祖母山

祖母山(そぼさん)のことは今回の山旅までは知らなかった。日程に余裕があったのと、出発直前に阿蘇が噴火して入山できなくなってしまったので、どこか他にいい山がないかと探していたときにたまたま見つけた。実は百名山の一つ。

10/27(水)の朝、まだ薄暗いうちに車が2台やってきた。私が出発の準備をしているうちに出かけて行ったようだ。

8時半に駐車場を出発した。

しばらく林道を進む最短のルートで往復するつもりだったのだが、少し進むと左側の斜面に登山道の案内があったので、そちらに入った。

赤テープに導かれて進むが、しばらくすると急斜面の激登りになった。ほとんど直登。

この道は結構しっかりしているが、どういうわけか最新の登山地図には記載されていない。出発して40分ほどで北谷登山口からの道に合流した。

あとひとふんばりすると道が穏やかになって、少しアップダウンを繰り返すようになってきた。あまり下りたくないのだが・・・。

平らなところは千間平(せんげんだいら)。

しばらく緩く下ると祖母山が見える国観(くにみ)峠に出た。お地蔵さんがあった。

その後、また上りが厳しくなって、九号目小屋近くの分岐に出た。

8時半、出発して2時間で祖母山山頂(1756.4m)に到着した。誰もいなかった。

山頂の祠。

北には明日行く予定の久住山。その右に大船山とさらにその右に黒岳。

西には阿蘇山。噴煙が見えていたのだが写真ではよく見えない。

写真を撮ったら早々に下山に移る。当初予定していたルートは危険箇所があるという案内が出ているので、安全のために来た道を引き返す。

途中で登ってくる人に何人か出会って、10時11分に駐車場に戻ってきた。

時間があるので肥後国一の宮の阿蘇神社に寄り道していく。2016年の熊本地震で大きな被害を受けて、倒壊した桜門は復旧工事中。

拝殿は立て直されていた。

風呂は温泉割烹の「がね政」へ。入浴料400円で、石けんとシャンプーは受け付けで借りる。タオルも借りられる。いずれも無料。誰もいなくてのんびりできた。

その後、やまなみハイウェイを走って久住山登山口の秋川温泉へ向かった。

阿蘇の麓や九重の広大な草原は見たことの無いような光景で(実は小学生の頃に家族旅行でこのあたりに来たのだが、こんな風景のことは覚えていない)、展望場所で車を停めてしばし見とれていた。

正面に阿蘇山。噴煙と雲の見分けがつかない。

韓国岳

韓国岳(からくにだけ)は今回の山旅でもっとも楽しみにしていた山。以前に写真で見た異国感のあふれる山容は実際にはどんな様子なのだろうか。ただ、高千穂峰や甑岳から見た限りではそれほどの異国感は感じられなかった。

6時半過ぎに駐車場を出発して、すぐそばの大浪(おおなみ)池登山口に入った。

ここもまた歩きにくい石段の道。

30分ほどで大浪池。

池の周りを反時計回りで進むと韓国岳が見えてきた。

避難小屋があった。

いよいよ本格的な登りに入る。いきなり木の階段が出てきた。

しばらく急な階段を上がると高千穂峰のようなガラガラの歩きにくい斜面になった。

苦労して上っていたら横に木の階段があるのが見えた。

8時半、出発して2時間で韓国岳山頂(1700.1m)に到着した。

高千穂峰から始まる南方のパノラマ。桜島とその左に開聞岳も見えているのだがビデオでは開聞岳はわからない。

火口のお鉢。

高千穂峰。

お鉢巡りをする人もいるそうなので薄い踏み跡を辿ってみたところ、すぐ横がガケで切れ落ちており、見た感じでもずっと厳しそうだったので止めることにした。

山頂から少し離れたところで腰を下ろして少し休憩してから来た道で下山した。

大浪池は登った時とは反対側をまた反時計回りで回って、10時11分に駐車場に戻ってきた。平日にもかかわらず大浪池まではハイキングに行く人が多いようで、たくさんのハイカーとすれ違った。駐車場も車がはみ出ていた。

