白倉山、青根ヶ峰

吉野の宮滝から五社トンネルの上あたりに顕著な突起が見える。あまり登山の対象として考えたことがなかったのだけれど、ガイドブックに「白倉山」としてルートが紹介されていた。

以前に宮滝から南に越えた五社峠を経由して蜻蛉の滝と繋がっている。青根ヶ峰までも行けそうだ。

と言うことで 4/5 の日曜日、蜻蛉の滝に車で向かった。

蜻蛉の滝のそばの駐車場に車を停めた。

ちょうど7時に出発した。まずは車道をジョグで東川(うのかわ)に向かう。正面右が白倉山。その左が五社峠。

吉野川右岸の桜が美しい。

「匠の聚(たくみのむら)」に向かう。

登山口がわかるかどうか不安で、左に入る林道でちょっと迷ったけれど、地図ではもう少し先のはずと思って進んだところ、しっかりした道標に出会った。

青根ヶ峰ときっちり表記されているのを見て安心した。

結構しっかりした登りが続いて、30 分ほどで白倉山(587.7m)に到着した。

少し先の展望場所(NHK の電波塔が建っている)まで行って、これから歩く予定の尾根。左端が青根ヶ峰。足下はジョグで通過してきた西河の集落。

山頂からの下りはかなりの激坂だった。普通の登山道でこんな坂はちょっと経験をしたことが無いくらいで、しかも左側は急斜面なので、ヘタに足を滑らせるとタダでは済まない。

道がわかりにくくて一度間違った方向に入ってしまったけれど、gps のおかげですぐに気がついて、20 分足らずで五社峠の川上鹿塩神社(読み方不明)。前回はここまでは上がらなかった。

峠には山仕事の方の車が2台停まっていた。前回は気がつかなかったけれど、この右側の斜面に踏み跡があった。

少し登ったら山仕事の方に出会って少しお話しして、先に向かった。道はわかりにくいが、所々にテープがあるのと、稜線が明瞭なので、さほど苦労は無かった。

五社峠から 30 分足らずでまたしっかりした道標に出会った。

稜線はこの左斜面を登っていくのだけれど、なぜか青根ヶ峰は下の方向を指している。おそらくここを下ると蜻蛉の滝に出ると思う。

ひょっとしたら蜻蛉の滝から青根ヶ峰に向かう道のことなのかも知れないと思って、稜線を忠実に辿ることにした。

実はここが「王峠」だということが帰ってからわかった。

道は完全に無くなったけれど、たまに古い赤テープがある。

ヤブはさほど濃くないので何とか進める。地形がわかりにくい場所が一部あったけれど、gps のおかげで稜線をはずさずに進めた。

しばらくテープも見なくなったけれど、30 分ほど進んでいたら突然踏み跡らしいものが出てきた。おまけに新しいテープが貼られている。

そして「佛ヶ峰(668.5m)」という三角点に出た。

これでもう安心と思ったところ、この先の踏み跡がまったく見当たらない。おまけにこの先、右側に古いネットが張られていてすんなり進めない。

ヤブが濃くなってきたけれど、ここは強引に進むしか無い。ネット沿いに進んだところ、突然左側にしっかりした道が見えた。

一体この道はどこから? 登山地図にも地形図にも書かれていない。気になって少し戻ってみたけれど、かなりしっかり続いていそうなので先に進むことにした。

するとほどなく前に二人の女性パーティがいた。楽しげにお話ししながら歩いている。どうもかなり一般的な登山道のようだ。

追いついてしまったので「この道はどこから?」と尋ねたところ、蜻蛉の滝からとのこと。

帰ってからヤマレコなどで調べたところ、蜻蛉の滝から青根ヶ峰へ行く道としてよく使われているらしい。どうしてこんな道が登山地図に載っていないのだろう。

さらに先ほど三角点のあった「佛ヶ峰」は「大谷山」というのが一般的だそうで、昨年末あたりの記録でも上の写真のプレートは「大谷山」と写っている。

いったいどういうことかと思ったが、写真をよくよく注視してみると、このプレートは針金で吊るされている。おそらく表と裏で表記が違うのだろうと思う。

ガイドブックに記載されている王峠の東にある佛ヶ峰はどこかわからなかった。

ガイドブックに記載されているルートをしっかり見てみると、王峠から大谷山の下あたりまでは稜線ではなく、その下をトラバースしている。王峠の標識に従って青根ヶ峰方向に向かっていれば、踏み跡の無い稜線のアップダウンをやる必要は無かったのだ。

そんなことがわかったのは帰ってからで、一体この道はどうなっているのか、そればかり考えながら歩いていた。

そうするうちに開けた広い道に出た。

展望が開けて、ここからもまた高見山。

金剛山(左)と大和葛城山(右)。

10時25分、青根ヶ峰(858.1m)に到着した。

ここは展望が無いので、下に降りて眺めのいい場所でおにぎり休憩にした。コブシ? タムシバ?

