 日間も連続で山に登ったということはこれまでに無い。

九州の山はほとんど火山で、上に上がるほど傾斜が急になって岩場が出てきたりするが、山の大きさという点ではあまり大きな山は無い。今回の 10 山もほとんどが登山口から2時間以内で山頂や山頂エリアに到達していて、すべて半日行程だった。

直前の噴火の影響で阿蘇山には登れなかったし、九州最高峰の屋久島の宮之浦岳には近づいてもいないけれど、九州の山はこれでほぼ満足した感じがする。

今回も天候に恵まれたおかげで充実感に満たされてフェリーの人となった。

鹿児島へ

先日、ふと随行の予定を確認したところ、11月の最初の講座がいつもより1週間あとになっていることがわかった。10月後半からしばらく空きがあるということで、このチャンスに思い切って遠出しようと思った。

遠出となるとやはり北海道が頭に浮かぶのだが、ちょっと時期的に中途半端。場所によっては雪があるだろうが、山スキーができるほどではない。しかしながら歩き登山にはもはや厳しい季節だ。

昨年、何かで見た山の写真に強く惹かれて、最初は日本の山ではないのではないかと思ったのが霧島の韓国(からくに)岳。

近くにはニニギノミコト天孫降臨伝説の高千穂峰もある。このあたりはぜひいつか行きたいと思ったことを思い出して、急遽九州へ行くことにした。九州はマラソンでは何度も訪れているが、登山で行ったことはない。

フェリーで鹿児島へ行って、南の開聞岳から北上して、最後は別府からフェリーで帰ることにする。

出発は10/21(木)17:55大阪港発のフェリー「さんふらわあ」。

鹿児島の志布志港まで約15時間の行程だが、翌日の朝に到着するので、北海道へ行った時ほど時間を持て余すということはなかった。ちょっと奮発してトイレやテレビの付いた個室にしたせいもあるかも知れない。

到着した日(10/22)はのんびり観光で過ごすことにした。

志布志港は鹿児島市のずいぶん東なので、まずは桜島に向かう。桜島の山は入山できないので、桜島ビジターセンターの駐車場に車を停めてビジターセンターに入った。わりとこじんまりした施設で、あまり時間つぶしはできなかった。

そのあたりの公園を散策してから上に見えた展望場所に向かう。途中の月讀神社を参拝。

道がよくわからなくて集落の狭い道に入り込んでしまってあせったが、一度海岸沿いの広い道に出てから恐竜公園に行きついた。なぜここにこういう公園があるのかよくわからないが、山はわりと身近に見えた。

もうやることもないのでフェリーで鹿児島市に渡る。このフェリー、24時間運航しているらしい。

15分で鹿児島市に着いて、コインパーキングに入れてあらかじめ調べておいた土産物店に行ったが店頭に適当な商品が見当たらなかったので、結局この店のネットショップで注文した。

今日はほとんど運動をしていないがやはり温泉へ。googleで検索したところが何と温泉プールで、そこの人が教えてくれた近くの永吉温泉に行った。町の銭湯そのもので石けんやシャンプーも買わなければならなかったけれど、水風呂もあってなかなか良かった。

マックスバリュで食料を調達して、明日登る予定の開聞岳の登山口の駐車場に向かった。開聞岳は名前しか知らなったけれど美しい山容で、百名山だけのことはあると思った。