明日は祖母(そぼ)山の予定なので高千穂町まで移動する。100km以上あるので高速を使って熊本まわりで行くことにする。

高千穂峰と高千穂神社のある高千穂町はずいぶん離れている。

3時間以上かかってようやく高千穂神社に着いた。

ついでに高千穂峡へも寄ってみたが、有料の駐車場しかなかったので素通りした。

そして近くの天岩戸神社西本宮へ。天岩戸神社は奈良にもあるが、こちらが本家かな。天照大神が隠れた天岩戸もあるが、見るためには神職の案内に着いていかなければらないのでやめた(無料だが)。

今日のお湯は「天の岩戸の湯」。水風呂もあってきれいな施設だった。

さて、いよいよ祖母山の登山口へ向かう。天岩戸神社のそばにスーパーがあったが、惣菜などの品揃えがぜんぜんだったので、ちょっと遠回りしてコンビニで買ってから登山口に向かった。

車道にも「祖母山北谷登山口」という案内が出ているくらいなのに、途中からはとんでもない細い林道になって、本当にこれであっているのか不安になった。これまでに離合できないような細い林道は何度も走っているが、さすがにここまで狭い道は初めてだった。

私の車(マツダ CX-5)で車幅いっぱいくらいの場所もあって、おまけにほぼ未舗装で、離合スペースはごくまれ。もちろん携帯は圏外。

何と前から軽トラが。地元の方なのか、少しバックして下さって事なきを得た。

そんな道を 10 分くらい進んだだろうか。本当はもっと短かったのかも知れないが非常に長く感じた。

林道終点は鳥居のある駐車スペースになっていて、ちゃんと車を整理して止めるためのロープも地面に置かれているので、それなりの車がやってくるのだろう。

今晩はこの山奥で一人で過ごすことになった。

甑岳

10/25(月)は天気予報では雨模様だったが、夜中に一時降ったくらいで朝は降っていなかった。

これならえびの高原の散策くらいなら行けるのではないかと思ってえびの高原の駐車場に入った。有料で500円。

ところが駐車場に入った直後から雨が降ってきた。

他にもハイキングに来ている人がいて、雨具を着て迷っておられる様子。

雨脚は強くなってきて、これではとても出る気になれない。

この駐車場の横には道の駅があって、そこのWi-fiが駐車場でも使えるので、スマホで時間潰しをして過ごした。

天気予報では午後からは回復するということだった。昼過ぎには雨脚は弱まってきて、これなら散策程度ならできるのではないかと感じて、12時半に雨具を着て出発した。

道の駅のそばから散策路に入る。

コケに覆われた石段で、「雨の日は滑りやすいので注意」という注意書きが設置されている。

どうしてわざわざ手間暇かけてこういう歩きにくい道にしてしまうのか理解に苦しむ。おかげで石段の横にトレースができている。

歩き出して25分ほどで百紫(びゃくし)池。雨具を脱いだ。

さらに15分ほどで六観音御池(ろくかんのんみいけ)。

出発して1時間ほどで甑岳(こしきだけ)への分岐に来た。迷うことなく甑岳に向かう。

分岐から30分ほど歩くと最後の登りにさしかかってきた。

午後2時10分、出発して1時間40分ほどで甑岳山頂に到着した。

韓国岳が近くに見えるが、以前に見た異国感を感じた光景とはずいぶん違う。

せっかくここまで来たのでお鉢巡りに向かう。

登りついた場所のちょうど対岸あたりに三角点(1301.4m)があった。

お鉢はススキ原で、小さな池がある。

30分ほどでお鉢めぐりして、火口に下りる。ススキ原。

来た道を戻って4時20分に駐車場に帰ってきた。


風呂は新燃荘へ。

ここはお湯につかるだけという温泉でシャワーなどは無し。露天は混浴だったが女性は見かけなかった。

その後、霧島温泉の中心街に下りる。車道のそばに湯煙の舞い上がっているところがあった。

セブンイレブンで食材を買い出しして、大浪池登山口の駐車場で車中泊した。