帰りは途中で出会った道を下ってみようかという気持ちもあったけれど、予定通り以前に登った音無川のルートで下ることにした。

蜻蛉の滝に近づいてきたら散策路があったので、そちらに入った。あまり人が来ていなさそうな散策路の展望場所からの眺め。

前回は滝そのものは見なかったので、今日はじっくり眺めて帰る予定。思ったよりも立派な滝だ。

吊り橋を渡って左岸に行くと、白倉山・青根ヶ峰の標識が。

これがあの道に繋がっているのかも。ぜひ訪れたいと思っていた聖天窟(しょうてんのいわや)はこの上かも知れないと思って登ってみた。

数分登った所にありました。

役行者がここで修行したと伝えられている。洞窟の中は?

私は山中での一人テント泊は平気だけれど、こういう場所はちょっと不気味。

そしてようやく蜻蛉の滝と間近でご対面。

これは立派です。落差 50m とのこと。おそらく私が日帰りエリアで見た滝では最大級だと思う。布引の滝は雄滝が 43m となっている。ちなみに布引の滝も役行者の行場だったとか。

布引の滝はあまり近くまでは行けないけれど、ここはすぐそばまで近づけるので迫力は何倍も優っている。

ちょうど 12 時に駐車場に戻ってきた。枝垂れ桜はまだ満開ではない感じ。

時間があるので今日も、これまで何度も前を通りながら立ち寄る機会のなかった宮滝の中荘温泉に行ってみた。

老人福祉センターに併設されている温泉で、露天も水風呂も無いシンプルな施設だけれど、非常に清潔な感じでした。ホームページの割引きクーポンを使えば 500 円。

後から思うと調査不足でつまらないミスをしてしまったけれど、これはいつものこと。準備万端で資料をトレースするような山行きが楽しいかと言うとそういう訳でも無いので、結構満足できる一日だった。

横山

16日から登山講座が再開になって、月初の講座だけが日程をずらせて23日(月)に行われた。

行き先は滋賀県の横山。山城跡である。

長浜駅からバスに乗って、石田で下車した。このあたりはかの石田三成の出身地。

石田三成ゆかりの場所を訪ねる。まずは屋敷跡。建物は残っていない。

少し離れたところに供養等。

道を戻って、横山城址へのハイキング道に入る。

日吉神社に参拝。

ここから山道に入る。30分少々登ると山城跡が出てくる。

12時前に横山山頂(312m)に到着した。後ろは伊吹山。

マキノ方面。高島トレイルの山並みがはっきり見える。

ここで昼食をとって、急な道を少し下る。梵鐘のある広場でコーヒータイムをとった。

鐘は誰でもつくことができます。

西国三十三箇所ミニ巡礼路を下る。

スミレ。

ショウジョウバカマ。

観音寺に下山した。

境内にリュウキンカ。

バスの時刻がかなり余裕があるので、車道を歩いて三島池へ。マガモがたくさんいます。

ここのそばのバス停で解散した。

天候に恵まれて気持ちのいい一日だった。

吉野三山再訪

先日の吉野三山は今一つすっきりしなかったので、早めに再訪しようと思っていた。記憶が鮮明なうちの方がいい。

しかし同じコースでは同じような結果になってしまう可能性が高いので、先日のコースの逆回りにすることにした。そうすれば栃原岳から銀峯山に向かう所もよりはっきりするだろう。

3/20 は天気も良さそうだったので、さっそく実行に移すことにした。

出発点は長谷の丹生川上神社下社にした。広橋峠より標高は 100m ほど低いけれど、ここからなら早めに山道に入れる。

この鳥居の右側にある駐車場に車を置いて、6時55分に出発した。

栃ヶ山への道は前半は前回と違うルートにした。ガイドブックに紹介されていたルートで、先日下りてきた車道をそのまま辿っていく。八幡神社。

車道から見た櫃ヶ岳。

先日下った道は道標が整備されていたけれど、今日の道はそういうものはまったく無い。2箇所ほどネットがあったけれど、いずれもハイキング道によくあるような開け閉めしやすい作りではないので通過に時間がかかる。

玉泉寺というお寺があるそうだけれど、よくわからないうちに通り過ぎてしまっていた。

この道もあまり歩かれていない感じ。登山道になって15分くらいで先日下った尾根道に合流した。この近くに神社があるらしいけれど、それもどこかわからなかった。

先日下った直登ルートで8時8分に栃ヶ山(809.2m)に到着した。本日の最高峰。

このあたりはまだ記憶が鮮明なので気分的に余裕がある。しばらく進むと林道のような道になって、櫃ヶ岳への登山道に入って、8時45分に櫃ヶ岳八幡神社に到着した。祭神は誉田別命。

先日行きそこねた山頂はこの左側すぐだった。なぜこれを見落としたのか不思議なくらい。

神社から1分で山頂(781m)に到着した。

南側の展望がすぐれていたので、腰を下ろして甘納豆休憩にした。左の突起が大普賢岳。行者還岳は松の葉に隠れている。右は八経ヶ岳。

少し林道を下ってから松茸山の山道に入る。先日間違えた箇所がわかった。左のテープ沿いに行かなければならないところを右に行っていた。しかし道の状態としては右が本道に見える。

