別府大分観光

別府へ来たのは 1992 年 2 月の別府大分毎日マラソン(別大マラソン)以来なので 29 年ぶりということになる。別大マラソンは私の人生で最も大きなイベントだったので、たまにはノスタルジーに浸ってみたいと思った。

泊まったホテルは別府タワーの近くで、ちょうど別府駅から海に向かった道の海岸のそばにあった。

浜辺には的ヶ浜公園という公園がある。

初めて別大マラソンに参加した 1988 年は別府のホテルに泊まったので、散歩に出てこの公園を散策した。

その時たまたまこの公園に「別大マラソンの森」という一画があるのを発見した。それは歴代優勝者の出身(所属)県の県木が毎年植樹されていた。

当然、毎年増えていくし、年数が経てば木も育って大きくなっていくので、はたして今はどうなっているのだろうかと興味を持って探してみた。

見つかったのは「森」ではなくて顕彰碑に変わっていた。後ろの石板に歴代優勝者の氏名と記録が描かれたプレートがはめ込まれていた。

この公園に面した道は別大国道と呼ばれた国道 10 号線で、別大マラソンのコースになっている。大分をスタートしてこの道を北上して、別府港のあたりで折り返す。

このあたりからも鶴見岳がよく見える。昔はそんなことまったく意識していなかったけれど。

その後、別大マラソンで走ったコースを辿って大分市営陸上競技場に向かった。海岸沿いのあたりはかつては片道2車線だったけれど、いつの間にか3車線になっていた。海岸を埋めて拡張したのだろう。

29 年ぶりに訪れた大分市営陸上競技場は以前とほとんど変わっていなかった。古いままで、一部耐震補強がされていたくらい。

中に入れたのでトラックに出てしばし思い出に浸って佇んでいた。そして以前は上がったことのなかったスタンドに上がってフィールドを眺めていた。

あの頃のような気持ちで一生懸命何かに取り組むということはその後は無かったし、ましてや今後も絶対に無いだろうと思う。

おそらくもう二度とここに来ることは無いだろうと思いながら別府に向かって引き返して、途中で高崎山に立ち寄ってみることにした。

高崎山は野生のサルで有名だが、これまで来たことがない。ワクチンキャンペーンをやっていて、運良くタダで入ることができた。

なかなか楽しかった。

道の反対側(海側)には「うみたまご」という水族館があって、今の別大マラソンはここがスタート地点になっている。私が参加していた頃は陸上競技場がスタートゴールだった。

水族館にはあまり興味が無いので(入場料がずいぶん高かったし)、別府に戻って的ヶ浜の有料駐車場に停めて別府の街に出た。

別府駅はずいぶんきれいになっていたような気がする。

むかし来たときは駅のそばに「ほうちょうだんご汁」という旗のかかった店があって、何度かそこでだんご汁を食べて帰った。しかし駅前は様変わりしていて、昔の店は無くなっていた。だんご汁と壁に描かれた古い建物があったが、営業はしていなかった。

別府の温泉は全国的に有名だが、有馬などにあるような土産物店が並んだ街並みは見当たらない。昔もそうだったが、駅前のメインストリートにも土産物店はあまり見当たらない。

そのかわりにしばしば見かけるのがこういう銭湯。ここは昔来たときに入った記憶がある。

だいたいどこでも 100 円から 200 円で入れる。由布院で入ったのもこういうタイプの銭湯だった。

今日の夜のフェリーで帰るので最後に温泉に入って帰ろうと思っていた。本当はこういうタイプの銭湯を何件かハシゴするというのが温泉の楽しみ方の王道なのだろうが、そこまでのマニアでもないし、やはり石けん、シャンプーのある温泉に行きたかったので、フェリーターミナルの近くの「かっぱの湯」に行った。

今回の山旅は現地 12 日間で、到着日と最終日は観光にあてたもののそれ以外の 10 日間は連続で山に登った。10 日間も連続で山に登ったということはこれまでに無い。

九州の山はほとんど火山で、上に上がるほど傾斜が急になって岩場が出てきたりするが、山の大きさという点ではあまり大きな山は無い。今回の 10 山もほとんどが登山口から2時間以内で山頂や山頂エリアに到達していて、すべて半日行程だった。

直前の噴火の影響で阿蘇山には登れなかったし、九州最高峰の屋久島の宮之浦岳には近づいてもいないけれど、九州の山はこれでほぼ満足した感じがする。

今回も天候に恵まれたおかげで充実感に満たされてフェリーの人となった。