車道に出て、十日市に向かって下る。左に銀峯山。右奥に栃原岳。

サンシュユ(?)とサクラ。

十日市へ下りてきた。ちょうど移動販売車が来ていた。丹生川を渡る。

そして銀峯山への上りに入る。しばらく車道を行く。先日はこの右側の斜面を下ってきた。

ほぼずっとコンクリートの敷かれた登山道で、波宝(はほう)神社の鳥居に出た。

10時27分、波宝神社の本殿に到着した。左右二殿あって、祭神は住吉大神と神功皇后。

念のためにと本殿の裏に回ってみたら、ありました。標高 614m。

先日と同じベンチで同じようにおにぎり休憩にした。

しばらく林道のような道を進む。真ん中に金剛山。右が大和葛城山。

先日ウロウロさせられた六叉路。放飼の犬が吠えてきた。

しばらく進むといよいよ未知の道になる。はたしてどこに出るのだろうか。と思いながら地図のルートに沿って進んでいたら、急に道が不明になってきて、ついに消えてしまった。ひどいヤブ。

gps では車道はもうすぐそこ。しかしヤブが濃いし、おまけにイバラなどがたくさんあって、とてもこのまま突っ込む気にはなれない。

先日、このあたりの車道は注意しながら歩いていたので、結構な高さの側壁がずっと続いていたことを記憶している。このまま進んでも車道に下りられない可能性が高い。

畑のネットがすぐ近くにあるので、何とか超えられないかと試してみたけれど、網の柔らかいネットというのは意外と超えにくい。支柱も柔らかいので体重を支えてくれないので、上に上がることができないのだ。

仕方なく戻ったらちょうど畑仕事をされている方がおられたので、車道に降りる道を教えていただいて、その方向に下った。峠よりはずいぶん西の方に下りてしまったけれど、致し方ない。やはり登山地図の道はもともと存在しないと考えざるを得ない。いったいどういう情報を元にこういう道が記載されているのだろうか。

車道を峠まで戻って、栃原岳方面の道に入った。この先は私道なので関係者以外は入るなというような表記があったが、ここも登山地図には道が記載されている。

広大な畑の畦道を行く。栃原岳はもう指呼の距離だが、すんなり行けるだろうか。

やはりネットに阻まれた。しかしここのネットは太い針金のフェンスなので、支柱がしっかりしている箇所を見つけて、そこから強引に乗り越えた。そうしたら微かな踏み跡に出会った。

ここは確かに昔は道があったようだ。ただしこのまますんなり下まで下れるのかどうかはわからない。フェンスに阻まれそうな気がする。

踏み跡を辿ったら、先日ウロウロした道の横の急斜面を這い上がっていた。地図では確かにこのあたりに記載されているけれど、まさかこんな所から下っているとは思いもよらなかった。

12時2分、無事波比売神社の本殿に到着した。祭神はミズハノメ神と誉田別命。

本殿の裏に回ってみたけれど、ここでは山頂の標識を見つけることはできなかった。

何とか栃原岳(531m)まで辿り着けたので、これで今日は終わったも同然という気分になった。展望台から高野山方面を眺めながら少し休憩して、広橋峠へのハイキング道に向かった。

北の方の展望は素晴らしかった。高見山がくっきり。

そして梨子堂(なしんど)。

足下にはフキノトウ。

先日、広橋梅林をうろうろしてようやくハイキング道に出会った箇所。

先日30分ほどかかった駐車場からの道は実はほんの5分足らずだった。さすがにもう梅はおしまいなのだろう、止まっていた車は1台だけだった。

車道を30分足らずの下りで長谷に戻ってきた。

神社には午後1時45分に戻ってきた。実は駐車場の横は神馬がいる場所だったようで、白馬が私の車に興味を示しているようだった。もちろん朝にはいなかった。

丹生川上神社下社にもお参り。祭神は闇龗神 (くらおかみのかみ)。

早く戻ってこられたので、一度立ち寄ってみたいと思っていた下市温泉のごんたの湯に行ってみた。

カルキの匂いがしてあまり温泉ぽくなかったけれど、露天も水風呂もあって、コインロッカーも実質無料で入浴料500円だったので、時間があればまた来てもいいかなという感じ。

「ごんた」というのはおそらく義経千本桜の「いがみの権太」のこと。下市にお墓がある(架空の人物なのに・・・)。

おおむね思い通りのルートで行けて満足した。国土地理院の地形図の道はすでに無くなっているものが残っているのというのはこれまでも何度も経験してきたけれど、毎年改定されている登山地図でもこんないい加減な情報が記載されている(2020年度版でも記載されている)というのはちょっと驚きでもあった。

逆に広橋峠から樺ノ木峠までのハイキング道は記載されておらず(分県登山ガイドには記載されている)、最新の正確な情報はやはりネットから得るしかないのだろう。

今回は再訪ということもあって6時間50分、約30kmでした。

吉野三山

コロナウィルスの影響で登山講座が今月前半は中止になり、おまけに今月前半は東京マラソンや琵琶湖毎日マラソンなど見逃せない大会が続いたせいもあって、陸上クラブの練習会には参加していたものの、山はすっかりご無沙汰になってしまっていた。

昨日の日曜日(3/15)は当初は登山講座。そして練習会も予定されていたけれど、土曜日が雨だったので、久しぶりに山へ行くことにした。天気予報では南の方はまぁまぁというところだったので、吉野の低山に向かうことにした。

○○三山というのは随所にあるけれど、吉野三山のことを知ったのはわりと最近のことだった。

西吉野は前登志夫氏の「吉野紀行」で多少は興味を持っていて、このあたりの山々もいずれはと思っていたけれど、これらが吉野三山と呼ばれていることは山のガイドブックを読むまでは知らなかった。

栃原岳(とちはらだけ。531m)、銀峯山(ぎんぷせん。614m。白銀山ーしろがねやまーとも言う)、櫃ヶ岳(ひつがだけ。781m)の三山で、山頂へ行くだけなら栃原岳と銀峯山は車で行ける。櫃ヶ岳もかなり上部まで林道が延びている。

ガイドブックの案内と登山地図から判断して、広橋峠に車を置いて周回すれば 30km 弱くらいで行けそうだった。

6時半過ぎに広橋梅林の駐車場に車を止めた。準備を整えて出発したが、サングラスをかけるのを忘れてあわてて取りに戻って、再出発は6時50分になった。とりあえず梅林に入る。

梅林の散策路からハイキング道に入るのだろうと思っていたが、どうも余計な大回りをしている感じ。

もう梅の季節を過ぎているのか、まだ朝が早いせいか、梅の花はぼちぼちという程度。

高峯稲荷神社。このあたりは広橋城跡。南朝に尽力した広橋氏の居城だった。この神社は広橋氏とは無関係。

それにしてもハイキング道がわからない。うろうろして変な斜面に入り込んだりして、gps を頼りにようやく看板に出会うことができた。何だかんだで出発してから 30 分くらい歩き回った。

実は駐車場の少し下にこのハイキング道の入り口があることに帰りに気がついた。

ハイキング道は道標がしっかりしている。ただしそれほど多くの人が歩いているわけではなさそう。

正面に金剛山。右が大和葛城山。

梨子堂(なしんど)の集落。このあたりはずっと車道。

このあとしばらく車道脇のハイキング道を辿って、樺ノ木峠に出た。

この車道を少し北に行って、波比賣(はひめ)神社の参道に入る。

山頂手前には NHK の巨大な電波塔。

展望台から高野山方面を望む。弘法大師の道も見えているはず。

8時28分、波比賣神社に到着した。ここが栃原岳の山頂。

さて、これから南へ向かうのだけれど、登山地図と地形図、そして gps を駆使してもそれらしい道を見つけることができない。強引に突っ込めるようなヤブでもないので、諦めて来た道を戻って、車道経由で当初のルートに合流することにした。

何とか当初予定の道のあたりに来たけれど、ここでもこれから進む道を見つけることができない。ここはちょうど峠で、左からの道は栃原岳方面からのもの。

峠に上がってくる時も注意して見ていたけれど、南に向かう道は見つからなかった。ちょうどここの反対側に畑に上がる畦道があったので、それを上がってみることにした。

しかしここもほどなく進めなくなり、畑のフェンスに沿ってヤブを無理やり這い上がったところ、おそらく畑のためであろう道に出会った。たぶんこれが当初の予定のルートだと思うけれど、どこから始まっているのだろうか?

道標も何もなく、畑のための分岐が随所にある。適当に進んでいたら畑仕事をしている方がおられて、本来の道を教えて下さった。銀峯山まで道は続いているらしい。

織田信長に命じられてこのあたりを攻めた筒井順慶軍と戦ってこのあたりで討死したという堀小五郎の碑。

しばらく林道を進んでいたが、登山地図ではあるところから西に向かっている。面倒なフェンスを開け閉めしたり、別の場所ではフェンスが切れた場所から急斜面を強引に下ったりしたけれど、いずれもその先の進む方向が変なので戻ってきた。

これまでの何度もの道迷いにうんざりして、今日はもう栃原岳だけで終わりにしようと思った。地図では今いる林道をそのまま進むと来た車道の途中に出るはずなので、樺ノ木峠から来た道を戻ろうと思った。それにしても先ほど出会った方のお話はどの道のことだったのだろうか。

そういう気分で林道を進んでいたが、東に折れるはずの道がそのままずっと南に進んでいる。これはひょっとしたらこのまま南に向かうのではないか。だんだんと予定のルートに近づいてきている。

帰ってから地形図をよく見てみたらこの道は地形図には書かれていて、登山地図の道と分岐して先でまた合流している。どう見てもこの道の方が本道に思えるけれど、登山地図では別の方がルートになっている。地形図の道はあまり信用しないようにしているけれど、登山地図の道もあまり信用し過ぎない方が良さそうだ。

これなら銀峯山に行けそうと思っていたら、お地蔵さんのある分かれ道に出た。

ここは何と、来た道を含めて六叉路になっている。最初に向かった道は民家で突き当たり。次に入った道は畑の中で、たまたま作業をされている方がおられた。その方に尋ねたところ、正しい道まで案内して下さって、フェンスの開け閉めまでいただいた。

山道を少し進むと祠があった。

ここもいくつか道が交錯していて、来た方向と真っ直ぐに進むようにと先ほどの方からのアドバイスをいただいていたので、その方向に進んだ。

先ほどの分岐から30分ほどで、銀峯山の波宝(はほう)神社の入り口に着いた。

急な参道の車道を5分ほどで11時5分、波宝神社の境内に到着した。

雪がちらついてきた。風も出てきて寒いけれど、風の当たらないベンチに腰掛けておにぎり休憩にした。熱いお茶がおいしい。

先ほどの鳥居まで戻って、このすぐそばから十日市に向かって下る。しかし集落に出たあたりからまた道があやしくなって、無駄な回り道をしたりしてしまった。おまけにみぞれが降ってきて、仕方なくジャケットを羽織って帽子をかぶった。

足下に十日市の集落が見える。かなりの急な下りになりそう。

大回りの車道をショートカットしようと畑の斜面に入ったところ、またもや道が無くなってヤブをかき分けることに。急斜面をずり落ちるように林道に降り立った。

下に降りてからも自分の進む方向がわからなくなってウロウロしたりしたが、何とか丹生川にかかる橋までたどり着くことができた。みぞれは止んで暑くなってきたのでジャケットを脱いだ。

左岸の車道を登っていく。十日市の標高が約 250m。櫃ヶ岳が 781m なので、標高差で 500m 少々登らなければならない。この車道に入って 25 分ほどで川岸十日市の分岐(標高約 450m)まできた。

林道からは展望の開けた場所が所々ある。右に百貝山

真ん中遠くに栃原岳。ずいぶん遠くに見える。

左には銀峯山。

しばらく進むと林道から分かれて登山道になった。このあたりは松茸山らしい。

そのうちに道がトラバース気味になって稜線から離れてきた。これはおかしいと思って横の斜面を強引に這い上がって、無事に本来の道に戻った。

櫃ヶ岳にだいぶ近づいてきたあたりで林道に合流した。

そして林道から分かれて午後1時22分、山頂(と思っていた)の神社に到着した。

ここの神社はこれまでの二つと違って、もう管理されていないのではないかという感じ。ここの拝殿でぼた餅休憩にした。

これで吉野三山完了と思っていたのだが、帰ってからガイドブックを読み返してみたら、何と櫃ヶ岳の山頂はこの神社の裏をまだ少し登らなければならなかったのだ。

これまでの二山がいずれも山頂が神社だったのでここも同じと思い込んでしまっていた。里山の低山では山頂を間違えることは時々ある。山頂がそれほど顕著でなかったり、木が繁っていて眺望がなかったりするとはっきりわからない事がある。

そんなことはつゆ知らずに最後の栃ヶ山に向かっていた。栃ヶ山はオマケのようなものなのだけれど、実は今日のルートの中では最高峰。

遠方に雪山が見える。大天井ヶ岳?

午後2時2分、栃ヶ山(809.2m)に到着した。

あとは下るだけ。櫃ヶ岳以降は道標がしっかりしていたので、わりと安心して歩くことができた。

午後2時50分、長谷の集落まで下りてきた。

山はこれで終わったけれど、これから車道を広橋まで戻らなければならない。標高差にして 100m 少々ある。

何とか走れる程度の上りなので、スロージョグで進む。何度も車で通った登石トンネルの手前で旧道に入る。

長谷から 50 分足らずのジョグで広橋峠まで戻ってきた。

午後3時 36 分、駐車場まで戻ってきた。

道が不明で何度もウロウロしたりしたせいもあって、8時間40分、約 35km の行程になった。

結果的にはほぼ当初の予定のルートを行くことができたけれど、今一つすっきり感が無いというのが正直なところだった。さらに帰ってから櫃ヶ岳の件が判明して、やり残した感が強い。

櫃ヶ岳の件だけならもういいという感じだけれど、ルート全体としてはもう一度すっきりとトレースしてみたいと感じている。

乗鞍高原 HOK スキー

朝になると駐車場はほぼ満車状態になっていた。快晴で、乗鞍に向かうであろうスキーを持ったパーティも見うけられた。

天気がいいので乗鞍へ向かいたい気持ちもあったけれど、やはりここは安全第一で乗鞍高原の HOK スキーを楽しむことにした。

7時20分、休暇村の前の駐車場を出発した。

道がわかるかどうか不安だったけれど、このすぐそばに標識が見つかった。

期待通りの HOK スキー向きのフラットな道を進む。

しかし滝に近づくと手摺りのある急な下りになったので、スキーを脱いで歩いて下りた。

出発して 25 分ほどで善五郎の滝。左の方は水が流れている。落差約 30m。

このあと少し急登があった。アイゼンの跡があったけれど、アイゼンがほしいくらいの急斜面だった。上りでよかった。

そこを過ぎるとまた平坦な道になって、少し行くと車道に出た。

宿泊施設がいくつか並んでいたけれど、営業しているのは半分くらい? あまり繁盛しているようには見えない。暑くなってきたので上着のジャケットを脱いだ。

ほどなく除雪された車道は終わって、またハイキング道に入る。少し進むと乗鞍岳が見えてきた。一瞬、行けば良かったかなと思った。

8時50分、ネイチャープラザ一の瀬に到着。

ここからは一般的なハイキングコースをはずれて南の方に向かう。ちょっとした丘から乗鞍岳を望む。

よく見たら上部は雪煙が舞っている。相当な強風だろう。やはり行かなくて良かった。

またしばらく車道を行く。真新しいスキーのトレースがあった。

そして車道から分かれて真っ白な雪面に入る。トレースはまったく無し。HOK スキーのためにあるような場所だ。

しかし次第にヤブがうるさくなってきて、沢を渡る手前で少しだけスキーを脱いだ。

今年は暖冬なので沢は水が流れているかもしれないので、うまく渡れるかどうか心配だったけれど、うまい具合にちょうど橋の所に出た。

もう一つの沢も橋を渡ることができた。

少し進むとトレースが現れて、あざみ池のそばで大福休憩にした。池は完全に凍っていて、歩いた跡がある。10時10分。

休暇村に向かう道の入り口がよくわからなくて少し行き過ぎて、先ほどのネイチャープラザ一の瀬まで行ってしまったけれど、戻って道標に従って上り斜面に入る。

気温が上がってきたせいか、スキーのシールの部分に雪がまとわりつくようになってきた。今日はワックスは持ってきていない。

しばらく上りが続く。あざみ池から1時間少々で牛留池のそばまで来た。こんな木が。

さすがにシールの雪のゲタがたまらず、スキーを脱ぐことにした。

牛留池も完全に凍結していた。

ここは休暇村のすぐそば。当初はもう少し先のルートも予定していたのだけれど、スキーがこの状態ではツボ足で歩くしかない。

それではあまりにつまらないので、ここで切り上げて駐車場に戻ることにした。

4時間少々のスノーハイクでした。

帰りは久しぶりに平湯の森に寄ることにした。安房トンネルを越えて長野側に来ることは滅多に無いので、こちら側の温泉に寄ってみたい気持ちもあったけれど、事前に調べてこなかったので、勝手知った平湯の森へ行くことにした。

ここは10年以上、消費税が 8% に上がった時も 500 円のままだったので、今はいくらになっているか楽しみだったけれど、やはり 600 円に値上がりしていた。鍵付きロッカーは 100 円なので、実質 700 円。しかし温泉としての設備の質が非常に高いので、これくらいなら納得できる。

ただ、今日は全般的にお湯の温度が低かった。露天風呂が5カ所ほどあるけれど、いつものような温度だったのは1カ所のみで、後はすべてかなり低かった。

ここの唯一の欠点はお湯の温度管理があまりしっかりしていないという点で、これまでも逆にかなり熱めだったこともあった。

源泉掛け流しなので温度管理が難しいのかも知れないけれど。

いつもと同じく冷たい牛乳を飲んで、家に向かう。

このところ東の方から高速で家に向かった時は二回続けて事故渋滞のために草津田上で高速を下りている。

三連休の三日目の夕方なので渋滞を心配したけれど、案の定、時間が経つにつれて八日市から先の渋滞が長くなってきた。

結局たまらず、今日も草津田上で下りて R307 で帰ってきた。

Mt.乗鞍スノーリゾート

先週末は三連休だったのでぜひ遠出したいと思っていたが、土曜日は全国的に雨。日曜日も関西の中南部はそこそこの天気のようだが、中部地方は今一つの予報で、好天は月曜日だけになりそうだった。

あまり大きな期待はせずに土曜日の午後、雨の中を乗鞍方面に向けて家を出た。

山スキー道具一式と歩くスキー、ピッケル、アイゼン、ワカンと何とでもできる準備をしておいた。

雨は途中で止んだけれど、Mt.乗鞍スノーリゾートの駐車場に停めて一人宴会を楽しんでいた頃から雪が降り出した。

日曜日の朝も雪で、時折強い風が吹いている。こんな中で山歩きをする気は毛頭無いので、今日はゲレンデスキーをすることにした。

昨年、一度はもうスキーは辞めようと思ったので、この天候の中でのスキーにはあまり積極的な気持ちにはなれなかったけれど、まさか松本観光というわけにはいかない。

それにネットで調べてみたら、事前にカードで支払いを済ませておけばシニア一日券が 2800 円。駐車場もタダなので、これなら半日くらいでお終いにしても元が取れる。

リフトは全部で 10 本あるかないかというくらいのスケール。速いクワッド(4人乗り)が1基あるだけで、あとはすべて昔ながらの二人乗り。

コースの大半は初心者スロープで、部分的には漕がないと進まないくらいの平らな部分もある。今の私にはちょうどいいくらい。

昨年、何度か近場のゲレンデに行った時は半日券でも十分という感じだったけれど、9時前に滑り始めて、何度かの休憩をはさんで午後4時過ぎまで滑っていた。

滑り終えた後はスキー場の少し下にある「湯けむり館」という温泉に向かう。車道はすっかり雪に覆われていて、対向車線で中型バスが立ち往生していたりして、途中でしばらく車がまったく動かない状態になってしまった。

リフト券が入浴料の割引券になっていて、通常750円のところを550円で入れた。

お湯は乳白色の、いかにも温泉という感じのいいお湯だったけれど、駐車場の大きさや施設の規模に比べて風呂が非常に小さい。

露天はせいぜい10人くらい。内湯も15人くらいで満杯で、洗い場の数も少ない。水風呂も無し。もう少し大きかったら文句無しだったのだけれど・・・。

そしてまたスキー場の駐車場に戻る。翌日のことを考えて、一番上の休暇村のそばの駐車場に置いた。

さて、明日はどうするか。天気は良さそうなので乗鞍岳に向かいたいところだけれど、ここ何日か新雪が積もっている感じ。多分上部ではかなりの積雪だろう。おそらく久しぶりの積雪だと思われるので、状況としては雪崩の危険性大である。

やはりここは安全第一で、乗鞍高原を HOK スキーでスノーハイクをすることにした。

大国見

2/16 の日曜日は雨の中を講座で天理の大国見へ行ってきた。終日雨の予報だったためにドタキャン続出で、参加者は本来の人数の半分だった。

私が登山を始めた50年ほど前には近郊の低山への有料ツアーというのはまだ存在していなかったので、朝から雨の日に山へ向かうということは泊まりがけで遠方に出かける時以外はあり得なかったが、有料ツアーの場合はそういうわけにはいかない。

集合は天理駅。

街中を歩くと天理教本部の壮大な建物。前の道には祭りの出店が出ている。これはいつものことなのだろうか。

10分少々で石上(いそのかみ)神宮へ。ニワトリも雨やどり。

本殿にお参り。雨のせいか日曜日だというのに人が少ない。

ここからはしばらく山辺の道を行く。

ハタの滝。

このあと山辺の道を離れて大国見へ向かう。

少し車道を離れて、石上神社。こちらは「神社」です。地元では石上神宮の元社と言われている。

また車道に戻って、弘法大師ゆかりの桃尾の滝。万葉集にも「布留の滝」として詠まれている。

ここの前の休憩所で昼食にした。運良く雨が止んでいた。

これから大国見の登山道に入る。コンクリートの急登で、コケで滑りやすくて危ない。

登山道から少し横にそれて、大親寺。

登山道もなかなかの道で、おまけに雨で滑りやすい。

12時50分、大国見の山頂(498m)に到着した。生駒がかすかに見えていた。

地形図にも「大国見山」と記載されているが、もともとは「大国見」だった。近年はもともと「○○○」という山名だった山を「○○○山」と呼ぶことが多くなっている。

下山は北側に向かう。

車道に出て、名阪国道をトンネルでくぐる。

岩屋町には磨崖仏があるらしいが、どれかよくわからず。

このあともずっと車道で、天理教教祖のお墓。

午後3時10分、天理駅に戻ってきて解散した。

雨はそれほど強くなくて、昼食時にはたまたま止んでいたので、天候のわりには不快感は少なかった。

それにしても天理教関連の多くの建物にはちょっとびっくりした。大変な資金力だ。街全体が天理教という感じだった。

京都一周トレイル・高雄

2/12 の水曜日は講座で京都一周トレイルの高雄周辺を歩いてきた。

集合は栂ノ尾のバス停。ここからしばらく車道を歩く。

西明寺に寄り道。9世紀に弘法大師の弟子の智泉が神護寺の別院として開創したとのこと。

この時期は清滝川も水量が少ない。

清滝川の左岸を行く。左上は清滝の水力発電所に水を送る導水路。

散策路が崩れていて補修工事をやっていた。

右岸に渡った所の広場で昼食。

このあと右岸の側壁を少し登って車道に合流。

対岸に発電所の送水管。今も現役です。

そして表参道登り口の鳥居。

表参道を少し登って、廃線探索。戦前にあったケーブルの跡。

そして清滝のバス停で解散した。

私はいつもと同じく保津峡駅に向かう。このあたりの清滝川の眺めはお気に入りです。

清滝から45分くらいで保津峡駅に到着した。

飯道山、大納言、阿星山

先日の講座で十二坊からこの山並みを眺めた時、これはぜひ行かなければと感じた。

標高はおおむね 600m 台で、随所で稜線近くまで車道があったりしているので、わりと気楽に歩けるのではないかと思った。

下山後は車道を走って周回しても 20km にも及ばないくらいなので、2/11 の祝日に軽い気持ちで出かけた。

飯道神社への登山口の駐車場にはちょうど9時に着いた。駐車場手前の車道では日陰には雪が残っていた。

今冬は極端な暖冬で、気持ちが冬モードになっていない。とは言ってもここ何日か例年並みの寒気が入ってきていて、スキー場はほっと胸を撫で下ろしているというニュースが流れていたので、ちょっと考えればこういうことは想定できたはずだった。

今日は(と言うか、今日も)雪装備は持ってきていない。スパイクはおろか、スパッツもポールも無い。シューズは穴の開いた古い HOKA。

しかし行くしかない。9時15分に駐車場を出発した。

まずは飯道山へ向かう。20分ほどで飯道神社へ。

本殿にお参り。江戸時代まではお寺があって、修験霊場だった。

本殿裏の岩山にも登っておく。

10時7分、飯道山(664m)に到着した。

正面やや左が阿星山。手前の鉄塔のあるのが大納言。ずっと奥は雪をかぶった比良山系。

大納言に向かうが、いきなりの激下り。ロープが張ってある。

これまでの道とはうってかわって厳しくなった。雪があるのでルートもわかりにくい。所々にある古いテープを探しながら進む。

雄大な鈴鹿の眺め。右の方の尖っているのはおそらく鎌ヶ岳。左に武平峠、そして御在所岳、その左に雨乞岳。雨乞岳の手前は綿向山。

古い林道を渡って、白草山(613m)。

アセボ峠で車道を渡るが、降り口も上り口もよくわからなかった。

しばらく細かなアップダウンを繰り返しながら西に向かう。

12時5分、突然大納言の三角点(583.1m)に出た。ここの標石に腰掛けておにぎり休憩にした。

この先はしばらくすぐそばに車道がある。しかし一般車は入れない道だろう。少し進んで鉄塔のそばに大納言(596m)。山頂とは思えないが・・・。

このルートは所々にこういう標識が設置されている。ここは 541m ピーク。

このあと、稜線からはずれて斜面を激下りする場所はわかりにくかった。ロープが張られていた。

そしてこの下で激しい崩壊場所に遭遇。

進む方向がわからずうろうろしたけれど、何とか行けそうな方向に進んだところ、足下に古い林道が見えた。

急斜面を這い上がって阿星山に向かう。あと少しという所で車道に遭遇。少しだけ車道を歩く。

電波塔のそばから山頂へ。

最後にまたもやロープの急斜面。雪が無くて良かった。

午後2時16分、ようやく阿星山(693m)に到着した。思ったより遠かった。

ここのベンチに腰を下ろしてどら焼き休憩にした。

下山は少し戻って、南側の稜線を下る。しかしこの稜線、道らしい道が無い。写真では道のように見えるけれど、実は道ではない。

とは言っても森林組合の標識が所々にあるので、林業関係者は歩いているはず。何かの境界の標識が一定の間隔で置かれているので、それを見失わないように下った。

阿星山から30分少々で車道に降り立った。

あとはひたすら車道で飯道神社の駐車場に戻るだけ。正面真ん中が飯道山。

朝、車で通った一の鳥居。

午後3時48分、駐車場に戻ってきた。雪はすっかり消えていた。

もっと気楽なルートを想定していたけれど、思いの外歩きごたえのある道だった。飯道山以降は誰にも合わず、トレースも無いのでルートはわかりにくかった。逆に言うと、結果的にはなかなか充実感のある一日だった。

海住山寺、神童寺、椿井大塚山古墳

神童子(じんどうじ)から海住山寺(かいじゅうせんじ)への山道は数年前に京和トライアスロンクラブのマラニック大会で走ったが、その頃はまだタイムへのこだわりもあったので、見所は立ち止まることもなく素通りしていた。

(注)神童寺というお寺のある集落が木津川市山城町神童子。読みはいずれも「じんどうじ」。

私はちょっと変わった山名や地名に惹かれる人間なので、「神童子」や「海住山寺」は改めてゆっくり訪ねてみたいという気持ちはずいぶん前から持っていた。

しかしながらこのあたりはわざわざ一日を使って満足できるようなコース設定がなかなかできなかったので、これまで先送りしてきた。

2/9 の日曜日、朝イチで生協にまとめ買いに行って、それから出かけてみようと思った。ついでにここも一度訪ねてみたかった椿井大塚山古墳にも立ち寄って。

京阪、近鉄、JRを乗り継いで加茂駅まで行って、12時18分に駅を出発した。結構気温が低かったが、汗をかかないようにアウターは脱いだ。

恭仁大橋で木津川を渡る。

正面には辿る予定の稜線。

車道を歩いて登って、出発してから45分ほどで海住山寺に到着。境内に入って100円を払う。本堂は改修中。

海住山寺は奈良時代に良弁僧正によって藤尾山観音寺として建立され、その後の焼失を経て、13世紀に解脱上人貞慶によって補陀洛山海住山寺として旧寺を中興されたとのこと。

五重塔は国宝。

参道からそれて山道に入る。以前のマラニックの大会の時は神童子からの道はかなり不明瞭で、何度か集団ロストしたりしていたので、はたして今どういう状態になっているのかいささか不安だったけれど、出だしははっきりしていた。結構手入れされている感じ。

道標も随所に設置されていて、ハイキングコースとして整備されている感じ。

快適な自然林を気持ち良く進む。

しばらく進んだら「鳶ヶ城(とびがじょう)跡」という道標があったので寄り道してみた。

加茂町の街並みの向こうは奈良の山々。ここで腰を下ろしておにぎり休憩にした。

さらに進むと竹林になった。集落が近い。

神童子の集落に下りたって、まずは天神社(てんじんじゃ)に向かう。

十三重石塔は重要文化財。

そして神童寺へ。聖徳太子の創建で、役行者が修行したと伝えられている。本堂を始め、仏像の多くが重要文化財に指定されているが、中には入らず。仏像の値打ちはよくわからない。吉野山とのつながりが深い。

神童子の集落。

しばらく車道を走って、最後の目的地の椿井(つばい)大塚山古墳。古墳時代前期(三世紀後半)の古墳の中でも最古と位置づけられている。

奈良線の法面拡幅工事の際に石室が発見された古墳で、前方後円墳の真ん中を線路が横切っている。

後円部の墳丘。

墳丘からの生駒の眺め。

前方部には何と住宅が建っている。

この後は車道を走って奈良線の棚倉駅へ向かう。

午後3時18分、棚倉駅にゴールした。

ふと思いついて出かけたコースで、実動わずか3時間ではあったけれど、なかなか充実していて楽しかった。

先月の星田三山に続いて、半日程度でも楽しめる場所は探せばあるということを再認識した。